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5日には日面通過の予報も……消滅
これで見納めと、「拜拜,天宫一号」など書いたものの、しぶとく生き残っていた天宮1号。ついに4月2日9:15(JST)ごろ、チリ沖の太平洋に落下した模様。
AEROSPACEによれば、-42.7,272.9、とのこと。ググる先生によれば、南緯42.7°、西経87.1°は、どっちを見ても陸地まで1000kmある。YouTubeにニセ動画しかないのも無理はないか。

大気圏再突入(reentry)20分前には、日本の上空を通過していた。
そのタイミングの予報はなかなか収束せず、4月1日なのか2日なのかはっきりしないまま当日。直前になっても±2時間などと幅があった。
天宮は、1時間半で地球を一周してしまうので、どこに落ちるのかまったく判らない状況。
最終予報の中心は、仰角70°と絶好の中日本パスの、後30分余。もしかしたら……と薄靄の青空を眺めてみたが、飛行機雲がひとつ見えただけだった。

4月2日には、日本近隣・上空パスが5回あった。以下に挙げておく。なおこの予測は、SatelliteTrackerによる。
衛星を中心にした同心円は、外から仰角0°、15°(点線)、30°、45°(点線)、60°、75°(点線)、を意味する。



2:47ごろ、南海上パス

4:19ごろ、青森パス

5:51ごろ、北海道パス

7:23ごろ、青森パス

8:55ごろ、中日本パス!!!

10:26ごろ、沖縄パス


リエントリが後ずれしたため、3月の29日、30日にもパスが見られそうだと判った。

29日のパスは、一時はマイナス等級の予報になったものの、結局は1.1等。いつも予報より1~2等暗いので、まぁ確認できればいいか、という認識。
最近は天気は悪くないものの、春特有のヘイズは多い。しかも薄明中なので、気を抜いたら見逃すかもしれない。

背景が明るくなる過程であること、衛星がかなり速いことなどから、許される範囲でなるべく短時間露出とし、後から合成する作戦にした。


2018/3/29 天宮1@立須
浜松市北区の立須にて。
カシオEX-10、28mm相当、F1.8、0.45xワイコン併用、ISO400、2秒露出。4:58:02~4:59:08ごろの26枚を比較明合成。
右の輝星は、てんびん座にいる木星。中央右よりにさそり座、左よりにいて座。いて座にいる2輝星は、左から土星、火星。

天宮1号は、4:58過ぎに現れると、どんどん光度を増し、アンタレス(1.0等)をしのぐまでになった。
ぴゅーっと飛行機を追い抜き、土星火星にさしかかる頃には減光し、やがて見えなくなってしまった。
土星火星(0.5等)には一歩及ばないレベルだったので、0等台後半といったところ。

予報等級並み、若しくは明るく見えたことは今までにない。いろいろ情報を集めてみると、どうやら回転しているらしい。30日のtweetに動画があった。
おそらく、回転によってフレアを起こし、土星火星を過ぎたあたりからは通常(予報以下)の光度にまで落ち込み、空の明るい方向へ移ったために見えなくなったのだろう。

以下は、比較明合成の代わりに動画化したもの。AviUtlによる。
紙芝居状態ではあるが、おおむねリアルタイムの速度になっている。




30日は、30分ほど早い時間。天文薄明ではあるものの太陽は-13°。予報光度も昨日と同じ1.1等。光跡一発撮りでいけるのでは、と再挑戦。
昨日よりヘイズが濃い。西には太った月が残る。微妙な空だが、昨日並みに明るければ、十分に写るはず……

しかし結局、肉眼では確認できなかった。
4:30:40から撮ったつもりが、タイムスタンプを確認すると40秒ぐらい遅れている。後にも先にもこんな現象は起きてないので、寝坊介が時計を見間違えたのだろう。

4:31:20なら、まだフレーム内には居る時間帯。試行錯誤したところ、なんとか存在は確認できた。
Yimgのレベル補正で特定範囲レベルの信号だけを取り出し、まだらノイズの中に軌跡形状のノイズを浮かび上がらせた。

これが最期の天宮1号。


撮ったものに文字入れ(+縮小)のみ
フォントはいつものあずきフォント

画像処理+トリミング

SatelliteTrackerによる予報

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