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ネナシカズラが熟してきた。特に栽培しているわけではないが、今年はかなり良好な宿主が見つかり、大豊作となった。

カタバミ上のネナシカズラ若実 秋口から咲き出したネナシカズラが結実し、大きなものは1cmにもなる緑の粒を付けていた。
11月に入るころから、早いものがぼつぼつ熟し始める。一回り小さくしぼんで褐変し、基部に軽くくびれができるころには、種子が完成して褐色のカバーを被った状態になる。ひとつのカバーに4~2粒ほどを、薄皮で仕切った小部屋に宿す。外見からも仕切られている様子がなんとなく分かる。

カタバミに着いたものは、小ぶりで2粒内包のものが多かったが、先陣を切って熟していった。

カラムシ上のネナシカズラ若実 宿主としては、身の回りではカラムシが最適であることが判った。

一時期良好に見えたコバノランタナでは全滅。相当に相性の良かったシソは、宿主が早くに枯れてしまうためにこれも全滅。花を着けるころには宿主を求める活動をやめてしまうため、対応ができないよう。最適と考えていたカジイチゴも、圧倒されて弱って枯れてしまうことがあるため、手加減が必要。カタバミは安定だが、小ぶりにしか生らない。イヌビワおよびトウネズミモチは、枝によく食い込んだその近辺では完熟までたどり着いていたが、そうでない部分は枯れたところがかなりあった。
最適解のカラムシは、弱すぎて枯れることがなく、反撃もさほどきつくなく、地下茎でまとまって繁茂するため伸びた先の宿主に困ることもない。養分吸収もしやすいのか、1cmにもなる粒は他では見られなかった。

イヌビワ上でなんとか完熟 カラムシにやりたい放題のネナシカズラ やりたい放題のネナシカズラのアップ カラムシ上で完熟したネナシカズラのアップ カラムシに巻き上がるネナシカズラ



もいできたネナシカズラの種
ネナシカズラ種子は第4種郵便で
このブログを見て、ある大学の学生さんが研究材料に使いたいと言ってきた。帰化種のアメリカネナシカズラばかりで、本種が見つからないという。こんな出会いもあるのだな、と思いつつ4種郵便で送ることにした。

フィルムケースに乾燥剤と剥き身の種子150粒、鞘つき小枝1本、ティッシュの緩衝材を入れて10g余。意外と軽い。切手4枚添付の封筒は5g弱。こちらは意外と重い。第4種郵便は、開封で窓口に出す。~50gで¥70-など、かなり格安。

お役に立てればいいのだが。

 

石切り場入口案内板 浜松市北区滝沢町に「石切り場」と呼ばれるところがある。
遠目に眺めると、送電鉄塔とNo.4風車との間。風車のある尾根道をいくと、鉄塔を過ぎてから北側へやや寄り標高を下げるが、この採石場を迂回するためのようだ。

石切り場入口 滝沢小学校南方のセコ道の入り口に、および第二東名現場脇に鷲沢風穴の案内板とともに、「石切り場」への案内がある。車一台がやっとの道を行くと、石切り場への入り口にも看板がある。駐車場はないが、この入口へ突っ込んで停めれば邪魔にはならない。ここには封鎖用のポールはあるものの開放されている。もっとも、すぐに車は通れない幅になるので、そう先には進めない。

普通の山道に 邪魔な枝も多い 腐りかけの木製橋
そしてごく普通の山道に。腐ってぶかぶかする木の橋を渡り、ところどころに覆いかぶさる倒木を避けてゆく。

住友セメントのバラック バラック内部
やがて住友セメント(株)の看板のかかる、鉄条網の巻かれたバラックにたどり着く。中には、タンクが立っており、コンクリートで頑丈な基礎様のものが作ってある。三隅にはコンクリートで階段が付けてある。工場のような大きな建物ではなく、休憩所のような雰囲気でもない。

