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コロ助、届く組み上げた
箱を開けるホース先端のアップ
車検をまたいで2年に一度のイベント、オイル交換。スロープを自作するなどして潜ってきたが、今回は上抜きをしてみた。
先に結論を書いてしまえば、もう下抜きには戻れない。ポンピングは頑張る必要があるが、潜ったりオイルをかぶったりの汚れ作業が無いのはすばらしい。

上抜きは、オイルゲージの穴から吸い出す。その機器が必要になるが、値ごろなものがあったので購入してみた。
その方面では有名(?)な、通称「コロ助」。「手動式オイルチェンジャー」などという商品名で売られている。輸入品らしいので海外も探してみたが、40EURとか45USDとか、びっくりするような値付けばかり。素直にアマゾンで入手した。送料込みで3400円ナリ。
クロネコで、沖縄から羽田へ、羽田から各支店へ、発送の翌々日には手元に届いた。

箱には、Smart tool、Easy Quick Clean、UG-188A、LUBE-OIL EXTRACTORなどの記載がある。和文は一切無い。
静かで、電源不要で、お値打ちで、お手軽で、1分で組み立てられて、1分で4Lの水が吸える、などの能書きもある。
早速、中身を検め、組み上げてみた。

パーツは全部で5つ。それに日本語の簡易マニュアルの紙が1枚。
蓋を開けると、排出用の口、ポンプの取っ手、ポンプ本体が見える。その下には、タンクと丸めたホースが入っている。日本語マニュアルは無くても問題ない簡単な仕組み。
材質の記載は一切無い。ほとんどの部分はPPかPEと思われる。ポンプはおそらく塩ビ。各パーツのジョイント部には黒いゴム。ホースは、ワイヤー入りチューブと透明塩ビチューブが接続されたもの。

タンクは、容量約6L。横縞が大雑把な目盛りになっていて、「ひと目盛り1Lぐらい」の見当。正確には、下から2本目+3mmほどで2L、4本目下端で3.5L、4~5本目間3/5あたりで4L。入出口にはゴムパッキン、頂部にはゴム製の逆止弁が付いている。逆止弁の内側にはゴムリングが入っており、気密を確保している。
ポンプは、筒がVP/VU40相当、ピストンがφ34。ストロークが180mm弱なので、仮にVU40であれば、1ポンピングあたり270mlほどになる。シリンダ内面にはグリスが塗られ、両端にはゴムのパッキン/抜け止めが接着されている。ピストンは、赤い取っ手を付けて使用する。押すときは開放、引くときは密閉になるような弁が組み込まれている。気密はそれほど良くないので、一定以上のスピードでポンピングする必要がある。
ホースは、先方の黒いワイヤチューブ部が約1.1m、外径φ5.7。基部側の透明な塩ビチューブ部は約1m、外径φ約10。ワイヤチューブは、自転車のブレーキワイヤのアウターのような構造。金属コイルが入っている。

使用前に、水で動作確認をしてみた。
能書きには、水は1分で4L吸える、とある。実際には2Lに1分50秒かかった。ポンピングは30回、25秒。相当気合を入れても1分を切るのは難しそう。つまり、4Lは2分でも無理。
ポンピング回数と吸える容量も確認してみた。20回で試したところ、1分50秒で1.45L吸って止まった。1ポンピング250mlとすると、30%の効率。時間がかかった分、漏れが多くなったことも考えられるが、あまり効率はよくない。4Lのためには、50回ポンピングしなければならない。


吸い出し開始
さて本番。
準備するものは、コロ助とオイル、じょうご、500mlペットボトル、敷物・ふき取り用の新聞数枚、必要なら洗剤等。

あらかじめ5分ほどアイドリングをしておけ、とのことだったので、近所に出かけた後に作業することにした。が、思いのほか油温が上がってしまったので、2時間ほど寝かせておいた。


吸い出したオイル
オイルゲージを抜いて確認すると、上限のはるか上まで入っている。許容範囲を上限に上乗せしたぐらい。ディーラー車検だったのに。

ゲージの穴に黒いチューブを挿し込む。引っかかり等もなく、スコンッとまっすぐ入る。ほぼピッタリで、吸い出す位置を探るとか、そういった余裕はない。ゲージの口から約35cmの深さ。
一応、オイルキャップも緩めておく。これが異様に固い。ディーラー車検だったのに。

ポンピングを始めると、じわ~っとオイルが上がってくる。一度にポンピングできるのは、せいぜい30回。負圧がきつくなり、これ以上は難しい。これを2回行えば吸い切れる計算だが、もっとかかった気がする。他の作業をしてる間に止まっていたりして、結局30分経過。
出てきた量は4.2L近い。このエンジン(B18C)は、通常は3.5L、フィルタ交換をしても4L、ということになっている。


購入オイル
入れるオイルは、ジャンボエンチョーで見つけた格安品、4L缶1280円。
スペックはしっかりしていて、SN、5W-30、GF5、合成油などとある。テクノパワー(Techno Power)ブランドで、エンパイヤモーター(Empire Motor)製とのこと。初めて聞く社名。

色合いは薄めの琥珀色。とろみは10W-30よりやや緩いかな、という印象。あらかじめ500mlを除けておき、ペットボトルの頭で作ったじょうごをガイドにして注ぐ。3.5Lで、ゲージ中央ぐらいになる。

