東海大学が新しい透明な導電材を開発した。
現在使われているITOとも研究が進む酸化亜鉛とも異なる、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を使う。
常温の低い真空中で、マグネシウムと炭素をスパッタリングで混合成膜し、それを水蒸気雰囲気下に10~15分置いておけば透明な結晶膜になる。水酸化マグネシウムは透明な絶縁体であるが、水酸化マグネシウムの結晶に炭素が入り込んだ形になることで、導電性が生まれていると考える。
現在は10-1Ωcm程度と、ITOより3桁大きい。透明度は高く、可視光域でおおむね9割。330℃で分解するが、100℃程度までなら安定。
日経BP Tech-On!ニュース-ナノテク- 東海大,インジウムを使わない新しい透明導電材料を開発(要約)
液晶などに必須な透明な導電材は、現在は酸化インジウム(In2O3)に酸化錫(SnO2)を加えたITO(Indium、Tin、Oxide)が使われており、酸化亜鉛(ZnO)系の研究も進められている。酸化亜鉛には酸化アルミニウム(Al2O3)や酸化ガリウム(Ga2O3)が添加される。
インジウムは希少な金属であり、最近はことのほか高い。低融点合金の実験をしたくても手が出ない。亜鉛は安価で豊富、透明度も高いが、まだまだ研究途上のよう。またいずれも、高温(200℃以上)での成膜になるために、基本的にガラス上に作る。
今回の新材料は、材料は豊富で安価であり、製法は平易であり、透明度も申し分ない。導電性能だけがネックだが、開発が進めば、これは主役になるやも。
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