いつ以来だろう。天竜スーパー林道は
久々の全線開通
状態。「林道のその先に」というブログに8月12日の記事がある。
21~22枚目の写真(「アスファルトの匂いがしていた」コメント)がその工事箇所で、盆にはすでに再舗装まで終わっていたらしい。
昨年の記事でも画像を借りている。お世話になりっぱなし。
このブログ主氏は、崩壊直前に通過しており、工事終了後にまた行ったらしい。アスファルトの匂い云々の画は、ダム側から橋を渡って現場を過ぎ、振り返った構図。昨年記事の「現場を振り返る」画像に相当する。
さて本題の麻布山。
麻布山へのルートは、一般にはスーパー林道上にある「麻布山登山口」から森を抜けていく。地図の点線がほぼその道で、前黒法師山を経てバラ谷の頭へ至る。
ネット上には、戸中川側から登るルートも紹介されている(2001年、2007年、2010年)。
水窪ダムから川沿いに行くと、510標高点に鉄製コンクリート柱の立派な吊橋がある。橋を渡り、1153標高点などを経由し、一般ルートの廃屋の脇に出る。途中には鳥居があるなど、歴史ある山道らしいが、2014年時点で登り口が判らない状態。川を渡っての入山には、少々トラウマもある。
今回は、水窪ダムまで下る太い南西尾根と、一般登山道の枝尾根を歩いてみた。
長大な尾根を下った挙句林道に下りられない、では洒落にならない。あらかじめ尾根への取り付きなど、登りで確認しておく。当日は、別尾根から登り、南西尾根は下ることにした。
掲載地図画像は、カシミール3Dによる。フォントはあずきフォントを使用。
GPSロガー不調につき、各ポイントは手入力。判りづらい部分のみ線を引いた。拡大地図では、現地での「雰囲気」を等高線などに表してある。
ゴールデンウィークの5月3日。スーパー林道は、麻布山登山口で通行止め。こっそりダムへ向かうが、当然荒れ放題。インテグラでは、1100mの麻布3号橋までが精一杯だった。
先だっての偵察時には、軽自動車がダムまで走っていったのだが……
こういった片付けもあるので、盆明けから今まで通行止めが明けなかったのだと思われる。
歩いて下り、いくつかカーブをこなすと沢があり、その先で尾根が道路まで下りている。人が出入りしたような跡もあり、気になっていた。ここから取り付く。
道はなく低木も生える。とりあえず尾根に乗って急坂を登り、ピークを少し歩いたら下ってしまった。
この鞍部は、下りながら沢まで通じている。林道から沢右岸沿いにも踏み跡があった。藪をこいでマダニに食われるぐらいなら、沢伝いの方がよかった。
鞍部北端は崩れかかっている。そのあたりから尾根に見当をつけて登っていく。ヒノキ林の縁であり、林に入ったり出たりしながら、ときおり北面の崩落を見ながら登る。まもなく尾根が消え、雑木林になり、バイケイソウが群れ、その先に小屋が見える。
この枝尾根は、ちょうどヒメシャラ東屋から北西に降りたものだった。
地図を眺めると、ほかにもいくつか枝尾根はある。
もうひとつ北の1023を経由する尾根にも、林道から取り付いた跡があった。地図では等高線が詰まって見える。実際に行った人もいるようだが、やはり厳しいらしい。
南の1304の北隣のピーク(祠のある場所)からも西へ降りられそう。ただ、メリットは感じられない。水窪ダムからゼンモン山経由で麻布山、などという変態コースを行くならともかく。
一般ルートに出たので、これに乗って山頂方面へ向かう。
ほぼ唯一の眺望、1550mあたりの麻布の禿から眺めてみるが、春霞で透明度はいまいち。三岳山がかろうじて判るレベル。
ここには昨年11月にも出向いている。光の加減もあり、照り返す浜名湖と陸地とがくっきり。浜名湖の向こう(照り返し上の暗い部分)は新居町付近。
肉眼では見えなかったが、浜松風力発電所の風車も分解できた。直線距離にして45km、風車の直径は82mなので、視直径は僅か6.3'。満月の1/5しかない。
