先月18日ごろだったか。heavens-aboveで「明るい衛星の日毎の予測」を見ていたら、突如現れた深夜の1等星。
深夜に見える人工衛星は、軌道高度があるか、夏場の北天低くか。いずれにせよ衛星までの距離があり、条件はよろしくない。仰角が低ければ、そもそも予報自体に出てこない。
それにもかかわらずの1等級クラス、これは尋常じゃない。
かつて撮ったISSの北限通過に匹敵、場合によっては凌駕する明るさ、なんてことも考えられる。ちなみにこのISSは、低すぎて予報には出てこない。
トップページに戻ってみると解説があり、ロシアの打ち上げた人工衛星とのこと。現在は「マヤーク」となっているが、当初はmayakと表記されていた。もちろん、麻薬、ダメ。ゼッタイ。でもない。
この衛星は2017年7月14日にバイコヌールから打ち上げられた、小型衛星たちのうちのひとつ。3U(3ユニット、10×10×30cm)の細長い箱で、軌道上で16m2に及ぶ正四面体の反射体を広げるという。
衛星番号は42830。heavens-aboveのほか、Spaceflight101などが詳しい。
満月に次ぐ明るさになる、という触れ込みの当衛星。物珍しさはあるものの、迷惑な存在にもなりかねない。一部でもてはやされている人工流星ベンチャーもあるが、反対意見が聞こえないのが不思議。
mayakは単なるにぎやかしではなく、用済み衛星をさっさと処分する実験でもあるそう。でっかい構造物を広げることで、空気抵抗を増し、通常よりはるかに短期間に大気圏へ返すことを目指している。
オフィシャルサイトの8月7日付け発表によれば、衛星は軌道には乗ったものの、反射体の展開には失敗した模様。
件のサイトを見ても経過の情報がないので、展開を信じて、暇をみては撮っていた。
7月19日分は、50mm相当、F2.5、100s、ISO80。カメラはCASIO EX-10。
Yimgで階調補正を掛け、1600px分トリミングした。
8月8日分は、112mm相当、F2.8、100s、ISO80。
透明度はいいものの、満月下で昼間のような写り。相当に強く階調補正を掛け、1600pxに縮小した。
立須の上の×印は、浜松風力発電所の風車、1~3号機。
撮影終了時には、風車群の右脇にカペラが輝いていた。予報位置より低くに2~3等級、でも見えそうなコンディションだった。
ちなみに、heavens-aboveの星図は8等星まで描かれるらしい。19日分ではやや足りず、8日分ではそれ以上に写っている。
mayakの動きの速さは、日周運動の50倍くらい。単純に考えると4等級強暗く写る計算。
8等級強まで写っているとすれば、4等星より明るくはなってない、と概算できる。
結局、2回しか晴れず、肉眼でも撮像でも確認はできなかった。
YouTubeには、mayakを撮ったという映像が上がっている。
7月25日の0:05ころ、イギリス南部にて、とのこと。これだけ緯度が高いと、見える位置もだいぶ高くなる。γPeg(3等星)をかすめて南行するシーンだが、γ星よりはるかに暗い。
ただ、この映像とheavens-aboveの予測時刻とはズレている。γ星付近の星図と突き合わせても合わない。本当にmayakなのかを含めて、正直よく判らない。
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