錆びた鉄製橋 中腹からの眺め
そのすぐ先には、鉄製の橋が架かる。完全に錆びていて、片方の手すりは落ち、足元の鉄板はボコボコと音を立てるほどに浮いている。そこから北を望むと、わずかに採石場らしきものが見えた。鉄製橋下は、採石場の唯一の排水路のよう。橋ををくぐればその床部へ行けそうだが、猛烈に茂った潅木らが行く手を遮る。無理に行っても何も見えなさそう。橋を渡ってから右手へ上れば、採石場の中腹へ出られ、ごっそりえぐられたその一部が見える。
そこそこの規模の採石場なのに、運び出す車道らしきものがない。また、立須下の露岩部と比較すると、崖にも植物が生え、床部に至っては完全に木々に覆われていて、はるかに時間の経っている雰囲気を感じる。昭和中期以前から放置されていたのではないだろうか。

フウトウカズラの茂み フウトウカズラ雌株(ピンボケ) フウトウカズラの果実
採石場を過ぎたあたりには、フウトウカズラが繁茂。そして雌株を発見。赤く色づいた実を見ることができた。手の届いた、やや若い朱色の粒を噛みしめてみると、すこし時間を置いて刺激のある不快臭に襲われた。吐き出すも後を引く。何度も吐き出して落ち着いたころ、ふと遠くにコショウの風味を感じた。近縁ということもあり、クロモジとニッケイぐらいには近いのかもしれない。美化しすぎの喩えだが。

さらに行くと、やがて送電鉄塔の足元をかすめて、No.3風車あたりで尾根道すぐ脇を平行に進むようになる。最終的にはNo.1風車あたりまで続くようだが、通りへ上がってしまった方が歩きやすい。

ここへ着くまでに、下手なリコーダーの音がずっと聞こえていた。着いてみると、猪撃ちと思しき人が犬笛を吹いているのだった。笛を吹き、時に名を呼ぶが返事はない。ここへ来るまでに犬を見なかったか、と聞かれた。車へ引き返す道でもずっと鳴っていた。あれから愛犬は戻ってきたのだろうか。

 

9/11 ツルマメとヤブツルアズキ 自生種に、小豆の原種、大豆の原種といわれている種がある。前者はヤブツルアズキ(右)、後者はツルマメ(左)という。9月ごろ咲き、10月末頃から順に熟していく。


9/11 ヤブツルアズキの葉 9/27 ヤブツルアズキの花 9/27 ヤブツルアズキの若実 10/25 ヤブツルアズキの完熟
ヤブツルアズキは、やや水気の多い地に生える。蔓性で3出複葉。大きな中央の小葉は3裂、側葉は2裂する。黄色いゾウが鼻を曲げたような複雑な形の花を穂状に着け、やがて細長い棒状の鞘を実らせる。緑の莢は熟すと黒変し、乾燥した昼間に莢を割り、種子を弾き飛ばす。ひなたぼっこをしていると、「ペチ! バララ……」と、ばらまいている音が聞こえる。莢の短辺側を上に置くと、莢は左右に割れ、両手で掬い上げるように、右片は右回転、左片は左回転で捩れて、種子を弾き飛ばしている。蔓で実が小さめである以外は、小豆によく似る。
似た花でノアズキというものもあるが、こちらはクズを小さくしたような四角い小葉を着け、莢も平たい形状になる。


9/11 ツルマメの葉 9/11 ツルマメの花 9/27 ツルマメの若実 11/22 ツルマメ完熟
ツルマメは、あまり場所を選ばず、空き地のフェンスなどにもよく見られる。蔓状、3出複葉で、小葉は長卵形。花は紫色でかなり小さく5mmほど。葉脇に短く穂状に着く。まさに枝豆の縮小版である形状の莢を着ける。完熟すると褐変し、乾燥した昼間に種子を弾き飛ばす。弾け方はヤブツルアズキと基本的には同じだが、莢が太く短い分、より遠くへ飛ばせるよう。こちらは「パチンッ! パチンッ!」と大きな音を立てる。若いうちに枝豆同様に試食してみたが、味も風味も遜色ない。ただし子葉部のみ痩せた風で全体に小ぶりであるため、食べではない。蔓状で実が小さい意外は大豆に似る。



