雨が降らないくせにスッキリ晴れないので、星もろくに見えやしない。やっと降ったと思えば台風の連発。そしてまた猛暑。嗚呼!
一応遮光はしているものの、ハスノハイチゴ(Rubus peltatus)やミヤマモミジイチゴ(R. pseudoacer)はかなり辛そう。ハスノハは葉がかなり小ぶりに、ミヤマモミジは枯れ込んできている。
一方で、ヒメクマイチゴ(R. × geraniifolius)は遮光無しでも耐えている。
荒地撹乱地でも、他より一歩厳しい地まで生える、クマの血統は最強かも。
カジビロードなど、カジイチゴ(R. trifidus)の血筋は当年発芽することが多い。そこまでではないものの、今年試したビロードモミジも芽生えてきた。
5月頭に播種、7月頭に発芽。鉢は6号。
キレハのモミジイチゴ#1(R. palmatus)を片親にしたものは1本のみ、花弁の長い#2の子は5~6本出てきた。
後者の当年発芽率は1割ぐらいになる。写真は全て後者のもの。
前者は葉裏が紫色。長めの単葉で毛深く、ビロードイチゴ(R. corchorifolius)そのものにも見える。
ビロードイチゴは開花時点で花粉が出ている。開花前に施術したものの、粉っぽい感じもあった。自家受粉の子かもしれない。
後者は3出複葉が多い。
一株だけ、単葉っぽい株もある。写真中央右寄りの、一番でっかい葉のがそれ。表面はつやつやてらてら。葉裏を接写してみると腺毛が見える。光の具合では赤っぽくも見える。
そばにカジイチゴがあるので、その花粉が混ざってしまったのかもしれない……と安易な想像もしたが、そういえばカジビロードも複葉株が多かった。
3出複葉株は、ビロードイチゴほどではないもののやや毛深い。ただし、腺毛は極わずか。
カジビロードにしても、ビロードモミジにしても、ともに親は単葉種。それなのに子は複葉株が多い。
複葉雑種のトヨラクサイチゴ(R. × toyorensis)やカジコジキは、片親が複葉。ビロードイチゴは、単葉でありながら「複葉要素」を持っているということか。
カジ×ニガのヒメカジイチゴ(R. × medius)、ニガ×クマのニガクマイチゴ(R. × nigakuma)、カジ×モミジのカジモミジあたりは、親子ともども単葉。
ビロードの相方となった、モミジイチゴ(R. palmatus)やカジイチゴの子らは、こちらの雑種化では単葉になっている。
そのカジビロード。去年播き、そのままあらかた出て冬越しし、今年は成長の年になった。
順調に育っていたのだが、7月あたりで葉を落とし始め、一部は枯れてしまった。コガネ子を疑ってダイアジノン攻撃をしてみたが変化なし。
暑さと乾燥のせいか、今年は全体的にハダニ害が多い感じがする。そのへんが原因だったのかもしれない。
さらには盆明けあたりからは、芋虫かバッタか、若葉を貪り、新芽をごっそり食ってしまう輩も出始めた。
来春は厳しいか。
そのほか目ぼしいネタとしては……
昨年播種のヒメクマイチゴ(旧ミヤマニガクマ)F2は、どうやら全滅の模様。
ニガクマの実生は、ニガクマっぽい。新芽の茎は白っぽい気もするが、葉や茎には毛も生えている。まだ小苗なので、なんともいえないが。
カジキミノニガF2は、やはりニガイチゴに戻る。色合いがおかしい子(赤味の見えない株)もいくつかあるが、こちらもまだ小苗。
ハスノハモミジは7月に播種しているが、まだ発芽をみない。
ハスノハイチゴは、自家受粉でも極わずかに結実する。
昨年ためしに播いたものが、7月上旬に発芽してきた。7粒播いて3粒。発芽率は悪くはないか。
【 和名、学名の出典等について 】
- 標準和名や学名は、基本的に「YList」ページを採用する。
- Ylistに掲載のないものは、 Wikipediaの「キイチゴ属」ページのものを使う。これには「※」を付す。
- 交雑種は、種レベルの扱いがあり特に著名と判断したものはそれを使う。それ以外は独自名を付す。和名は両親から「イチゴ」を取った合成名、学名は両親を「×」でつないで連名とする。いずれも母体を先頭にする。
- 例:カジイチゴ(R. trifidus)を母体にコジキイチゴ(R. sumatranus)の花粉を付けたもの → カジコジキ(R. trifidus × R. sumatranus)
- 雑種は、入手個体を「F1」とみなす。特に必要がなければ「F1」とは記載しない。その子は「F2」となる。たとえばファールゴールドの実生は、「ラズベリー・ファールゴールドF2」と記す。
- 同種が複数株ある場合は、和名の後に番号を付す。従前1株だったものは、それを#1とする。
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