2024/02/28

花粉もキイチゴも

ニュースにもなった「2月に夏日」など、20℃超えがあったかと思えば一桁の日も。いま時分なら雪が降ってもおかしくないのに1週間雨だったり。
ともあれ、畑の面々にも着実に春が訪れている。


2/12 ウメが盛りを過ぎる
1月早々からほころんでいたウメ。いまは小さな若実が生っている。

一昨年は剪定に失敗し、見事に収穫ゼロだった。
引き渡された時はブッシュ状態。スッキリさせたのだが、花芽のある枝先を全部落としてしまったらしい。教科書には「短枝に咲く」とあったのだが、徒長枝ばかりの伸び放題では判断が難しかった。


2/11 蕗の薹
2月に入るとフキノトウが出始める。この日に30個ほど、翌週にもその半分程度収穫できた。

いくつかは天麩羅で旬をいただき、多くは開き気味になるまで待って量を稼いでから蕗味噌にする。
フキ:油:味噌:砂糖≒4:1:2:2をベースに、気まぐれのアレンジを加える。蛋白質系の旨味を少し加えたいかも。比で表すとメンドクサイ感じもするが、①刻んだフキをたっぷりの油で炒め、②味噌砂糖等量に合わせた甘味噌をフキと等量用意、③混ぜて煮込む、で出来上がる。
仕上げてから1日2日おくと、馴染んで味がまとまる気がする。小分けにして冷蔵。長期保存分は冷凍しておく。


2/24 クサイチゴ真っ盛り
キイチゴらは、クサイチゴが盛り。蕾から花後までふんだんにある。
この種は環境がよければ真冬でも咲くので、あまり季節感はない。


2/24 モミジイチゴ萌える
ビロードイチゴは、冬芽を作りつつも昨年中からダラダラと咲き続けているが、モミジイチゴはキッチリ葉を落とす。
鉢植えは細弁がやっとほころんできたところだが、畑の株はホソバ(イヌマキ)の保護のおかげか蕾が見えてきたところもある。


1/30 花粉?
暮れから今月にかけて果樹の剪定をしていたのだが、どうにもくしゃみが止まらない時があった。それも1月中に。
ふとフロントガラスを見ると、夜露の乾いた跡が斑になっている。これは怪しい、ということで、セロハンテープでペタペタし採取しておいた。

すぐ観察するつもりだったが、スピンドルケースに格納してあり、損壊紛失のおそれもないと安心してしまって……


2/25 花粉観察
ビクセンの染色液セットでは、サフラニンOの対象物に花粉とある。それでこれを使っていた2010/2011/2013/2020のだが、調べてみると「好塩基性に染色」などとある。こちらのページでは、ゲンチアナバイオレット推奨だが、メチレンブルーでもエオシンでもいい、とある。エオシンは謎だが、とりあえずサフラニンゲンチアナメチレンブルー塩基性染色液。そういうことらしい。

メチレンブルー染色液の蓋にこびり付いた溶質をこそげ落とし、水を数滴。すぐに溶けて真っ青な溶液ができる。これをテープに垂らし、スライドグラスに貼り付けつつ、きれいな水を垂らして軽く洗い流す。
150倍(10×15)で丸っこい青いものを探していき、見つけたら600倍(40×15)で観察、撮影する。思ったほどの数はなかったが、それっぽいものは見つかった。

以下は、撮影が大変だった様子を動画で撮ってみたもの。顕微鏡の覗き口にスマホのレンズを押し当てる、ハンディ・コリメート方式でやっている。

12 件のコメント:

  1. > 私は●●●●といいます。○○歳の老人です。長年キイチゴを調べてきました。(略)
    > 先ほどメールをしました●●●●です。すみませんが、(略)
    というコメント2件いただきました。
    どこまで公開していいのか判らないので伏字にします。連絡します。

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  2. はじめまして。私も日本在来野生種・海外種・栽培種を問わず様々なキイチゴを育てています。
    K-ichi様の様に、自家不和合性のある品種を結実させる試験栽培や、交配雑種の栽培育成や、育種にも興味があって集めています。
    突然で失礼ですが、この記事の、冬も開花しているビロードイチゴと、それから、クロイチゴの2品種の苗もしくは種子を、譲っていただくか販売して頂くことは可能でしょうか?