他にも、クワイはオモダカが近縁という。小ぶりだが齧ってみると十分それっぽい。キウイはサルナシ、こちらも美味しい。イチジクの近縁のイヌビワも、小ぶりで甘さ控えめながら食べられる。ソバは帰化植物のシャクチリソバが近縁らしい。これは若芽も食べられるとか。ダイコンの逸出といわれるハマダイコンは、浜名湖にもたくさん生えているが、これは猛烈に磯臭くて食えなかった。さらにムギはカラスムギ、ホップはカナハラソウ(近縁カナムグラ)が原種という。
オモダカとツルマメをつまみに原種ビール、なんてこともできるかもしれない。

 

日経新聞朝刊12面に、ナノシリコンによる技術開発の話題が載っていた。

ナノシリコンとは、シリコン若しくはシリコン化合物をnmスケールで加工したもの。「量子とじ込め効果」という物理現象によって、電子、光、音を発生する。'91に東京農工大の越田信義教授が発光に成功した、とのこと。
ググってみると、ナノシリコンデバイスの研究という、ざっくりまとまったページがある。ナノスケール化によって顕在化する物理効果によって物性の変化がおこり、かなり凄いことが起きそうな雰囲気であることは感じる。ただ、変化の現象は多岐にわたり、個々にも難解で、齧ったことのない素人には歯が立たない。

記事によれば、日立製作所は、電子で動く回路の限界を超える、光で動く超高速デバイスの開発を目指している、という。昨年末のニュースリリース、「極薄シリコン発光素子の光増幅現象を観察」がそれだろう。実験室段階で、光デバイスのキモである発光に関する研究の方向が正しいことが判った、といったところか。

パイオニアの小型撮像管 さらに記事によれば、パイオニアは今年9月、ナノシリコンによる小型の高感度撮像管の試作に成功した、とのこと。学会で発表した、とあり、プレスリリースにはこの件は載っていない。
基板上に300nmの酸化シリコン層を積み重ね、等間隔に整然と穴を掘っていく。穴の底に数nm残しておくと、入光によってそこから電子が飛び出し、結果増幅される。従来の真空管を使ったものは、長さが10cmほどもあったが、これはわずかに1cm。デジカム製品化については経営判断次第、という。
ちなみにプレスリリースには、'05に小型で超高感度な撮像デバイスが発表されている。すでに厚さ1cmとあるので、これにナノシリコンを組み合わせて、さらに高みに導いたということだろうか。

このほか、パナソニック電工は面発光照明に、ヤマハは板状スピーカに、など多くのメーカが応用に取り組んでいるという。越田研究室の共同研究リストには、錚々たるメーカーが並ぶ。1~2年のうちには製品が市場に出てくるだろう、というのが記事の予想。


極端な微細化によって、ナノシリコンのように思いがけない物性が現れる。極端な純化で、たとえば超高純度の鉄は柔らかく錆びなくなったりする。局限化を突き詰めると、何か新しい夢が拓けそう。
一方で、たとえば石綿は安定で無毒なもののはずだったが、細胞に対して微細であるために、粉塵による重篤な害が判明した。ナノテクによる微細化で、本来無毒である物質が有害化するかもしれない、という話もある。本来無毒あるから、毒物のように検出することも難しい。直に触れることはまずなさそうだが、新しい悪夢にならないよう、十分な検証も欲しいところ。

 

2010/7/23
Picasaウェブアルバムの内部コードが変更になったようで、表示できなくなった。素直にYoutubeを使うのが良さそうだが、どこかのサーバにアップしてJWPlayerを使う、管理できないがbloggerのアップロード機能を使う、という手もある。



bloggerには動画を投稿する機能もある。データはGoogleVideo下に置かれるという話だが、GoogleVideoからも同根のPicasaウェブアルバムからも、一切のアクセスができない。そこで他サーバに、ということ等を当時の知識を総動員して、一生懸命調べて書いたのだが、そろそろ自分なりのやり方も固まってきたので、まとめておく。

