since 2007.8 by K-ichi

先日、s0の呪文の話を耳にした。1600px制限であるはずのBloggerにおいて、もっと大きな生サイズで表示ができるという。そんな記事も見つかった。確かめてみるも、なぜか2048pxで制限される。
仕方なく代替手段を模索していたところ、Google系の他のサービスを組み合わせることで、より大きな画像を扱えることが判った。ところが今度は、Bloggerから直にアップロードできてしまう。
混乱しつつもあれこれ試し、数字が出てきたところでヘルプを探ってみる。と、それら値が正しからんことは判ったが、記載が見つからない事柄もあった。調べた結果などとともにまとめておく。
ざっくり結論を書いてしまうと、従来の1600pxよりはるかに大きな画像が、Bloggerでも無料で利用できるようになっている。



かつて、「Picasaウェブアルバムの制限にかかる ('09-9)」「Picasaウェブアルバム投稿実験 ('13-1)」など、Bloggerからの画像投稿に関して書いたことがあった。
当時は以下のような結論を得ている。
  1. Bloggerから上げたものは1辺1600pxに制限され、それ以上なら縮小される。
  2. URLにs1600とあればフルサイズ、s200などに変更すれば長辺を数値に合わせた縮小画像が得られる。
  3. JPEG画像は再圧縮される。
  4. PNG画像は可逆圧縮なので、画素数制限内なら劣化は無いが、再圧縮は試みられる。
  5. 投稿画像を削除したい場合は、PicasaウェブアルバムのBlogger専用のアルバムから行う。
大きな画像を貼る際には、あらかじめ分割するか、Googleサイトに置いて記事にURLを埋め込む、という対策を採っていた。ただここは、たったの100MBしかない。
現在の仕様は、以下のように変わった模様。なお、MPはメガピクセル、pxはピクセル、MBはメガバイト、GBはギガバイトの意。
    • Bloggerからは、2048pxまでなら無制限(参考)でアップロードできる。
    • BloggerからJPEGのみでアップロードすれば、150MP、32767px、200MB(参考)まで基本的には許容される。ただしストレージ容量は減る。
    • BloggerからJPEGのみでアップロードしても、写真ではない画像(白地に手書きで何か描いたものなど)は、2048pxに縮小されることもある。
    • ストレージの無料範囲は15GBであり、Googleドライブ、Gmail、Googleフォトとの共用である。GoogleOneで確認できる。
  1. URLにs0とあればフルサイズ、s1600などは縮小後の長辺画素数を表す。wnnn-hmmmなどの形式も追加されている。
  2. JPEG画像は、再圧縮はされるものの変化は僅か。ファイルサイズも微減程度。アルバムアーカイブには生ファイルが保管される。
    • PNG画像は可逆圧縮なので、一辺が2048px以下なら無劣化。それ以上なら縮小される。再圧縮は試みられる。
    • PNGとJPEGを同時にアップロードすると、両方ともに2048px制限が掛かる。超えれば縮小される。
  3. 投稿画像の管理は、アルバムアーカイブのBlogger専用のアルバムから行う。
この調査で気づいたが、'10-9あたりの投稿から、アルバムアーカイブ(当時はPicasaウェブアルバム)には生ファイルが保存されている模様。
Bloggerで表示する際には、s0であっても再圧縮されている。つまり、アーカイブとBlogger表示とは同一ではない。



Bloggerからアップロードする場合、一辺2048pxがひとつの区切りとなる。ところがGoogleフォトを経由すると、16MPまで無料でいける。


Googleフォト
Googleフォトは、Picasaウェブアルバムの後継のひとつらしい。直にアップロードした画像、映像はすべてここに置かれ、アルバムにまとめられている。気象衛星写真や動画がそれになる。
動画でもBloggerから上げたものは、一時はGoogleVideoに置かれていたが、現在はYouTubeの管轄下にある。

Bloggerから上げた画像は、自動作成された専用のアルバムにまとめられている。アルバムアーカイブからアクセスできるのだが、Googleフォトからは見えない。
フォトと別口なのかというとそうでもなくて、ストレージを消費する画像をアップロードすれば、Googleフォトの使用容量が増える。最終的にはサービス合計で見るので影響はないのだが、謎な仕様ではある。


Googleフォトには、2つの投稿モードがある。枚数無制限だが16MPまでで再圧縮もするよ、という「高画質」モード、および、ファイルには手をつけないが15GB超えたらお金払ってね、という「元のサイズ」モード。
初投稿時に選択ダイアログが出るほか、右上にある歯車アイコンから再設定することもできる。これらはいつでも、その都度でも、切り替えができる。

