ハスノハイチゴ#1(Rubus peltatus)・黒井沢株は、2018年に生ったあと枯れている。今年は春先から神坂峠株の調子が悪く、さらにいくつか花をつけた株ら3鉢も夏が越せなかった。異様な暑さのせいかもしれないが、鉢置き場がカキノキの下なので、木漏れ日の直射にやられた可能性もある。来年はしっかり遮光置き場を作るか……
現在は、ハスノハモミジ(R. peltatus × R. palmatus)の株分けした2鉢、及びそこに生えた黒井沢株由来の実生がハスノハ系の生き残りとなっている。恵那山散策でもらってきたタネも少しあるので、生えてくれれば安心だがそれが判るのは来春の話。
黒井沢株も神坂峠株も7年ほどで枯れている。植えっ放しはダメなんだろうか。他のキイチゴはそれ以上の長期間、植え替え無しでいけているのだが。もっとも、咲いて枯れた3株は'18の実生なので、もっと短命ということになる。
黒井沢株らが元気だったころは、鉢に雑草があまり生えてなかった気がする。葉が大きく遮光が強いせいかもしれないが、アレロパシー的なものもあるのかもしれない。枯れた鉢は雑草だらけになっている。
何度か挑戦しているビロードモミジイチゴ。相互に花粉を付けあったり、やや実着きのいいビロードイチゴ(R. corchorifolius)側を母体に数を打ったり。でも達せられない。
2018年は発芽せず、後に鳥のお土産のカジイチゴ(R. trifidus)とクサイチゴ(R. hirsutus)が生えてきた。現在は畑で隠居してもらっている。
19年も発芽せず。20年は打ちひしがれて施術もしなかった。
21年は雑種の存在を知って再挑戦。播種当年に数本発芽を見たが、結局育たず消えていった。
22年は結実すらせず。今年は畑にかまけて忘れていた。
ビロード系雑種としては、カジビロード(R. trifidus × R. corchorifolius)も試している。
カジイチゴを母体にすると、雑種が作りやすい。ナワシロイチゴ(R. parvifolius)は成功しなかったが、コジキイチゴ(R. sumatranus)ではF1ばかりかF2までできた。そのほかにも、モミジイチゴ(R. palmatus)、ニガイチゴ(R. microphyllus)、クサイチゴ(R. hirsutus)相手のものが知られている。
2017年施術分は開花まで粘ったものの、コンタミのトヨラと確定したので、畑に隠居いただいて再挑戦。
2021年分は、当年からよく発芽するも夏が越せず。3株ほどが冬を迎え、現在はひと株が生き残り。
寂しい状況なので22年にも再施術し、またまた大量発芽。こちらは数えられないほどの数が生き残って、現在も複数株生き残っているはず。同じ鉢で分けずに育てているので、何株かは判らない。
いずれも樹高は20cm程度。夏場にほとんど葉を落としてしまったが、少し復活したところで冬を迎えている。
ビロードイチゴでは、変わった現象も見られている。
一昨年の記事でも書いているが、冬を越す前に開花する株がある。植え傷みなどの影響かとも思ったが、今年も同様に咲いている。
ビロードイチゴは2株採取してきたが、ひと株はしっかり冬芽を準備している一方で、#2株はすでにポツポツ咲いている。種の特性なのか個体差なのかは判らない。自生地では今ごろどんな風なんだろうか。
市販のラズベリーでは、2期生りといって秋にも咲いて実るタイプがある。野生種でも、クサイチゴで今年のシュートの先端で咲いているのを見たことがある。#2株も春にはしっかり咲くので、2期生り的な性質がいくらかあるのかもしれない。
【 和名、学名の出典等について 】
- 標準和名や学名は、基本的に「YList」ページを採用する。
- Ylistに掲載のないものは、 Wikipediaの「キイチゴ属」ページのものを使う。これには「※」を付す。
- 交雑種名は、特に著名と判断したものはそれを使う。それ以外は独自名を付す。和名は両親から「イチゴ」を取った合成名、学名は両親を「×」でつないで連名とする。いずれも母体を先頭にする。
- 例:カジイチゴ(R. trifidus)を母体にコジキイチゴ(R. sumatranus)の花粉を付けたもの → カジコジキ(R. trifidus × R. sumatranus)
- 雑種は、入手個体を「F1」とみなす。特に必要がなければ「F1」とは記載しない。その子は「F2」となる。たとえばファールゴールドの実生は、「ラズベリー・ファールゴールドF2」と記す。
- 同種が複数株あって区別を要する場合は、和名の後に#番号を付す。従前1株だったものは、それを#1とする。株分けなど栄養繁殖個体は-枝番号を付し、#1-1などとする。
2 件のコメント:
クサイチゴの初年茎が開花することはよくあることです。ハスノハ X モミジは元気に育っているでしょいうか。
クサイチゴ……そうですか。身近では圧倒的に数が多い種なので、ろくに見てないのでしょうね。ハスノハモミジは、たぶん生きてます。そのレベル。
コメントを投稿
.