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4/18 クマミヤマニガの花後
前記事でも触れたニガイチゴRubus microphyllusたち。実生の一部に開花が見られた。

神坂峠で見つけたミヤマニガクマ(仮)の確認のために、クマイチゴR. crataegifoliusにミヤマニガイチゴR. subcrataegifoliusを掛けてみた。例に倣ってクマミヤマニガと呼ぶ。2020年、4花施術して採れたタネは2粒のみ。翌春2つとも発芽するが、途中で1株は干からびる。生き残りの昨年成長分に、この春いくつか花が着いた。

開花状態は撮りそびれてしまったが、花を正面から見ると花弁が小さく萼が目立ち、クマイチゴに似ていた。ミヤマニガクマ(仮)はやや長めでニガイチゴに似る。ただ、落ちた花弁を見ると長さはある。雑種でのブレ幅なのか株の育ち具合なのか、現状ではなんともいえない。
そのほか、花の付き方や萼の形状、毛の有無、棘の様子、葉裏、茎の色などは、ミヤマニガクマ(仮)によく似る。以前コメントでも頂いたとおり、やはりミヤマニガイチゴとクマイチゴとの交雑種、でいいのかもしれない。

じつは同時にクマキミノニガも試しているのだが、この間違いなくニガクマイチゴR. × nigakumaであるこちらにもよく似る。一方で別に島田で採取したニガクマであろう株とは、少し距離がある感じがする。
今回は受粉しなかったようで、花後の萼の動きは確認できてない。そのあたりも含めて来春には条件を揃えて見比べたいところ。

ちなみに、ミヤマニガクマ(仮)の実生はほとんど発芽しない。2019年に19粒播いたうちの2粒が2021年にようやく発芽。いまは6号に植わっている小苗だが、こちらは普通のニガにしか見えない。もう少ししたら「ミヤマ」が主張してくるんだろうか。





【 和名、学名の出典等について 】
  • 標準和名や学名は、基本的に「YList」ページを採用する。
  • Ylistに掲載のないものは、 Wikipediaの「キイチゴ属」ページのものを使う。これには「※」を付す。
  • 交雑種名は、特に著名と判断したものはそれを使う。それ以外は独自名を付す。和名は両親から「イチゴ」を取った合成名、学名は両親を「×」でつないで連名とする。いずれも母体を先頭にする。
    • 例:カジイチゴR. trifidusを母体にコジキイチゴR. sumatranusの花粉を付けたもの → カジコジキR. trifidus × R. sumatranus
  • 雑種は、入手個体を「F1」とみなす。特に必要がなければ「F1」とは記載しない。その子は「F2」となる。たとえばファールゴールドの実生は、「ラズベリー・ファールゴールドF2」と記す。
  • 同種が複数株ある場合は、和名の後に番号を付す。従前1株だったものは、それを#1とする。

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