2月から蕾を見せていたビロードイチゴ(Rubus corchorifolius)が先陣を切るかと思いきや、庭先のクサイチゴ(R. hirsutus)が月替わりとともにトップをさらう。モミジイチゴ#2(R. palmatus)もほころぶ。6日になってようやく開花すると、カジモミジ#2(R. trifidus × R. palmatus)やらカジイチゴ(R. trifidus)やら、少し遅れてニガイチゴ(R. microphyllus)やらが途切れずにどんどん咲いていく。
現在は、クサイチゴやトヨラクサイチゴ(R. × toyorensis)の類が熟してきて、ヒヨとの攻防をしている最中。他はおおむね若実だが、わが道ブラックベリーだけは蕾が覗きかけたところ。
3月11日、昨年は黄変して終わったカジビロード(R. trifidus × R. corchorifolius)が開花。
ただ、どう見てもビロードの気配が無い。花だけ見るとクサイチゴ。着き方はカジイチゴの気配を感じるが、そこまで分岐は多くない。葉は3出複葉で、新シュートではさらに裂が入る。葉柄の根元でもげやすい、という変な癖はあるものの、特徴を見る限りトヨラクサイチゴ(R. × toyorensis)としか思えない。
記録を振り返ると、'17年4月に施術し、交配後はセロテープガードしてあり、虫の入る隙はない。ただ、カジの萼が残っている。ということは、開花直後に施術したらしい。このごく短い時間に、クサイチゴの花粉を運んできた虫がいたのかもしれない。ちなみにこの母となったカジイチゴからは、実生でトヨラクサイチゴが発生したことがある。
コンタミの可能性が高くなったので再挑戦。今年は咲く前の花に施術しておいた。おおむね40日とすれば、月末には熟すはず。
実生も発芽してきた。
昨年播種分では、ニガクマ系の確認用に、クマキミノニガ、クマミヤマニガを施術。およそ55/70、1/2の発芽を確認(発芽/播種)。本葉1~2枚なので、生き永らえるかはまだ判らない。なぜか雑種を聞かないニガとモミジについては、キミノニガモミジに挑戦。約30/38と好成績だが、構造的に雄蕊除去が難しい種なので自家受粉の可能性もある。ミヤマモミジから出てきたヒメクマの実生は、5/29といったところ。
それ以前のものでは、'19年6月のミヤマニガクマ(仮)の実生が出てきた。3/19と僅かだが、そのうちひとつは大きめでガッチリ。写真上側がそれで、双葉の縁に毛がない。下側はよくあるキイチゴの発芽。昨年は発芽なく、2年越しでの芽生えになる。
同年のビロードモミジは、0/64。ここまで出ないと、何かカラクリがあるのかもしれない。
'18年のハスノハモミジの鉢では、今年も2つ発芽があった。昨年もひとつ発芽があり、ハスノハそのものだった。'20年の写真にも、5時方向に小さく写っている。仮に今回もハスノハなら、3年越しでも発芽する、ということになる。同年のハスノハの鉢では、播種当年に1つ、翌年に大量、翌々年にも10程度の発芽を見ている。
ハスノハモミジは、複数株出ては消えを繰り返し、奇形を含めて3株が播種翌年を生きていたが、結局生き残りは1株だけだった。
【 和名、学名の出典等について 】
- 標準和名や学名は、基本的に「YList」ページを採用する。
- Ylistに掲載のないものは、 Wikipediaの「キイチゴ属」ページのものを使う。これには「※」を付す。
- 交雑種名は、特に著名と判断したものはそれを使う。それ以外は独自名を付す。和名は両親から「イチゴ」を取った合成名、学名は両親を「×」でつないで連名とする。いずれも母体を先頭にする。
- 例:カジイチゴ(R. trifidus)を母体にコジキイチゴ(R. sumatranus)の花粉を付けたもの → カジコジキ(R. trifidus × R. sumatranus)
- 雑種は、入手個体を「F1」とみなす。特に必要がなければ「F1」とは記載しない。その子は「F2」となる。たとえばファールゴールドの実生は、「ラズベリー・ファールゴールドF2」と記す。
- 同種が複数株ある場合は、和名の後に番号を付す。従前1株だったものは、それを#1とする。
2 件のコメント:
Twitterやってます?
最近しょくぶつ板でお見かけしなかったもので
おかしいなぁ……バレてないはずなのに。
呟いてはいません。コテは疲れますしね。
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