まず、動画ファイルは動画サイトに置く。無料オンラインストレージとしては、推していたSkyDriveは直リンクを止めてしまったため、現状ではGoogleSites一択の状態。しかしここは100MBしかない。動画のような大きなファイルで食いつぶすわけにはいかない。
動画サイトは、GoogleVideo、Youtube、といったGoogle系のほか、Dailymotionなどもある。ちなみにGoogleVideoのアップロード機能は廃止になった。ほかには、アップロードに専用アプリケーション(Picasa3)が必要になるが、Picasaウェブアルバム上に置いておくこともできる。いったんアップロードしてしまえば、ウェブアルバム上で画像と同様に扱える。blogger上ではblogger用のプレイヤにしたかったので、今では専らこれを使っている。

ファイルの形式は、一般的なフォーマットなら大概使える。アップロードすると、サーバ側でflvやmpeg4に再エンコードされてしまうので、あまりがんばって高画質にしても意味がない。WMV9でone-pass、100%qualityあたりの品質のものを、AviUtlを使って*.aviファイルとして作っている。アップロードしたら、サーバが再エンコードするためのちょっとの時間を待ってやる。

Picasaウェブアルバムにログインしてみると、アップロードした先にファイルが鎮座している。再エンコードが終わっていれば、クリックで再生もできる。再生部の右上に、「標準の動画を表示」若しくは「高画質な動画を表示」というアンカーがある。標準は使えないレベルなので、「高画質……」をクリック。「標準の……」が表示された状態にする。

この動画ファイルをブログに貼り付けるには、URLが必要。得る方法は2つある。
RealPlayer_menu 1つ目。
RealPlayerをインストールしてある場合、動画部分をマウスでポイントすると、右上に「このビデオをダウンロード」というメニューがにゅっと現れる(右の画像)。この機能を使ってダウンロードする。ちなみにこのメニューのちょうど裏側に「高画質……」などのアンカーが隠れる。ダウンロードしたファイルは、「¥マイ ドキュメント¥マイ ビデオ¥RealPlayer ダウンロード」フォルダあたりにあるので、その中から探し出す。今ダウンロードしたものなら、作成日時の一番新しいものがそれになる。高画質状態でダウンロードできていれば、*.metaと*.mp4が存在する。*.metaをメモ帳などで開くと、後半部分にURLが書かれており、http://video.google.com/googleplayer.swf?……で始まる部分がここで得たいURLになる。
2つ目。
同様にPicasaウェブアルバムで、高画質モードで再生する。バッファリングが終わったら、IEの、[ツール(T)]-[インターネットオプション(O)]-インターネット一時ファイル[設定(S)]ボタン-インターネット一時ファイルのフォルダ[ファイルの表示(V)]ボタン、でフォルダを開く。ここでキャッシュされたファイルを探す。「最終アクセス日時」でソートすれば見つけやすい。該当するのは、種類が「Shockwave Flush Object」と「MPEG-4 Video」になっている2ファイル。必要なのは「Shockwave……」の方。このファイルを右クリックし、プロパティを開き、一番上に表示されるファイル名に該当する部分をコピーすれば得られる。

得たURLは加工して使う。元はたとえば以下のような形(実際は改行なし)。

http://video.google.com/googleplayer.swf?videoUrl=http%3A%2F%2Fvp.video.google
.com%2Fvideodownload%3Fversion%3D0%26secureurl%3DjQAAACVf3g6rOgKQsSOfGxhRSDUPK
FpHWLbVd_diJZC4iqS_OO-cWHsd2V2V9JUwHYbRWVc-PiOA81huknb4f7rbnMFSEVknsVcBbrOp8zR
7ZJcKNKqHlVHUtvvx7rSZb8-q21r-NK1ccV61kPWYN_66t8K3jdbOLQw9uDExgTcnYcPCJtUPf8BFe
dBqcYk-GwBVvw%26sigh%3Df5n9iBxpxQlksDMXqXW59yBCujQ%26begin%3D0%26len%3D2147483
647%26docid%3D0&hl=ja&messagesUrl=http%3A%2F%2Fvideo.google.com%2FFlashUiStrin
gs.xlb%3Fframe%3Dflashstrings%26hl%3Dja&autoplay=yes&speedcontrol=0