替えて1週間余。何事もなく稼動している。
ちなみに、10W-30でよければ、998円で売っていた。


洗って陰干し

乾燥後、収納
廃油は、缶に戻し、スタンドで引き取ってもらった。4L缶でも、4.2Lが入る。
余った新しいオイルは、次回に回してもよし、機械メンテなどに使ってもよし。

使用後のコロ助をどうしようか迷ったが、洗っておくことにした。例のピンクの洗剤をペーストにして擦り取ったり、水と一緒に入れてシェイクしたり。完璧とまではいかないが、部屋に置いて差し支えない程度にはきれいになる。
面倒なら、タンクはそのままポリ袋などに包んでおけばいいかもしれない。ただ、パッキンや逆止弁などゴム製品は、気密保持のキモの部分なので、掃除したほうがよさそう。タンクに付いているゴム部品はすべて外れる。

ゴムは、応力、オゾン、水分、日光などを避けた方がいいらしい。洗浄、乾燥後は、外したまま袋に入れて保管することにした。

以下、ゴム劣化に関するサイトなど。



2016/10/30 追記

車検の無い年しか使わないので2年ぶりの使用。ゴムパッキンの劣化などもなく、新品同様に使うことができた。

出てきたオイルは3.5l~4lの間ぐらい。やはり前回は入れすぎだったらしい。人は良さそうだけど、ちょっと抜けてるメカニックだったからなぁ……
今回のオイルは、上記にもある998円のもの。5W-30は1580円もしたので買えなかった。交換のたびに余った分とのブレンドとした。
過去記事によれば、2008年から溜めていた分のよう。見た目はきれいな琥珀色のままで、変化は感じられない。

コロ助の再組み立てには、一部コツが要る。
ちょんまげ部にリングパッキン(陰干し写真ではタンクに着いている)をはめた後、逆止弁を取り付けるが、このとき回しながら押し込むようにする。まっすぐ押し込むとリングが奥へずれ、気密が保てない。

抜き取り前にはエンジンを掛け、アイドリングが下がり始めてエンジンが触って暖かくなる程度まで回しておく。今の季節で5分程度。
あとは頑張ってシュコシュコし、オイルを抜き、新しいオイルを入れて完了。交換作業自体は30分とかからない。

ただ、そのあとの掃除が結構大変。交換よりこちらの方が時間を食う。
前回同様なるべくきれいにし、乾燥させてからしまうことにした。ゴム類は別途、中性洗剤などでさらにきれいにしておいた。

ちなみに最近では、電動式が2000円台で買えるらしい。eBayあたりならもう少し安いものもある。



2018/11/11 追記

オイルが高い。コメリの10W-30、DC-turboが特売で1250円。これで手を打ったが、なんだか負けた感……
ともあれ今回も滞りなく、30分あまりで終了した。暖機を2分ぐらいで切り上げたのは、早すぎたかもしれない。

手馴れて勢いよく突っ込んだためか、ホースがいくらでも入ってしまって焦った。
そろそろ挿し込んでいき、ゲージと同程度のあたりでクッと抵抗が増したところが底。さらに突っ込むと、滑って底を這って、明後日の方へ向かってしまうので注意したい。

コロ助も4歳、3回目の使用になるが、劣化脆化など特段の変化もなく、普通に使えている。購入額は3400円。オイル交換を頼むことを思えば元は取れたか。
ポンピングがちょっと大変なので、掃除機等での電動化、などという妄想もしている。

前回の追記で、パッキンに逆止弁を取り付ける際、回しながら……などと書いたが、パッキンを嵌めた後、極少量のオイルを塗ってやれば抵抗なくスッポリ嵌ることが判った。部品へのストレスも少なく好ましい。
逆にスッポリ抜けるもするが、ポンピングをすれば負圧になって吸いつくので、使用時に抜けることはない。

いつも大変な片付け。
ともかく汚れを広げないように、小分けできるパーツはパーツごとに、こまめに掃除するようにした。
油分は、ピンク石鹸をたっぷり盛り、こすりつけて吸わせるイメージ。完全に吸ってから流水ですすぐ。ともかく、油と水とを直接触れさせない。
これだけでもかなり楽になった感がある。ピンク石鹸は、油分とも水分ともかなり相性がいい。水道程度の水圧でも簡単に溶け流れてくれる。

ピンク石鹸は、パーライトで擦り取るだけでなく、洗浄力もそれなりにある。
ホースやタンクなど手が入らないところは、濃厚に溶いて注ぎ込んでやる。タンクはシェイク、ホースは端を交互に上げ下げすることで、洗浄液を全体に何度も行き来させる。
最後に流水で流せば、かなりのレベルまできれいになる。あとは水切りしつつ乾燥させればよい。前回のように、再度洗う必要性は感じなかった。
なお洗剤には包含できる汚れの限度がある。くれぐれも洗剤はケチらないようにしたい。


男前モノタロウ:ピンク石鹸
このピンク石鹸(元記事の「ピンクの洗剤」)は、贅沢に使う必要がある。
今まで使っていた瓶が空になり、カインズの扱いもなくなってしまったので、今回はモノタロウで購入してみた。
従前のカインズのは500gで200円、こちらは6kgで600円。送料を乗せても半額以下と、かなりお値打ち感がある。
ちなみにアマゾンでも、同等品同価格帯のものが売られている。

量があるとはいえ何かと使えるので、これは買って損はない。

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