せっかくの透明度だし、月もないし、手放しで撮れるし、ということで、薄明が目立ち始めるまで撮り続けてみた。それを処理したのが左の画像。
レンズはワイコン付きの28mmだが、動画撮影なので多少画角は狭い。f=20mm台前半、F1.8開放、31分固定撮影、といったところ。光跡から各フレームの露出時間は1/3s程度と想像される。
中央におとめ座、右端にしし座の尾部、左にてんびん座と金星、さらに左端にさそり座頭部。上辺にはうしかい座、下辺にはからす座が掛かっている。
星の流れから判るように、右下が西になる。ポツポツと恒星状の点が散見されるが、これらは撮像素子のノイズ。
TELKOM3を含めて、15本もの光跡が写っている。ずっと注視していたわけではないが、肉眼で気づいたのは三分の一ほど。
3等クラスで見えた衛星が消え入りそうな写りなので、おそらく全てはそれ以上の明るさ。フレアを起こす衛星は、意外と多いことがわかった。
空を見上げていると、不意にキラッと光ることがある。一瞬なので眩暈か何かかと思ってしまいそうだが、フレアが見えた可能性は十分にある。
画像処理は、AviUtlで全フレームを切り出し、KikuchiMagickで比較明合成、さらにYIMGで階調補正を30%ほどかけ、MSPaintで番号を振った。ちなみに画像内ではあずきフォントを使用している。
生成画像と映像とを見比べつつ、SatelliteTrackerで該当する衛星を調べあげた。
以下に丸数字順に列挙する。
説明内には、衛星名[衛星カタログ番号、国際衛星識別符号、スペーストラックでの名称]、を含める。
時刻は光跡の中央あたりを目安に、衛星の動きは画像の縦横を基準に表すこととする。
- 5:41:41ごろ。下へ移動。陸域観測技術衛星だいち(ALOS)[28931 2006-002A ALOS (DAICHI)]のフレア。マイナス等級のフレアを起こすことが知られている。
- 5:59:21ごろ。上へ。コスモス1758[16791 1986-046A COSMOS 1758]のフレア。
- 5:43:50ごろ。左下へ。OSIRIS-3U[43027 1998-067NL OSIRIS-3U]のマイナス等級のフレア。高度300km程度なので、面白い対象になるかも。
- 撮影開始時から写っている。左下へ。NOSS 2-3 (E)[23936 1996-029E NOSS 2-3 (E)]の、ゆっくりとしたフレアか。予報より15秒ぐらい遅れている。
- 5:54:35ごろ。下へ。実践15号[39210 2013-037C SJ-15]のフレア。
- 5:30:15ごろ。上へ。コスモス1766[16881 1986-055A COSMOS 1766]のフレア。
- 5:36:15ごろから左へ。通信衛星テルコム3[38744 2012-044A TELKOM 3]。回転して明滅。マイナス等級フレアを起こすこともある。
- 5:37:54ごろ。下へ。イリジウム26[24903 1997-043A IRIDIUM 26]のフレア。アンテナでもソーラーでもない、衛星のどこか一部が光ったらしい。
- 5:39:55ごろ。下へ。長征4号デブリ[26275 1999-057FM CZ-4 DEB]は3等級で、しし座後方をゆっくりと移動。
- 5:39:30ごろ。左上へ。デルタ2ロケット(1)[20362 1989-097B DELTA 2 R/B (1)]も2~3等級でゆっくり移動。
- 5:49:23ごろ。左へ。CFESAT[30777 2007-006F CFESAT]のフレア。
- 5:38:00ごろ。左下へ。NOSS 3-6 R[38770 2012-048N NOSS 3-6 R]。
- 5:31:00ごろ。右上へ。コスモ-スカイメッド2[32376 2007-059A COSMO-SKYMED 2]。
- 5:38:45ごろ。右下へ。飛行機?
- 5:40:07ごろ。左下へ。コスモスのデブリ[21109 1991-009K SL-8 DEB]のフレアの可能性。1フレームのみなので、0.7s程度より短い出現。
以下は、元となった映像。TELKOM3記事に貼ってあるものと同じ。
0 件のコメント:
コメントを投稿
.