赤い部分は、GoogleVideo用のプレイヤを表している。ウェブアルバム上でもGoogleVideoのプレイヤで再生されるのはこのため。bloggerのプレイヤを使いたい場合は、

http://www.blogger.com/img/videoplayer.swf

に、置き換える。

青い部分は、メニューの日本語化その他の機能を表している。「%26sigh」以降が該当する。&で始まる部分は、googleplayer.swf(またはvideoplayer.swf)に対するパラメータで、たとえば&autoplay=yesとすれば、ページ表示後自動再生する。&nogvlm=1なら、プレイヤ右下のリンクボタンが無効になる。もちろん、全削除でも構わない。

完成したURLは、embedタグで埋め込む。XHTMLではobjectタグへ統一の方向とも聞くので、そちらへ書き換えても良い。

<embed src="(上記で得たURL)" style="width:320;height:267;float:left;margin:0 10px 10px 0;"></embed>

styleの中身は、widthで表示幅、heightで表示高(コントロール部27px含む)、floatで文章回り込み、marginで周辺の余白、などを必要に応じて設定する。「風力発電試運転開始@浜松市北区」の動画を始め、多くはこの方法で貼っている。

 

ふそう風力による、浜松風力発電所。どうやら1号機が回りだしたようだ。

昨朝の猛烈な雨が上がったあと、ふと目をやると風車が回っていた。強風のためか、かなり威勢がいい。最高1回転/3秒というので、かなりそれに近い速度。2号機以降は相変わらずほぼ停まったまま。1基だけによる試験運転が始まったのだろう。

日曜は休工だし、天気も良いことだし、と飽きもせず出向いてみた。
電柱配線はすべて済んでいるようだが、回っているのは1号機のみ。ブレードの角度を運転モードに切り替え、ウイングレットを風上に向けている。

いままでゆったり佇んでいるだけだった風車には、その大きさには驚きながらも、青空を背にした白い姿からは安らぎすら感じられた。しかし実際に動いてみると、豹変し120mから40mへブレードを振り下ろすその姿に恐怖も覚えた。
甲高い風切り音こそないものの、「ぶぉぉぅ」という空気を掻き分けるその音は、初めて見る者を威圧する。これがいわゆる「低周波騒音」の元なのだろう。風車の直径は82mなので、ざっと計算すれば、翼端部は最高310km/hほどにもなる。音が出ない訳がない。

また雨の日には、ブレードを伝った滴が特定の場所めがけてまとめて落ちてくる。雨天時、回転が遅いときに風車付近を歩く際には、突然の水の襲撃に気を付けたほうがいい。


映像の内容は、【昨夕の遠景】【変電所の様子】【停まっている2号機~1号機】【試運転中の1号機】。
送電が始まっているので、変電所では120Hzほどの唸りが聞こえる。1号機の風切り音も入っている。このときの翼端は285km/hほどだろうか。

 

やっつけPICライタ外観 信号線から電源を取るなど邪道、などと思いつつも、RCDライタを作ってみた。

PICの開発は、純正のMPLABを使うので、これに対応したライタが欲しいところ。すでに製作済みのAN589準拠が使えればよかったが、MPLABではサポート外。対応ライタをざっと調べてみたが、どうも日曜工作でできるような代物ではなさそう。
仕方がないのでそれ以外に目をやると、やはりケーブル一本で済むシリアル系が手軽であり、ユーザも多そうという印象を受けた。調べた中から、簡易さと性能のバランス、日本語が通じる、などから、RCDライタを選んだ。