    K-ichi様は、「シマバライチゴ」「エゾイチゴ」「二季成りクサイチゴ・プチルビー」「リュウキュウイチゴ」「オオバライチゴ」「Rubus glaucus」は、ブログにも出てこない品種ですので、持っておられませんでしたよね。
    ご興味がもしおありでしたら、それらの品種との交換などいかがでしょうか?

    私は、ビロードイチゴやハチジョウイチゴと、私が現在栽培しています、リュウキュウイチゴ、カジイチゴ、モミジイチゴ、ニシムラキイチゴ、二季なりラズベリー、"二季成りクサイチゴ・プチルビー"、オオバライチゴなどを様々な組み合わせで交配して、結実可能な品種や、収量が高い品種を生み出したいと考えており、ビロードイチゴとハチジョウイチゴとクロイチゴが、現在、手元にないので、どうしても、入手したいと考えていて、探している状況です。

    ちなみに、二季成りラズベリーを母、ニシムラキイチゴを父にして生み出した"雑種ラズベリー"は、シマバライチゴとも交配可能なようです。
    ※「ラズベリー ベニテング」で検索しますと、該当の品種が出て来ます。
    そして、オオバライチゴやそれに近縁のリュウキュウバライチゴ(オキナワバライチゴ)は、クサイチゴに近縁な、クサイチゴの南方系の品種といえる品種ですので、ニシムラキイチゴやクサイチゴの花粉でも受粉して結実します。

    その様な試験栽培に使ってみたいということであれば、シマバライチゴなら沢山ありますので、差し上げますし、オオバライチゴも結実したら、それを送ることはできます。
    リュウキュウイチゴは最近栽培を始めたばかりで、まだ株の増殖が出来てませんが、ヤフオクやメルカリでの出品もあるみたいですので、私が苗を購入して、k-ichi様が必要でしたら、それをK-chi様に発送するという形でも大丈夫です。

    K-ichi様は、ビロードイチゴとカジイチゴの雑種を、交配されて育てておられますよね。
    『ビロードイチゴ × カジイチゴ のF1』は結実が良いとは言えないのですよね?
    ですから、私は、ビロードイチゴとハチジョウイチゴを交配させた、『ビロードハチジョウイチゴ』や、ビロードイチゴとリュウキュウイチゴを交配させた、『ビロードリュウキュウイチゴ』を育てて、それなら、よく結実するかも知れませんから、結実性を見てみたいと考えています。

    もし、不稔であったとしても、『ビロードハチジョウイチゴ』や『ビロードリュウキュウイチゴ』は、モミジイチゴの花粉やカジイチゴの花粉で結実するのかも実験してみたいと考えています。

    ちなみに、「リュウキュウイチゴ」は「モミジイチゴ」にとても近縁で、「南西諸島に自生するモミジイチゴ」みたいな位置付けで、屋久島には、モミジイチゴの屋久島亜種の「ヤクシマキイチゴ」という品種が自生するのですが、屋久島ではこれと「リュウキュウイチゴ」の両種が自生しています。
    標高によって、両種は棲み分けているみたいですが、近縁である故、屋久島では、分布地の境界の標高地では、しばしば両種の交雑個体を見ることが出来るそうです。

    そして、ハチジョウイチゴは、カジイチゴとモミジイチゴが関連する雑種由来の「種」(ニシムラキイチゴがカジイチゴとクサイチゴが由来の雑種由来の「種」と同様に)ではないかという見解があります。
    ですので、ハチジョウイチゴは、カジイチゴやモミジイチゴとも容易に交雑し、「マルバモミジイチゴ(ハマキイチゴ)」の様な、ナガバモミジイチゴとハチジョウイチゴとの雑種や、カジイチゴとハチジョウイチゴの雑種も、自然交雑個体として自生して存在します。

    ちなみに私は、ゴショイチゴに近縁の甜茶も栽培していて、日本には「ゴショモミジイチゴ」という自然交雑雑種も存在するので、「ビロードリュウキュウイチゴ」の育苗にもし成功できたら、これが甜茶の花粉でも結実するのかも実験して見てみたいと考えています。

    そういう交雑の試験栽培をやってみたく考えてますので、ビロードイチゴとクロイチゴを増殖させて、販売するかお譲り頂けましたら、有難いです。
    しかも、秋も花が咲く個体の「二季なりビロードイチゴ」は珍しいと思います。

    メールアドレスは、コメント欄が非公開コメントではなく公開コメントですので、ここに書き込むと、不特定多数に知られてしまいますので、ご返信頂けましたら、お知らせします。
    お譲り頂くことが可能でしたら、ご連絡を頂けましたら、私の発送先の住所を連絡します。
    お返事お待ちしています。
    よろしくお願い致します。

