今年は施肥量を倍増した。キイチゴ類は基本的に、8号菊鉢に赤玉土+腐葉土で植えてある。緩効性化成肥料(カインズPB、10-10-10-1)のみ使用し、4粒/2ヶ月のペースで与えてみた。
1粒は1gをわずかに切る大きさ。袋に書かれた推奨量は、8号鉢では元肥8g、2ヶ月ごとに追肥1/3。結実期でもあり、おおむね推奨量と見ていい。
写真は1日分の収穫。虫出しの後、水を切って冷凍保存。用途は追々考えるつもり。
5月13日、カジコジキ(Rubus. trifidus × R. sumatranus ※※)が熟す。いままでどおり、歯抜けのオレンジ色。
5月18日、トヨラクサイチゴ(R. × toyorensis)の子(トヨラクサイチゴ自体がF1なのでF2と称す)熟す。
2株あり、葉の形状がやや異なる。ひとつは掌状複葉に近く、小葉の葉柄はほとんど無い。3出複葉の次は、基部側の1対が2裂する。もうひとつは、基本が3出羽状複葉。大きな葉は、頂部が3裂および基部側1対が2裂する。頂部が先に割れる傾向がある。
前者は粒が揃った実をつけ、後者は歯抜けだった。親のトヨラクサイチゴは、完全に歯抜け。
5月19日、エビガライチゴ(R. phoenicolasius)開花。
5月20日、バライチゴ(R. illecebrosus)開花。ヒメカジイチゴ(R. × medius)、熟す。
5月22日、ヒメバライチゴ(R. minusculus)熟す。
昨年6月にも新規取得。その株を隣に置いたところ、今年はよく実った。フユイチゴ(R. buergeri)のように、自家不和合性の気があるのかもしれない。
バライチゴとヒメバライチゴは、ルーペ等で葉裏を観察するとよく判る。葉裏に黄色い腺毛があればヒメバライチゴ。肉眼でも、葉裏に何か存在することは判る。
それよりも複葉の対の数での判別の方が、実用的なことに最近気づいた。バライチゴは基本的に3対(7出羽状複葉)まで、ヒメバライチゴは5対(11出羽状複葉)までとなっている。もちろん、それより少ない葉は普通にあり、ごくまれに多いものも存在する。
5月24日、ブラックベリー・ソーンフリー(R. fruticosus ※)、エバーグリーン(R. laciniatus ※)、ともに開花。
この両者は、いつも同じころに咲き、同じころ実り、とても豊産。
5月27日、クマイチゴ(R. crataegifolius)が熟す。鉢植えでも生る数が多く、ひと月近く結実期が続く。肥料切れになると、熟す前に結果母枝ごと枯れてしまう。今年は完遂した。
6月3日、ニガイチゴ(R. microphyllus)熟す。ラズベリー・インディアンサマー(R. idaeus ssp. idaeus)も熟す。例年、ファールゴールドは数日遅れる感じ。
6月6日、カジモミジ(R. trifidus × R. palmatus ※※)小葉株とクロイチゴ(R. mesogaeus)熟す。ボイセンベリー(R. ursinus × R. idaeus ※)も、このころ熟したはず。
クロイチゴは昨年挿したもの。その年の内にシュートが伸び、今年咲き実った。
数は多いが小さい。直径7~8mm程度。風味に特に特徴は無いが、酸味強く甘みはほとんど感じられない。
クロイチゴは黒熟というが、実際は濃紺という感じ。
6月11日、水挿しのコジキイチゴ(R. sumatranus)熟す。明るい窓辺に置き、週一で水替えしただけ。
一部、受粉作業をしてやったが、雄蕊が触れている雌蕊基部周辺は自動的に受粉される模様。自家不和合性の気、まったくなし。
挿し木のコジキイチゴも、数日遅れで開花、結実に至っている。また7月に入るころには、蕾の無い穂木の葉腋から花芽が出、開花している。