このライタは簡易であることが身上なので、ツェナダイオード(ZD)を購入した以外は、ありあわせの基板にありあわせの部品で作っている。とりあえず試用してやるか、程度のやっつけな気持ちもあった。この状態で1年半あまり。今ではすっかり右腕になっている。ハードウェアのバージョンは2.5相当。
ちなみにライタソフトは、なんの不満もないのでPICprog4U 0.8.3を使用。
ICソケットからの引き抜きには、千枚通しを使う。ICを深く挿すと、マイナスドライバーでは入らないことがあるため、鋭利な先端が必要。差し込み、こじながら浮かせて、さらに奥へ差し込み、最後はICの背中を指で押さえつつ、テコにして水平に引き抜いている。


remaked RDC writer 作りながら回路を眺めていると、気になる部分がいくつか出てきた。オリジナル(左)からいくつか変更して、現在まで安定して使用できている。

まずは、VPPの可変抵抗(R3)。
PICのVPPは、ワンタイム版を除けば極わずかな電流しか食わない。そのため、この抵抗があっても問題が出ていない、と思われる。データシートや書込仕様書を見ても、多くのデバイスでVPP電流の記載はない。PICのデータシートは、初期のデバイスのほど詳細に載っている癖があるので、フラッシュ版初期のPIC16F8X Programming Specificationあたりを見てみると200μA(max)とある。これはひとつの目安になる。
よく使う12F675で実測してみると、約5秒の書き込み時間で5%~10%ほど電圧が下がる。これらと470uFとでざっと計算すれば、VPPの入力抵抗は200kΩ~100kΩあたり、60μA~120μAとなる。R3が10kΩなら問題は起きそうもないが、そもそも存在の意味もないので入れてない。

シリアルポート保護のために入れたという、R6も微妙な存在。
ポートが±12Vで動作していると想定する。TxDが-12Vのときに、ZDの順方向を使ってC1を充電。+12Vに切り替わると、チャージポンプでC1の+端子は+24Vになってしまうので、ZDで+13Vでクランプするとともに、VPPを供給。この充放電の急激な電流を、緩くするための抵抗がR6。ポートの保護にはなると思うが、入れる位置がおかしい。
+24V→+13Vに落ちるまでに、ZDが流し捨てる電流によってR6に電圧が発生する。つまりZDの+13Vに下駄を履かせてしまう。しかも470uFと220Ωの時定数分の長時間、絶対定格を越える電圧がPICにかかる。入れたいのであれば、C1のどちらかの端子のすぐそばに入れるのが妥当だろう。またシリアルポートは外部へ引き出す線でもあり、ショートしても燃えないような電流制限機能が付いている。それで十分なので、R6も省いてある。

回路的に問題があったわけではないが、D7も変更した。
マルツ電波では、13VのZDが悪意を感じる価格設定になっていた。5.1V、8.2Vを併せて買ってもお釣りが来るので、これを直列にして使用した。このままでは、順方向のVFが倍になり、TxDがマイナスの間、VPPが-2VFにもなり、チャージポンプで昇圧した結果も下がってしまう。実動的には、前者はPIC内蔵のクランプダイオードで保護され、後者はポート電圧が十分高いので、問題は起きない。でも癪ではあるので、並列にダイオードを入れてある。D7-1~D7-3でオリジナルのD7と同等になる。

C2、R4で、VDDを遅延させているという。
どう考えても遅延しそうもないのだが、R4を取り払うとうまくない。この点は謎。

オリジナルのまま作成した当初は、1kワード近いプログラムは、かなりエラーが出やすい気がしていた。12F675は気難しがり屋というページにも共感を覚えた。回路変更後、たまにエラーが出ることはあるが、2度続けて出ることはまずない。気難しがりの原因を突き止めたわけではないが、1年半以上安定して使えているところから、少なくとも変更部分については間違ってはいないと思われる。

 

4bitDAC_with_PIC 簡単な回路(プログラム)でノイズっぽい信号を発生できるLFSR(Linear Feedback Shift Register)。どんな波が含まれるのか見てみた。