「高画質」モードは、ストレージ容量、画像枚数など、一切考えなくていいお手軽モード。仮に16MPを越えていても、Googleが黙って縮小してくれる。
このモードでは、JPEGは再圧縮される。現状ではちゃんと高画質。PNGは、16MP以下であれば可逆圧縮が保たれるが、サイズオーバーでは縮小される。
16MPというのは、正方形なら4000×4000、4:3なら4616×3462が最大の解像度になる。
ただし、16MPギリギリあたりの線引きは微妙なところもあって、4096×4096(16.8MP)では縮小されたが、32767×499(16.4MP)ではサイズ維持された。

「元のサイズ」モードは、どんな画像も手を加えない代わりに、どんな画像もストレージ容量にカウントする。JPEGでも再圧縮されず、生のまま保管される。このモードにすると、左カラムの「ゴミ箱」の下に、現在の使用容量が表示される。
サイズ制限は謳われてないが、現状では一辺あたり32767px、総ピクセル数150MP(正方形なら12247px角まで)で制限をかけている。200MB制限は確認していないが、あると思われる。これを越えると「アップロードできません」と出て失敗する。
制限値の15GBというのは、GMailなどGoogleのストレージ関連サービス共用の合計になる。有料で拡張するサービスもある。

ここで上げた画像は、必ずアルバムにまとめる必要がある。これによって、アルバムアーカイブやBloggerからアクセスできるようになる。「Blogger用」と名づけた写真1枚だけのアルバムが、今回実験的に作成したもの。

Googleフォト管轄下の画像の管理はGoogleフォトで行う。アルバムに入っていればアルバムアーカイブからも見えるが、削除はできない。
Googleフォト上のアルバム、およびその中の画像は、PCで言うところのフォルダとショートカットに似ている。フォルダやショートカットを削除しても元のファイルに影響ないのと同じく、アルバムやその中身を消しても画像ファイル自体は残る。



Googleフォトにアップロードできたら、それをBloggerに貼り込む。
常識的に考えると、画像のURLを得てアンカーを打つ、となるが、フォト+Bloggerの場合は別の手順を踏む。


Bloggerからの画像投稿画面
これは、おなじみの旧エディタでの画像投稿画面。「山に青空」のアイコンをクリックすると出る。

「アップロード」は、通常のパソコンからのアップロード。「このブログから」を選ぶと、ブログに投稿済みの画像の中から選べる。「URLから」は、他のサイトに置いてある画像を埋め込む際に使う。単にimgタグなどが生成されるだけなので、自分で書いても構わない。

選択されている「Googleアルバムアーカイブから」を使うことで、アップロード済みの画像を貼り付けることができる。その際、Googleフォト管轄下の写真は、アルバムに入っているものだけが見える。右下の「Blogger用」アルバムが、前項で作ったアルバムになる。
「K-ichi's memo」というアルバムがたくさんあるが、これらは自動作成された当ブログ専用のアルバム。長いことやっているうちに仕様が変わり、複数個作られて現在に至る。

アルバムを選択し、中の画像を選択し、いつも通りのアップロードの手順を踏めばよい。
これにより、Googleフォト内のアルバムから、Blogger専用アルバムへそのままコピーされる。その際、サイズ制限などの縛りはない。ストレージ容量が使われることもない。コピーであるので、Googleフォト側でどんな処理をしようとも、Blogger側に影響はない。
たとえば、フォトで「元のサイズ」モードでアップロードし、その画像をBloggerに貼り付け、フォト側で削除……すると、ストレージ容量は元に戻り、弩デカい生画像は専用フォルダに残る、なんてこともできる。


ちなみに新エディタでは、「HTMLビュー」からは画像投稿ができない。「作成ビュー」からになるので、タグをいじるには切り替えが必要。いちいち面倒くさい。 その後、HTMLモードからも投稿可能になっている。(2021/3/25追記) 
「ふたコブの山の写真」アイコンをクリックすると、あらかじめ「パソコンからアップロード」、「フォト」、「Blogger」、など投稿元の選択肢が出る。それを選ぶと、似たような投稿画面が出てくる。

サイズ別、種類別に整理すると、こんな感じ。
  • 2048pxまでのJPEGは、Bloggerで直に上げれば、少なくともアルバムアーカイブ内では生のまま保管できる。Blogger上では再圧縮表示される。
  • 2048pxまでのPNGは、Bloggerで直に上げれば、劣化なしで投稿、表示できる。
  • 16MPまでのJPEGは、再圧縮が許せれば、Googleフォト経由で貼れる。
  • 16MPまでのPNGは、Googleフォト経由なら、劣化なしで投稿、表示できる。
  • 150MP、200MB、32767pxまでの画像は、Bloggerから、若しくはGoogleフォト「元のサイズ」モードで上げることができる。条件によっては有料。
  • それ以上の画像は、よそに置いてURLを貼り込むしかない。