コジキイチゴは、普通に育てても枯れるくせに、水挿し、挿し木でも出蕾、結実する。丈夫なのか軟弱なのか、よく解らない。
6月13日、ミヤマニガイチゴ(R. subcrataegifolius)熟す。
結局、萼がつぼんだものだけが受粉していた。風味に特に特徴はなし。
ニガイチゴはタネが苦いということになっているので、普通の人にはこれも苦いのかもしれない。
6月15日、ナワシロイチゴ(R. parvifolius)熟す。
6月23日、エビガライチゴ(R. phoenicolasius)熟す。
この種は、果実表面にもややベタベタ感がある。食感に影響は無いが、採取するときに少しヌメる。力を入れすぎると粒が潰れるため、完全に熟して萼が反り返ってからでないと採りにくい。
クマイチゴがほぼ終了、ニガイチゴやラズベリー類も終焉間近な状態。
7月10日、ブラックベリー類、熟し始める。
ミヤマフユイチゴ(R. hakonensis)(2011.1 鳳来寺山)らしきものには、大量に花芽が着きはじめた。蔓はカットしてあるが、その先端付近の葉腋から穂状に出ている。
オオフユイチゴ(R. pseudosieboldii)(2010.7 田原市)らしきものにも、葉腋に蕾のようなものが覗く。前年の蔓から出た今年の蔓の葉腋に、ひとつずつ着く。
両者は同定ができていないが、花の着き方は明らかに異なり、別種であることは間違いない。
ハスノハイチゴ(R. peltatus)(2011.8 恵那山)に花は着かなかった模様。
去年の姿からは想像つかないほどに成長した。樹高約1m。さすがに耐え切れずに寄りかかっている。葉の大きさは、最大で幅23cm長さ26cmほど。元気のいいカジイチゴ(R. trifidus)に匹敵する。
学名出典:
無印……YList
※……Wikipedia キイチゴ属
※※……文献無し
4 件のコメント:
おそらくミヤマフユイチゴ(?)は葉の形からシマバライチゴだとおもいます。オオフユイチゴ(?)のほうはホウロクイチゴかと。
オオフユイチゴはもう少し全体的にトゲが多く、凶悪だったと。
匿名さん、こんばんは。
> シマバライチゴ
ググってみると、九州に分布とか。採取地は愛知県なんです。
> ホウロクイチゴ
ホウロクイチゴは、春咲いて夏実るタイプだと思います。
オオフユは雑種で片親がホウロク、という話も聞いたことがありますが、現在は支持されてないようです。
基本的にすべて鉢植えなので、自生株とは多少雰囲気が異なって見えるかもしれません。
K-ichiさん、こんにちは。
私も自生のキイチゴを採取して、鉢植えで育てています。
ナガハモミジバイチゴ、クマイチゴ、ビロードイチゴ、コジキイチゴ、ニガイチゴ、ナワイロイチゴ、エビガライチゴ、フユイチゴ(採取地:大阪府)、モミジバイチゴ(長野県)、ミヤマフユイチゴ(京都府)、オオフユイチゴ(三重県)、ホウロクイチゴ(和歌山県)、カジイチゴ(購入品)など
私も6号鉢、8号鉢又は10号鉢で育てています。
鉢植えだと、大葉のオオフユイチゴがやや小葉気味です。
でもフユイチゴやミヤマフユイチゴと差異はあるように思います。
K-ichiさんの表示の通りだと思いますが、写真ではなかなか判定し辛いような気がします。
まっくんさん、こんばんは。
分布限界近辺らしいビロードとホウロクは未見です。
> 鉢植えだと、大葉のオオフユイチゴがやや小葉気味です。
どの種にも言えますが、根域制限した分、なにかと小ぶりにはなりますね。モミジ、クマ、コジキあたりは、自生地では人の背を越えますし。
小ぶりになる以外にも、通常数花まとまって咲くものが1~2花に減るとか、あるべき特徴が欠けてしまうこともあるかもしれません。
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