発生にはPICマイコンを使用。DACには簡易にR-2Rラダー抵抗を使う。たかだか4bitなので、5%カーボン抵抗で組む。240Ω、2.5VP-Pのライン出力を得た。
なお、GP3は入力専用なので、電源などにつないで電位を固定しておくべきだが、面倒なので開放のままにしている。今までにこれで問題が起こったことはない。

出力とするライン信号についても調べてみた。統一規格は無いようで、周りを見回しただけでも、出力インピーダンスは600Ω~10kΩとバラバラ。出力電圧も-7dBs表記がある一方で、300mVだったり2Vだったりもする。実測も含めて、おおむね、電圧は1V以下、出力インピーダンスはなるべく低め、入力インピーダンスは10kΩ~47kΩと高め、あたりが主流と見た。
この回路は、手持ちに溢れていた1kΩを使ってR-2RラダーDACを構成した。この状態では、5V500Ωになるが、さすがに出力電圧が高すぎたため、470Ωで半分に押さえ込んだ。

このライン出力は、ビデオデッキを介してPCのライン入力へつなぐ。デッキを介したのは、すでにPCのライン入力に接続されていたという単純な理由。
PC上では、WaveSpectraefu氏)を使ってFFTをし、パワースペクトルを得る。音声帯域用のツールなので、PICで発生する信号は、1kHzあたりを目安にする。PICは内蔵クロックを使うため、±1%の誤差があり得る。


sin_FFT triangle_FFT square_FFT saw_rise_FFT saw_fall_FFT
ハードウェアの動作確認を兼ねて、とりあえず既知の波形を見てみる。

サインに見えないサイン波は、1kHzにピークが見える。波形の荒れのせいか、高調波もたくさん出ている。オシロスコープで見ると、こんな尖った波ではなく、ちゃんと16階調の階段状になっている。
三角波はおおむね奇数次の高調波が出ている。高調波は、振幅の上下が対象の波では、奇数次のみ出るという。-40dB/dec(-12dB/oct)で減衰していく。聴感では、こちらのほうが耳触りが柔らかく、サイン波っぽい印象だった。
方形波(矩形波)も奇数次の高調波のみが出る。減衰はやや緩く、-20dB/dec(-6dB/oct)となる。
鋸波(鋸歯状波)は、上るタイプと下るタイプとで聞き分けはできなかった。上下非対称のため、偶数次の波も出て、整数倍の高調波が-20dB/decで減衰していく。順に聞いてくると、鋸波のときだけ和音のように聞こえた。


LFSR7bit_FFT LFSR6bit_FFT LFSR4bit_FFT
LFSRは7bit、6bit、4bitで試した。2kHzで駆動したので最高1kHzでビットが変化する。それぞれでのtapは、(7,6)、(6,5)、(4,3)とした。

1kHzを境に変化が見られる。
高い方では、奇数次に緩やかなピークが見られる(C点)。ピークの減衰量は-20dB/dec。方形波に似た特性。鋭いピークにならないのは、上下非対称な波形が含まれるためと思われる。
低い方では、満遍なく波長が含まれるように見えるが、よく見ると16Hzほどの繰り替えし(A点)になっている。7bit=127パターンなので、2k/127=15.7Hzが出ているのではないか、というアドバイスをもらった。実際、駆動周波数に比例し、またレジスタのビット数を変えても変化が見られたので、正しいらしい。
さらに、なだらかなピーク(B点)が重なっても見える。7bitLFSRでの間隔はおよそ140Hz。6bitLFSRでは約225Hz。4bitLFSRでは確認できない。駆動周波数には比例する。また、1kHz超の減衰域の山の中にも、同様の構造が見られる。これに関しての詳細は不明。

ノイズ源として見ると、駆動周波数の半分より低周波側で、均一に見える部分ができ、ビット数を増やすことで、繰り返しが見えなくなり、より緻密になる。また、波長の存在の有無の差(縦方向の厚み)が減るので、その点でもビット数は増やしたほうが良さそう。