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  3. 先程のしましたコメントの補足で、

    > KAKEN — 研究課題をさがす | 2018 年度 実施状況報告書 (KAKENHI-PROJECT-17K07571)
    > https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-17K07571/17K075712018hokoku/
    > Ideaobatus亜属の系統関係については、地域性を考慮し、サンプルを追加して系統樹を作成したところ、亜熱帯性を示すリュウキュウイチゴにもっとも近縁なのは、温帯性に分布するモミジイチゴと暖かい温帯に分布するハチジョウイチゴであり、モミジイチゴとハチジョウイチゴは形態的な違いが明白なものの、遺伝的には非常に近縁であることがわかった。また同じく亜熱帯性を示すオオバライチゴにもっとも近縁なのは温帯に分布するヒメバライチゴ、バライチゴ、クサイチゴであった。また、亜熱帯と温帯に広く分布するナワシロイチゴは、リュウキュウイチゴやオオバライチゴとは異なる系統的グループに属することがわかった。このグループには、比較的冷温な温帯に分布する種が多く属した。各種の気候的ニッチとその系統関係を明らかにするため、GBIFデータベースに登録された標本採集地の平均気温と平均降雨量を各種のニッチの平均値とし、種文化に伴うニッチの進化を祖先的state解析から推定した。結果、異なる系統に暖かく降雨量の多い気候帯への進出を伴う種分化が示唆された。この系統関係をもとに、ゲノム解析を行うサンプルの準備を行った。

    という研究発表があります。

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  4. おぉぉ、長いw

    >冬も開花しているビロードイチゴと、それから、クロイチゴの2品種の苗もしくは種子を、
    実でよければ生ったら送ります。
    本当は苗の方がいいですよねぇ……ちょっと考えさせてください。

    >『ビロードイチゴ × カジイチゴ のF1』は結実が良いとは言えないのですよね?
    不器用なだけかもしれません。とりあえずビロード母体は何一つ成果がないです。
    逆は2回苗が採れました。この春はもしかしたら、と思っていたのですが、寒さにやられたか枯れ込んで小さくなってしまいました。

    >秋も花が咲く個体の「二季なりビロードイチゴ」は珍しいと思います。
    いわゆる二期生りではなく、普通に冬芽は作るんだけど春まで我慢できなくてチョロチョロと少しずつ咲き続ける感じです。
    ビロードイチゴは近隣には無い種なので、これが普通なのか異常なのかは不明です。

    >>ベニテングのページ
    >クサイチゴとカジイチゴを交配したが
    >結果はクサイチゴに見た目と香りが似るが、未熟果でも全く酸味がない甘い果実をつける直立するキイチゴが生まれた。
    この組み合わせは、不稔のトヨラクサになるものだと思っていました。しっかり生るパターンもあるのですね。

    >黄実のクサイチゴとカジイチゴを交配してみた、
    何色になるのか興味があります。

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    1. お返事ありがとうございます。
      苗でも実でも送れる方で、ご都合が付く方で大丈夫です。

      私の送り先を送って頂いたメールに返信でメールしました。

      成程。「冬越しさせると枯れ込みました」ということは、『カジイチゴ × ビロードイチゴ F1』も雑種強勢とは行かないのですね。
      カジクマイチゴ(「カジイチゴ × クマイチゴ」なのか「クマイチゴ × カジイチゴ」のどっちのF1かはわかりません)や、ヒメカジイチゴだと丈夫に育つ品種だそうですが、ビロードイチゴが絡むと、種子親でも花粉親でも、栽培は簡単には行かないという訳なんですね。

      カジクマイチゴでしたら、雑種強勢でちゃんと結実もするそうですが。
      ※参考。
      https://core.ac.uk/download/pdf/196744851.pdf
      ご興味があれば試されてみてください。

      とりあえず、2品種を、都合が付くようでしたら、よろしくお願い致します。

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  5. >Blogger初コメントで、わからなかったのですが、承認制だったのですね。
    >K-chi様の方でコメントを承認しなければ、私がコメントしたらただちに、コメントが不特定多数に公開されて、メールアドレスが不特定多数に知られてしまう訳ではないとわかりましたで、(略)
    解りづらいシステムですよねぇ……連絡します。

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  6. >> KAKEN
    最終報告がこれですかね。
    https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-17K07571/17K07571seika.pdf
    エビガライチゴって、赤花だっけか?