112mm相当、ISO80、1/2000sで、F2.5をF4.5まで絞っている。EX-10の全力の解像度が出せそうな設定。12M最高解像度で撮り、そこからVGA分を切り出してみた。
同時にCaplioR2でも撮ってみたのだが、こちらは分解できなかった。歴然とした性能差が判る。
麻布山山頂近く、1640mあたりからは、緩い起伏になる。苔生した倒木に、落葉樹とモミツガの林。日が射すところにはバイケイソウ。
登山道は、麻布神社跡、廃屋を経て山頂へ向かう。そちらに用はないので、この平坦地の縁を伝って南西尾根へ向かう。写真左奥の尾根がそれ。
道はないが尾根ははっきりし、木もまばらで見通しは利く。多少の赤リボンや矢印看板もある。
尾根を下り始めてまもなく、南面が崩れ始める。地図では、1590m等高線のあたり。おそらくこれが、2011年崩壊の谷筋の最上部。
この他にも何箇所か覗ける所はあるが、崩れた谷筋を見ることはできなかった。確認しに下りていく気も起きなかった。
もう少し下り1550mにかけて付近は、緩い起伏とまばらな木、そして絶好の眺望ポイントになる。「眺」の看板を掲げた人の気持ちがわかる。
三岳山の風車列は全域が見渡せ、右手には渥美半島も。スーパー林道に沿う山並みの南端、秋葉山には浜松アクトタワーが重なる。灰縄山の山列の上には、天竜川河口の磐田ウインドファームが見える。
……と、カシミールでのシミュレーションでは出たが、今回は見通せる天候ではなかった。
1500m付近にも、崩落地からの眺望がある。土砂が林道の橋を押し流した、その先も少し覗ける。
山名は、モノクロ画像に書き込んでみた。
写真中央上寄り、山腹が白くなっている麓に車を停めている。
今日の周遊ルートは、「取り付き」まで下り、登山道へ駆け上がり、画像左外の山頂付近まで登る。そこから下って現在地を経由し、画面右下の尾根を底の方まで下る。林道へ出たら、「林道下へ流れ下る」などを見つつ、延々と車道を車まで登り返す。
この南西尾根。上部はザレ気味の急登があるので、軽登山靴は欲しい。ただ、適度な植生密度があり、崖や痩せ尾根はないので安心して歩ける。
1450m付近からは、ヒノキの植林が出てくる。植林、雑木、バイケイソウがまぜこぜで続く。1300m付近からは、本格的に植林帯になる。
やがて廃小屋、鉄檻の罠、が出てくると1200m台前半。尾根の真ん中あたりになる。
小屋跡が、尾根の北寄りにさらに2箇所。さらに下ると、1050mあたりで明るい雑木林に出くわす。南に緩く尾根になっており、なんとなく下りられそう。
林道側から確認すると、尾根筋、谷筋など、3箇所ほど出入りの形跡が見られた。
尾根道は、写真の右外から右奥へゆく。
そのまま植林内を下っていくと、800m台後半あたりで劣勢のアカマツ林になる。
さらに尾根なり道なりに下っていけば、770mの林道からの取り付きに出る。
林道からの取り付き画像は、見下ろした構図。
これを下り、次の緩い右カーブをアウト側に下れば、林道をショートカットできる。
尾根には踏み跡があり、吹き付け法面のてっぺんを歩き、林道への下り口にはコンクリート製の階段もついている。半分埋もれて判りづらいが。
さらに林道を横切ってダム方面へ行く道もついているが、どこまで行けるのかは不明。
この付近では、9月には、ベニタケ科、テングタケ科、イグチ科など、雑多なキノコがわんさと生えていた。
尾根筋ながら、ヤマビル大襲来、マムシの出迎えもあった。
南西尾根への取り付きのすぐ東あたりが、冒頭工事の法面のてっぺんあたりになる。
写真に写っているのは、当該現場の西隣の、吹き付け法面の頂部。林道からワイヤを引き、隣の法面越しに現場へ引っ張っていた。
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