ちなみにMSXで使われている音源チップ、PSGでは、ノイズ発生のために17bitのLFSR(tap=17,14)を使用している。駆動周波数はシステムクロックの半分のさらに1/16である112kHz。可聴域ではかなり均一なノイズが発生していそう。ただ、じっくり聞いていると繰り返しっぽい感じもあった気がする。

 

風車1号機 浜松市北区、引佐町三岳~滝沢町へかけての風力発電について、先月下旬、11月中旬以降に運用開始、との報道があった。風車は今夏に10基完成しており、送電経路なども完成が近い。

送電線は、通常の電柱電線に似た構造。最上部には架空地線(避雷線)、その下に、水平な3本組配線、さらにその下に少し離れて、通信線と思われるものが1本ある。また風車間は、3本組配線が2段に這わせてある。電線自体は、一般的な電柱の最上部、6.6kV配線よりだいぶ太い。碍子もお皿が6枚ほど見え、6.6kVのそれより倍ほどの距離を保っているように見える。
風車からの配線は、地下を通って最寄りの電柱の足元まで来ている。今のところ各線は接続されていない。1号機の電柱には、22kV400Aと書かれた柱上開閉器が2つ付いていて、風車群と変電所への送電経路とを分けている。22×400×2=17600kW=17.6MWとなるが、10基20MWをまかなえるのだろうか。
ちなみに工事の人の話では、送電は22kVとのこと。

送電経路はおおむね道路に沿って下り、三岳集落をかすめて北岡古墳方面へ。そのまま下って引佐総合公園(すぽるてん)の北へ出る。当初の計画から、だいぶショートカットに変わっている。一部先行しての売電もされていない。

風力発電用変電所 レウコ風碍子 中電の引佐変電所南隣に、風力発電用変電所がすでに完成しており、ここで77kVに調整し売電される。工事看板によれば、この風力発電用変電所は、4月にすでに完成していたらしい。600㎡ほどの範囲をフェンスで囲い、入口には危険・特高圧の標識がある。
電柱を伝ってきた電線は、いったん地下に潜って変電所内に入る。敷地には、右手に各種キュービクル設備、奥にトランスと某寄生虫を思わせる大きな碍子を備えた開閉器が設置されている。キュービクルには内容銘板が付けられており、手前の棟には、通信用キュービクル、2番目の小さな棟には、直流電源盤・監視制御盤、一番大きな棟には、所内変圧器盤・LDS盤・風車連絡盤・母線盤とある。

ウルシ類 ミツバアケビ フユイチゴ ヒヨドリジョウゴ ボタンヅル 一昨日出向いてみたところ、日曜は休工のようで、工事車両は見かけなかった。立須裏の1号機から7号機まで(片道2.4km)を往復する1時間半ほどの間に、一般車両5~6台に出会った。10号機までが3.3kmほどなので、道草をたっぷり食いながらでも、2時間あれば往復できそう。

急カーブなどは拡幅され、その部分に敷く予定なのか、砕石が積まれていた。ちなみに5号機近くにあったモミジイチゴの丸弁株は、その拡幅で天に召された模様。
幼いウルシは紅をまとい、ミツバアケビがたわわな紫を見せつけ、フユイチゴとヒヨドリジョウゴがルビー色を競う。垂れて風に吹かれるボタンヅルは、綿毛をもてあまし気味。

風車(1~10号機)と富士山 風車(4~10号機)と富士山 雨に降られた日曜とはうって変わって、今日は西高東低の気圧配置。小寒くよく晴れたので立須に登ってみた。

浜松の街の向こうには、分厚く遠州灘が見える。普段は海と空の境が判別できないため、よく判らなかった。大きな丸い太平洋上には艦船たちがくっきり。
東を望むと、富士山はすっかり雪化粧し、真新しい風車列の右脇に鎮座する。素晴らしい透明度。舘山寺から来たというご婦人二人連れも満足されたようだった。

アオバト 帰りには、思いがけないアオバトの出迎え。
あぁ、ピントが……

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