    遺伝子解析で雑種親とかも判ればいいなぁ、とか
    カジナワシロが成功しなかったのは遠すぎたからか、とか
    でもラズといろいろ掛けられるってことはそうとも限らないのか、とか
    いろいろ思いました。

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    1. そういえば、ナワシロイチゴはホウロクイチゴと交雑します。
      ホウロクイチゴは、シマバライチゴと同じく、フユイチゴ・グループの仲間ですので、遠縁の筈ですけれど、ナワシロイチゴはホウロクイチゴと自然交雑する様です。
      ホウロクイチゴはフユイチゴの仲間なのに、本州に自生するコバノフユイチゴと同じく、春咲きですので、同じ時期に花が咲く為交雑する様です。
      ただ、F1のマヤイチゴは、不稔の様です。
      恐らく3倍体になることが理由だと思います。

      > 琉球の植物「データベース」 :: 国立科学博物館 National Museum of Nature and Science,Tokyo
      > https://www.kahaku.go.jp/research/activities/project/hotspot_japan/ryukyus/db/S772.html

      > まぼろしのマヤイチゴ - MIRACLE NATURE@世界自然遺産の島、奄美大島
      > https://blog.goo.ne.jp/miracle_nature_amami/e/dd708fef35e9214a01df0bed3171c0d4


      ホウロクイチゴは4倍体らしいので、同じ4倍体で、祖先がカジイチゴのニシムラキイチゴとは交雑して、その雑種は結実するのかも知れません。

      ナワシロイチゴは2倍体ですので、「ホウロク×ニシムラのF1」とナワシロイチゴとの交雑種を結実させたければ、ナワシロイチゴも、ラズベリーとブラックベリーの交雑品種である、ボイセンベリーとかローガンベリーかタイベリー辺りとナワシロイチゴを交配して、「ナワシロ系の4倍体品種」を予め準備して、4倍体同士、揃えておく必要が出て来ますね。

      「ナワシロ系の雑種の4倍体」と、同じく4倍体の、ニシムラキイチゴか、「ホウロク×ニシムラのF1」を交配させたら、カジナワシロの雑種は、理論上は、作れるかも知れませんね。
      他に、コルヒチン処理でカジやナワシロを倍数調整するだけの4倍体個体を作って生み出す手もありますし、どちらが効率が良いのでしょうか。

      ですので、カジイチゴとナワシロイチゴの交雑個体を生み出すのは、理論上の辻褄を合わせだけでも、滅茶苦茶、難儀で面倒な作業が必要になりそうですね。

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  7. >ビロードイチゴが絡むと、種子親でも花粉親でも、栽培は簡単には行かないという訳なんですね。
    栽培が下手なだけの可能性もあります。株の育ちの具合もあるかもしれません。
    ヒメカジイチゴはしばらくは生らず、「このきなんのき」でも生りにくいと聞いていたのですが、何年かすると嘘のように普通に生るようになりました。
    期せず入手したヒメクマイチゴ(ミヤマモミジ×クマ)も、極小苗のまま消えるかと思われたのですが、いまではそれなりに咲き実っています。

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  8. >コルヒチン処理でカジやナワシロを倍数調整するだけの4倍体個体を作って生み出す手もありますし、
    なかなか難しいようですよ。ただし、かつて鳴橋先生の手元には、中国産の4倍体ナワシロイチゴがあったそうです。
    確認も大変です。染色体の大きさが2μmあるかないかなので、光学顕微鏡だと上手く展開させても存在を見るのがやっとになりそうです。

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  9. どうも、うちのベニテングの話しを見かけたのでのぞきにきました。

    簡単な交配ではないので文面だけで広めるのはよろしくないかもですね。

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  10. あー、HI-DさんとMsysi.Yさんは別人なんですね。いま気づきました。

    以前のコメントにも書きましたが、「クサカジ」が不稔のトヨラクサにならなかったこと、「黄実のクサカジ」が生まれるかどうか、について興味を持ちました。
    あらためて世界征服を目指したかの記事を読み返したところ、赤実×黄実(?)でも黄実の「ミカン」が生まれたというのも目を引きました。片親に赤実がいれば赤実になる、という経験しかなかったので。カジキミノニガ(黄実のヒメカジイチゴ予想)ですら、普通に赤実のヒメカジになりました。
    なかなか奥が深いです。

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