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4月半ばに咲いたオニモミジイチゴ(仮)。いくらかの結実をみて、採種まで進んだ。

件の記事にあるように、恵那山・黒井沢のハスノハイチゴRubus peltatusに、秋葉山第二P付近のモミジイチゴR. palmatusの花粉をかけて作出した株。いくらかの発芽はみたが、このひと株だけが生存した。
気候的な問題もあってか成長も遅く、播種の翌春2019年に発芽してから7年も経っている。


開花からひと月あまりの若実が育ってきた様子。
上から見ると、寸詰まり気味なモミジイチゴにしか見えない。写真1枚目には、2つ若実の萼が見えている。


5/17 寸詰まりのモミジイチゴ風

5/17 若実の様子

先の記事にあるように、蕾は大振りなモミジイチゴ、咲いてみると貧相なハスノハイチゴ。
実ってみると、粒がまばらな自家授粉のハスノハイチゴのような実ばかりになった。

赤味、黄味は感じられない、緑白色。ハスノハイチゴの粒と同じ雰囲気。
萼は開花とともに平開し、若実でも閉じない。ただし、熟してくると基部側に反り返る模様。
花柄はいろんな方向を向くが、最終的に花は真下を向く。意地でも下向きになる。


5/17 若めの若実

5/17 熟しそうな若実

よく見ると、若実の粒の表面にまで毛が生えている。

大概のキイチゴは、咲いて40日前後で熟す。その40日後あたり。既にひとつは干からびてしまっていた。


5/25 完熟(持ち上げて撮影)

5/25 完熟果

写真では黄色味がかって見えるが、現物を見た印象は薄緑。やや黄緑も入っているかな、程度。


5/25 熟果を解体

この実は粒(小核果)が果床から外れやすかったが、こびりついている実もあった。一定しないのかもしれない。
粒の形状は、特段特徴なし。数が少なく膨らみ気味なせいもあるかもしれない。


5/25 果肉を取る

5/25 果肉を取る

削った割り箸でキッチンタオルに擦り付けて果肉を取っているが、赤味成分は全くなし……というか、色味成分がほとんど無い。
割り箸が赤いのは、他のキイチゴの赤成分が染み付いたもの。


6/21 瓶の内側で乾いた種子

タネは採り播きがよい、などと聞いたこともあったが、キイチゴに関しては休眠種子という形態もありえるので、いくらか乾いても問題ないと思われる。


6/21 初年茎も出てきた

初年茎を見る限りでは、植物体で赤成分が無い、ということではなさそう。
黄実のモミジイチゴやカジイチゴは真っ赤な芽を出す。一方で変異種のキミノニガイチゴは、紅葉もせずすべてが黄緑系になっている。この雑種は前者の系統のよう。


2025/6/13 昨年の初年茎

株の成長によるのか、葉の形が変わってきている気がする。
葉身基部は、結果枝はモミジイチゴのような心形だが、出てきたものは切系に近い。葉の形状も、より円形になっている。
昨年のシュートもその傾向はあるが、今年ほどではないようにも見える。
結果枝に比べ、裂片や鋸歯の先が細く鋭く尖るのは同じ傾向。


6/21 鳴橋先生の新著より

先日、鳴橋先生が「日本のキイチゴ」を刊行された。
これには、オオミネキイチゴR. × ohmineanusの3倍体の1形態としてオニモミジイチゴの写真が掲載されている。

結果枝の葉や萼の変化は似ているようにも見えるが、ここまで黄色くないしここまで身入りもよくない。
結論が出るかな、と思ったのだが、そう簡単ではなかった。




【 和名、学名の出典等について 】
  • 標準和名や学名は、基本的に「YList」ページを採用する。
  • Ylistに掲載のないものは、 Wikipediaの「キイチゴ属」ページのものを使う。これには「※」を付す。
  • 交雑種名は、特に著名なものはそれを使うことがある。それ以外は、和名は両親から「イチゴ」を取った合成名、学名は両親を「×」でつないで連名とする。いずれも母体を先にする。(参考1/参考2
    • 例:カジイチゴR. trifidusを母体にコジキイチゴR. sumatranusの花粉を付けたもの → カジコジキR. trifidus × R. sumatranus
  • 雑種は、入手個体を「F1」とみなす。特に必要がなければ「F1」とは記載しない。その子は「F2」となる。たとえばファールゴールドの実生は、「ラズベリー・ファールゴールドF2」と記す。
  • 同種が複数株あって区別を要する場合は、和名の後に#番号を付す。従前1株だったものは、それを#1とする。株分けなど栄養繁殖個体は枝番号を付し、#1-1などとする。

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