それでも夏至のころは、天気は数日サイクルで回っていた。そしてその頃にあるのが、静岡県最南・最遠のダイヤモンド富士。浜松市北区の県境で見られる。
昨年は一応確認できたのだが靄の中。よりクリアなそれを撮るべく、梅雨の晴れ間を狙ってみたが天気には恵まれなかった。
今年の夏至は、6月21日6:44という(国立天文台)。日の出はその2時間前なので、天文学的にほぼほぼ夏至のタイミングの日の出が見られるはずだった。
さらにその日は台湾などでは金環、日本でも部分日食が起こるので、太陽の直前に昇ってくる細い月(明けの三日月、有明の月とも)が同フレームで捉えられる可能性もあった。
まずは6月17日。夏至の98時間前。
昨年の検証では夏至の±75時間ぐらいと見積もれたので、無理だろうとは思いつつも好天に誘われて出向いてみた。
2020/6/17 ダイヤモンド富士@浜松市北区……はハズレ(f≒600mm)
脇からではあるものの、ベイリー・ビーズならぬ富士山ビーズは見られた。
しかし天気はいい。霧もない。
明けの三日月と金星とが、ソーシャルディスタンスよろしく程よく並び、その先にある富士山もくっきり。
脇の出であるがゆえに、日の出前の「富士山の影」もよく判った。それを確認するために、引いた映像も撮ってみた。
2020/6/17 ダイヤモンド富士@浜松市北区、富士山の影の動き(f≒45mm/135mm)
当初から日の出直前に富士山が暗くなる気がしていたのだが、やはり上空に投影された影だったよう。
富士山に登って見る「影富士」のページを見ると、雲海があるわけでもないのに地平線より影が浮いているように見える。空中にも影はできるらしい。
さて、木曜、金曜と雨続きの明けた土曜日。
前日は夕方まで降っていたので、ほぼ雨上がり。泥濘こそ無かったが、足元の草も藪の低木もびっしょり。頭上の枝からは、雨天よろしく水滴がバラバラと降り注ぐ。
風が強い。天気は急回復し、星が見える。透明度もいい。東の低空には濃い雲があるが、隙間から覗くことを祈りつつ撮影開始。
2020/6/20 ダイヤモンド富士@浜松市北区……は曇り(f≒85mm)
右上の星は明けの明星(金星)。
肉眼では気づかなかったが、動画の頭の方では、細い明けの三日月(月齢28)が写っている。日食1日半前の月。厚い雲のすぐ上あたり、画面中央より右上。
そして日曜、夏至の日。
日の出は夏至のわずか2時間前。1日置いて水気もだいぶ取れ、山道も歩きやすくなる。日曜なので、早起き寝不足を気にしないで済むのもうれしい。
夜露朝露が多少あるものの、風も穏やかで天気もまずまず。ただ、やはり東の低空にはぁゃιぃ雲。
2020/6/21 ダイヤモンド富士@浜松市北区……はまた曇り(f≒85mm)
結局この日は一日を通して曇り。日食も雲越しで、17時過ぎの食の最大の頃には見えなくなった。
画面右下、霧が溢れて流れ下る様子が見えるが、溜まっている窪地が新東名の浜松いなさJCT/ICあたりになる。
再び連日の雨天。水曜は夏至の70時間後になる。ギリギリどうかというタイミングだが、晴れそうなので念のため出向く。
2020/6/24 ダイヤモンド富士@浜松市北区……は、やっぱりハズレか(f≒600mm)
霧がものすごく、富士山も秋葉山も見えない。隣の富幕山すら見えず、浅間山も稜線か霧の縁か判別できないほど。アングルを決めるのに苦労する。
しかしながら富士山方面の雲は太陽を隠すほどではなく、脇からの日の出は見られた。17日よりも中央寄りで、剣ヶ峰をすっぽりカバーできている。
向かって右端の鞍部に濃い雲が掛かっており、もしかしたら「脇の出」ではなかったのかもしれないが、ともかく今年は見られなかった。
2020/6/24 ダイヤモンド富士@浜松市北区、雲霧の様子(f≒85mm)
しかし霧って、日が昇ると晴れるんだよなぁ……
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