だいぶくたびれてきて、昨年はレバーハンドルが内部破損。エポキシで固めて一時しのぎしたが、結局Amazonで補修パーツを調達して交換した。
そして今度はヘッドパーツ。これは、湯水の混合比、吐水の調整などを一手に引き受けるキモの部分。プラスチックの部材がバキバキにバラけて、元栓を開けると水が噴き出す状態。
レバー交換時には既に動きが渋かったが、よもやの崩壊。もう、小手先で何とかなるレベルではない。
そんなときに見つけた怪しい製品、RSF-541。互換性はあるようで、まずまずお得に解決できたので、その顛末を記しておく。
水栓のメーカはINAX。現在はトステムらと合併してLIXILとなっている。型番はSF-C420SX。食洗機を据付けたときに、分岐水栓が後付けされている。
この分水栓だが、7cmもあるため正直ぶしょったい。レバー位置が高くなるので、混合栓の根元に余計な力もかかっている。グラつき、漏水も多少ある。
ちなみに、画像に「後付部」とあるが、その下の鉢巻部分まで含めてが本当の「後付部」になる。これらの合計の高さが約7cm。
そんなこともあって、まずはスマートな分水栓一体型への総取替えを検討した。が、1.5万円コースとややお高めなうえに選択肢も少ない。高かったであろう分水栓もゴミになる。
最低限のノルマは、壊れたヘッドパーツの交換。でもこれも意外と安くない。LIXILのこの手の水栓には、A-3830を使う。アマゾン以外を探しても、どうしても5000円は超える。
そこまで出すなら、1万円コースで後継機(SF-HB420SYXあたり)にそっくり入れ替えた方が気分がいい。
あれこれ考えつつ物色していると、妙な型番のものが出てきた。RSF-541という。
見てくれはそっくり。余計な機能はなさそうな、シンプルな風体。型番も似ているようないないような。
価格は、6247円也。ヘッドパーツに1000円お足ししたら、レバーもスパウトも配管も、一式ついてくるという。
LIXIL製で、見た目も似ていて、いけそうな気はするが怪しさもある。一応調べておく。
LIXILサイトでは、RSF-541は検索しても出てこない。アマゾンのレビューによれば、ホムセン向けなどで一般には販売してないものらしい。いわゆるBtoB製品というやつか。
ならば周りから攻める。
分岐水栓はパナソニックなどが出している。検索ができるので型番を入れてみると、SF-C420SXもRSF-541も同じ製品(CB-SXH7)で対応している。
分水栓は、内部にヘッドパーツを組み込んで取り付けるもの。つまりヘッドパーツ周りは、同一もしくは互換性のある規格であることが分かる。
補修パーツのA-3830からも攻めてみる。
LIXILパーツショップでA-3830で検索すると、その仲間が表示される。そこでA-3830の適合品番一覧表pdfを開いてみると、SF-C420SXもRSF-541もリストに載っている。
互換性はあるようなので、安心して発注した。
届いてみると、素っ気ないダンボール入り。まさに、水道屋さんが取り付ける部材、という感じ。
中身を検めると、据付金具のクイックワン施工部品、配管のスーパークイックジョイントも入っている。説明書どおりやれば、苦もなく新旧そっくり取り替えられそう。
ただ、既設の分水栓が固くて動かなかったので、ヘッドパーツを取り出して交換、残りは「1000円で交換パーツ一式を買った」ことにしてストックとした。
使ったモータレンチ
レバーは、小さなキャップを外してネジを抜けばいい。その下の半球状の部分も、ネジ状なので回せば取れる。そしてヘッドパーツを引き抜く。
……という手順なのだが、半球部がまことに固い。手ではまったく動かない。プライヤでは傷がつくだけ。
やむを得ずホームセンターで2000円でモーターレンチを購入。右にあるように、アマゾンでは1600円ぐらいなので、いっしょに買っておけばよかった。
このレンチは、アルミ合金製で材質が柔らかく、100Nmしかかけられない。柄を1mに延ばして10.2kgをぶら下げる程度。柔で華奢だが、それは製品を傷つけにくい、ということでもある。
今回の作業では、レンチの開口は38mm必要。手持ちのモンキーでは数mm足りなかった。フトコロは40mm程度あると安心して作業できる。
取り外し作業には、プライヤなども要る。こちらは傷云々は気にしないでいいが、54mm程度のものをガッチリ掴める大きさが必要になる。手持ちのウォーターポンププライヤを使用した。
さらには、ネジ回しに#2のプラスドライバも要る。これはもっとも普通のサイズ。
半球部を外すには、半球についている切り欠きにモータレンチを掛け、本体をプライヤで押さえて、えいやっと回す。ところが、本体部分に押さえが利く場所がない。全部くるくる回ってしまう。
半球の下は、スパウトと一緒に回る。その下の鉢巻は、回して固定ビスを隠す用途なので当然回る。その下のパイプは回らないが、さすがにパイプにプライヤを掛けるのは怖い。
板の縁などに水栓を仮固定して回そうとしたが、力を掛けるともげてしまう。固定するなら、ちゃんとした穴に本固定しないと無理。
仕方がないので、仮付けした固定金具自体にプライヤを掛けることにした。固定金具をいっぱいまで締めると化粧部に傷をつけてしまいそうなので、少し浮かして取り付ける。
ボルト締めを中間あたりで敢えて不均一にしてカシめ、その状態で混合栓に装着。混合栓下部には、ボルトの頭が嵌る窪みがあり、ビスでもしっかり接続されるので、空回りを起こすことはない。
心置きなく力いっぱい回してやったら、カンッ! と欠けたか舐めたかしたような、嫌な音がして外れた。固すぎる!
後で気づいたが、カートリッジ取り外し工具というものがあるらしい。RSF-541のビス穴はφ5.5ぐらいなので、おそらく使える。
600円出して買っておけば、固定金具をつけてプライヤで掴んで……という苦労はしないで済んだ。
ともあれヘッドパーツは取り出せた。
あとは特に問題もなく、既設水栓に装着、半球カバーとレバーを戻して無事復活した。完成したのが記事冒頭の画像。
直上の4コマ組み上げ画像では、ティッシュをマフラーにしてあるが、ここがグラついて少し漏れていた。掃除をして、シリコーンシーラントを一周まわしておいた。レバーが軽くなりグラつきも減っているので、これで問題は起きていない。
施工に関しては、製品添付の取付説明書、ヘッドパーツ交換手順書、シングルレバー混合栓 施工説明書などが参考になる。
実際にバラしてみると、RSF-541にはA-3830-10が入っていた。
A-3830-10のページには「タッチレス水栓・洗濯機用水栓専用ヘッドパーツです。他のA-3830 A-3830-20は使用しないでください。」とある。
手動水栓のRSF-541に使われている上、これには公式にA-3830も使えるのだが。A-3830の方には、特段の記述は無い。ちなみにA-3830-20は、A-3830のネジ無し版のようなので使えない。
想像だが、「A-3830-10も通常の水栓には使えるが、手動の微調整などにはA-3830の方が向いてるからそっちを使ってね」といったところか。製造原価は-10の方が安そうだが、販売価格に差はない。
0 件のコメント:
コメントを投稿
.