毎年、クマイチゴ(Rubus crataegifolius)はたくさん実をつける。
放置では熟す前に力尽きてしまうので、水はもちろんとして少々の施肥も欠かせない。ふた月に1度、8号鉢で緩効性化成(10-10-10-1)を3粒。約2.4gを与えている。
同時期に、ヒメカジイチゴ(R. × medius)やカジモミジ#1(R. trifidus × R. palmatus)ら、雑種たちも熟す。ヒメバライチゴ#1(R. minusculus)、モミジイチゴ#3(R. palmatus)らも。
あまり置くと酸味が抜けてぐずぐずになり、若くては固くて酸っぱい。適当なところで2~3日に一度程度収穫しているが、コップがあふれてしまう。トヨラクサイチゴF2#1(R. × toyorensis)のヒットだけでなく、全体に今年は豊作なよう。
とりあえず冷凍保存しておく。
21日にはニガイチゴ(R. microphyllus)が熟れ、クマイチゴらが弾切れになりつつある月末には、ラズベリー・インディアンサマー(R. idaeus ssp. idaeus)やボイセンベリー(R. ursinus × R. idaeus ※)ら、園芸種も熟しだす。
同じころ、ミヤマニガイチゴ(R. subcrataegifolius)も、真っ赤な実をつけ始める。
ミヤマニガイチゴは、ニガイチゴとの区別点として、葉脈の主脈からの分岐が多い(10対超)、一箇所に花が複数着く、などがある。花は複数着いたが、残った実はひとつずつだった。
6月に入ると、3日遅れのラズベリー・ファールゴールド(R. idaeus ssp. idaeus)が熟す。必ずインディアンサマーより遅れる。
コジキイチゴ(R. sumatranus)の挿し木とカジコジキF2(R. trifidus × R. sumatranus)も、同時に熟す。実は小ぶりだが、どちらもコジキイチゴの風。
さらにはクロイチゴ(R. mesogaeus)も黒熟。一日一日、ひとつふたつと色づいていく。クロイチゴは、今春のシュートにも花が着いた。クサイチゴやミヤマニガイチゴでは、頂部にひとつふたつ着くことはあるが、こちらはごく普通に。たまたま結果母枝の少し埋まった幹から出たのか、何らかの環境等の影響なのか。別鉢の株では、そういう現象は見られていない。
ブラックベリー系は、咲きつつ青い実が着いたところ。
ハスノハイチゴ(R. peltatus)は、冬に株分けしたせいか、花芽は見えない。
バライチゴ(R. illecebrosus)は、花が終わり若実の状態。
エビガライチゴ(R. phoenicolasius)は、萼を閉じて育んでいる最中。白っぽい若実が、ところどころはみ出て見える。
カジモミジ(R. trifidus × R. palmatus)系は実が着かず。カジモミジ#3は数個蕾がついたが、すべて芋虫に食われてしまった。
ひと月あまり前に施術した4度目のカジナワシロ(R. trifidus × R. parvifolius)が、今日色づいていた。標準やや控えめなサイズで、60~70粒ぐらいはありそう。
ラズベリーの二株は、よく似ている。赤実と黄実とで分けて売られているが、全体を眺めた感じでは、どうも種レベルでは同一で、赤色が出ない(もしくは持ってない)変異株が黄実となっているように感じる。
先日、近所の山を散策していたところ、雰囲気の妙なニガイチゴに出会った。普通は、雄蕊の付け根、棘、萼、枝など、程度の差は大きいものの、どこかに赤味があるもの。
【 和名、学名の出典等について 】
- 標準和名や学名は、基本的に「YList」ページを採用する。
- Ylistに掲載のないものは、 Wikipediaの「キイチゴ属」ページのものを使う。これには「※」を付す。
- 交雑種は、種レベルの扱いがあり特に著名と判断したものはそれを使う。それ以外は独自名を付す。和名は両親から「イチゴ」を取った合成名、学名は両親を「×」でつないで連名とする。いずれも母体を先頭にする。
- 例:カジイチゴ(R. trifidus)を母体にコジキイチゴ(R. sumatranus)の花粉を付けたもの → カジコジキ(R. trifidus × R. sumatranus)
- 雑種は、入手個体を「F1」とみなす。特に必要がなければ「F1」とは記載しない。その子は「F2」となる。たとえばファールゴールドの実生は、「ラズベリー・ファールゴールドF2」と記す。
- 同種が複数株ある場合は、和名の後に番号を付す。
2 件のコメント:
なんかオタクのブログずっと読んでるんだけど、植物とか多いよね。人間との触れ合いとかなさそうだね?
> なんかオタクのブログずっと読んでるんだけど
メモごときを、ずっと読んでもらったようで恐縮です。
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