キイチゴたちも冬支度を急いでいる。
一番きれいなのはニガイチゴ系。
ニガイチゴ#2(Rubus microphyllus)とキミノニガイチゴ(R. microphyllus f. miyakei)を並べてみた。
赤色を持たないと思われるキミノニガイチゴは、ほんのり黄色味が差している。一方で、相方は真っ赤。
ニガイチゴやヒメカジイチゴ(R. × medius)らは、先月から紅葉し始めたものもある。
なかでも鮮やかなのは、ヒメカジイチゴF2(R. × medius)。大ぶりの木に小ぶりの真っ赤な葉をいっぱいに着ける。すでに散り始めているので、少しまばら。
ニガイチゴ系は、キミノニガイチゴ、#2長弁株、#3多花株を今春追加した。ヒメカジF2を加えれば、5株になる。
ミヤマニガイチゴ(R. subcrataegifolius)は、ニガイチゴの大葉&多花の変種、という話もある。天竜スーパー林道あたりでは、普通のニガイチゴに見えても多花の株、がよく見られるので加えてみた。
ヒメカジイチゴの片親、カジイチゴ(R. trifidus)も、ほんのり赤らんでいる。
環境のせいか、真っ赤に色づくことはない。緑を残しつつ赤みが差し、あまりきれいではない。
カジを片親に持つトヨラクサイチゴ系も、さほどきれいには色づかない。
大実で大当たりのトヨラF2#1も、若いシュートは青々としている。この株は、盛夏の頃に多少葉が落ち、ひと段落してからまたシュートが出てきた。
ヒメバライチゴ#1(R. minusculus)も、一部が色づく。
地際はおおむね青いままだが、伸びた上の方はけっこう鮮やか。
モミジイチゴ#1(R. palmatus)は、つんと尖った真っ赤な冬芽がきれいだが、葉はイマイチ。赤くならない。
カジモミジ#2(R. trifidus × R. palmatus)は、葉縁を中心に赤らんでいるが、ニガ系に比べると控えめ。
フユイチゴ系は常緑なので、紅葉とは縁がなさそうだが、オオフユイチゴ(R. pseudosieboldii)は赤らんできた。
ここよりやや温暖な地(渥美半島)の出身なので、ちょっと寒すぎるのか。
ラズベリー系は、秋果がほぼ終わった。紅葉はしてない。
ブラックベリー系は、赤らんでいる。特にエバーグリーン(R. laciniatus ※)は、名に違えて一部が真っ赤になり、コントラストがきれい。
奥地出身のエビガライチゴ(R. phoenicolasius)は、ややオレンジがかってはいるが、さほど変化はない。この黄ばみは、夏の暑さで着いたものかもしれない。
先日自生地で見た「チリチリ」状態とは、様子が異なる。
同じく、クロイチゴ(R. mesogaeus)、ミヤマニガイチゴ、ハスノハイチゴ(R. peltatus)なども、夏に傷んだり落ちたりはするが、色づく様子はない。
昨年播いたコジキイチゴ(R. sumatranus)は、ダレダレ。寄りかかる性質ではあるが、もう少ししゃんとしろ、と。
紅葉のそぶりもない。コジキイチゴは、紅葉落葉は基本的にせず、凍ると傷んで枯れる、という受動的な生き方。
【 和名、学名の出典等について 】
- 標準和名や学名は、基本的に「YList」ページを採用する。
- Ylistに掲載のないものは、 Wikipediaの「キイチゴ属」ページのものを使う。これには「※」を付す。
- 交雑種は、種レベルの扱いがあり特に著名と判断したものはそれを使う。それ以外は独自名を付す。和名は両親から「イチゴ」を取った合成名、学名は両親を「×」でつないで連名とする。いずれも母体を先頭にする。
- 例:カジイチゴ(R. trifidus)を母体にコジキイチゴ(R. sumatranus)の花粉を付けたもの → カジコジキ(R. trifidus × R. sumatranus)
- 雑種は、入手個体を「F1」とみなす。特に必要がなければ「F1」とは記載しない。その子は「F2」となる。たとえばファールゴールドの実生は、「ラズベリー・ファールゴールドF2」と記す。
- 同種が複数株ある場合は、和名の後に番号を付す。従前1株だったものは、それを#1とする。
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