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日経新聞朝刊12面に、ナノシリコンによる技術開発の話題が載っていた。

ナノシリコンとは、シリコン若しくはシリコン化合物をnmスケールで加工したもの。「量子とじ込め効果」という物理現象によって、電子、光、音を発生する。'91に東京農工大の越田信義教授が発光に成功した、とのこと。
ググってみると、ナノシリコンデバイスの研究という、ざっくりまとまったページがある。ナノスケール化によって顕在化する物理効果によって物性の変化がおこり、かなり凄いことが起きそうな雰囲気であることは感じる。ただ、変化の現象は多岐にわたり、個々にも難解で、齧ったことのない素人には歯が立たない。

記事によれば、日立製作所は、電子で動く回路の限界を超える、光で動く超高速デバイスの開発を目指している、という。昨年末のニュースリリース、「極薄シリコン発光素子の光増幅現象を観察」がそれだろう。実験室段階で、光デバイスのキモである発光に関する研究の方向が正しいことが判った、といったところか。

パイオニアの小型撮像管 さらに記事によれば、パイオニアは今年9月、ナノシリコンによる小型の高感度撮像管の試作に成功した、とのこと。学会で発表した、とあり、プレスリリースにはこの件は載っていない。
基板上に300nmの酸化シリコン層を積み重ね、等間隔に整然と穴を掘っていく。穴の底に数nm残しておくと、入光によってそこから電子が飛び出し、結果増幅される。従来の真空管を使ったものは、長さが10cmほどもあったが、これはわずかに1cm。デジカム製品化については経営判断次第、という。
ちなみにプレスリリースには、'05に小型で超高感度な撮像デバイスが発表されている。すでに厚さ1cmとあるので、これにナノシリコンを組み合わせて、さらに高みに導いたということだろうか。

このほか、パナソニック電工は面発光照明に、ヤマハは板状スピーカに、など多くのメーカが応用に取り組んでいるという。越田研究室の共同研究リストには、錚々たるメーカーが並ぶ。1~2年のうちには製品が市場に出てくるだろう、というのが記事の予想。


極端な微細化によって、ナノシリコンのように思いがけない物性が現れる。極端な純化で、たとえば超高純度の鉄は柔らかく錆びなくなったりする。局限化を突き詰めると、何か新しい夢が拓けそう。
一方で、たとえば石綿は安定で無毒なもののはずだったが、細胞に対して微細であるために、粉塵による重篤な害が判明した。ナノテクによる微細化で、本来無毒である物質が有害化するかもしれない、という話もある。本来無毒あるから、毒物のように検出することも難しい。直に触れることはまずなさそうだが、新しい悪夢にならないよう、十分な検証も欲しいところ。

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