そして、愚痴など。

8月中旬から書き始め、いきなり躓いたのが2048px制限。現状仕様に当てはめれば、JPEG、PNG、混在でアップロードしたことになるが、記憶は定かではない。
貼りついたURLは以下のように変化した(と思っている)。エディタの大改編やらトラブルやらで忙しそうなので、ちょうど設定が変わったタイミングだったんではないか、と。元の画像サイズは4000×3000ピクセル。

1つめは、今月中旬に新エディタ(作成ビュー)で貼ったもの(imgタグのみ抜粋)。+/-ボタンで画像サイズを変更すると、w1563-h1173のような形になる。これをs0に書き換えると、2048pxの画像が得られる。data-original-width="2048"とある。
2つめは、最近、新エディタ(作成ビュー)で貼ったもの。aタグにはs4000が見える。つまり投稿時のフルサイズでアンカーが打ってある。表示サイズは640pxだが、s0にすればフルサイズにもなる。data-original-width="4000"とある。
3つめは、最近、旧エディタ(HTML入力)で貼ったもの。「元のサイズ」ではs1600になるが、s0に変えれば生サイズで得られる。data-original-width="1600"は従来と変わらない。終わるエディタなので、こまけぇこたぁいいんだろう。

<img border="0" data-original-height="1536" data-original-width="2048" height="1173" src="https://1.bp.blogspot.com/-7U6HpnZy1VU/XzTvXup0mlI/AAAAAAAAMFg/iMGyPg(略)GAsYHQ/w1563-h1173/CIMG6286_WL%25E5%25BC%25B7_%25E9%259A%258E%25E8%25AA%25BF20_fromBloggerNewEditor.jpg" width="1563" />

<a href="https://1.bp.blogspot.com/-k0JfDR6qm-s/Xz2WZ52fWBI/AAAAAAAAMV4/FvYOqI(略)GAsYHQ/s4000/CIMG5870.JPG" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;">
<img border="0" data-original-height="3000" data-original-width="4000" src="https://1.bp.blogspot.com/-k0JfDR6qm-s/Xz2WZ52fWBI/AAAAAAAAMV4/FvYOqI(略)GAsYHQ/s640/CIMG5870.JPG" width="640" /></a>

<a href="https://4.bp.blogspot.com/-fmXvbxXHQsk/Xz56TBFBZyI/AAAAAAAAMWU/y49C4u(略)GAsYHQ/s1600/CIMG5869.JPG" imageanchor="1" >
<img border="0" src="https://4.bp.blogspot.com/-fmXvbxXHQsk/Xz56TBFBZyI/AAAAAAAAMWU/y49C4u(略)GAsYHQ/s1600/CIMG5869.JPG" data-original-width="1600" data-original-height="1200" /></a>


一時期はPicasaウェブアルバム上で、画像の削除ができないことがあった。Googleプラスに登録しないと、Bloggerの画像に勝手に補正が掛けられ解除もできない、なんて時代もあった。動画は、長らく「投稿しっぱなし」状態だった。
現在は、Bloggerからの画像はアルバムアーカイブで、動画はYouTubeで、Picasaウェブアルバム直上げのものはGoogleフォトで、管理できている。自分のデータへのアクセスの確保は、最低限保証してもらいたいところ。
大騒ぎのエディタ改変も、見てくれは良くなっても機能が削られたのでは使う方はつらい。サポートだのバージョンアップだのは滞ったとしても、旧エディタの選択肢は残してほしい。切り替えの日時はずるずる延びつつも、現在は「9月で旧verはおわり」と言っている。


最後に、12MPのPNG(4000×3000px、24.9MB)を、「高画質」モードのGoogleフォトに上げ、そこからBloggerの旧エディタで「元のサイズ」で上げたものを貼っておく。
aタグ、imgタグのURLをともにs0に置き換え、はみ出し防止にstyle属性を追加してある。
ダウンロードすると18MB程のファイルが得られるが、BMP化してfc /bで比較すれば、元画像と同一であることが確認できる。Googleフォトで、ストレージ容量を使ってないことも確認している。

<a href="https://3.bp.blogspot.com/-PAjk2sfVzvQ/X0t58LnXIqI/AAAAAAAAMdk/KmWMFZ(略)GAsYHg/s0/CIMG62(略)20.png" imageanchor="1" >
<img border="0" src="https://3.bp.blogspot.com/-PAjk2sfVzvQ/X0t58LnXIqI/AAAAAAAAMdk/KmWMFZ(略)GAsYHg/s0/CIMG62(略)20.png" data-original-width="1600" data-original-height="1200" style="width:100%;" /></a>

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