天気は良く、暑からず寒からず。紅葉はピークをやや過ぎた感。落葉も多く、林床はふかふか。林内の見通しは良い。
残ったカエデ類が、紅葉、黄葉している。タカノツメが黄白色にまぶしい。ハリギリはほとんど終わり、コシアブラは樹上の葉を確認できず。ツタウルシは紅葉の気配なし。
麻布山登山口までのスーパー林道は、北側のルート、水窪ダム側が復旧している。現場の様子から、開通を急いだ様子が伺える。落ち葉と落石とでかなり荒れているので、南から行ったほうが良いかもしれない。
山住峠などを経由する南側ルートは、野鳥の森のオオルリの門までは車でいける。そこから950m舗装路を下れば登山口に着く。
行くにあたって予習はしたのだが、山行ネット情報は成功例ばかり。半日強で黒法師岳まで往復してしまうなど、もはや住む世界が違う人々。
麻布山登山口の看板では、山頂まで2時間とある。前黒法師山を経由して500mの登り返しなどを考え合わせると、一般人の並足なら昼過ぎには何とかなるかも……という目論見で出向いた。
7時半過ぎに、麻布山登山口を出発。ぽつぽつ休憩と寄り道と撮影を挟みつつ、2時間強で麻布山山頂へ。正味なら1時間40分程度か。
さらに20分で戸中山の看板、もう40分で前黒法師山山頂。40分余で最低鞍部近くまできた。ここまで来ると、かなり大きくバラ谷の禿頭や、鎌崩の崩壊尾根が見える。
ターゲットは目の前、時刻も11時台。十分間にあいそう……でも、体力的に微妙。たまにハイキングする程度では、幾度の登り返しを経て帰れる確信が持てなかった。
帰路の下り、太腿の内側広筋がモキュモキュいいだす。翌日、翌々日は、全身筋肉痛。引き返して正解だった。
下山途中の前黒法師山頂では、昼食を取る元気いっぱいの老老男女10人ほどのグループに会った。さらに、2組の単独登山者ともすれ違う。
登山口には自分の車しかなく、みんな野鳥の森側に停めているらしい。
右の地図は、GPSロガーのデータをカシミールで合成したもの。
麻布山山頂手前で、西にルートが膨れているのは、より道のため。
戸中山近辺のダブりは、広尾根、二重尾根などで複数の踏み跡があるため。中には下るものもあるので注意が必要。
最後のループは、楽園広場の周辺部を、ぐるっと回ってみた。
例によって、撮りまくってきたものを、MS-ICEで合成してみた。
まずは、これから登る麻布山ら。
撮影場所は、登山口より水窪ダム方面へ、いくらか下ったスーパー林道上。
中央に麻布山。右に伸びる平らな尾根の上を登山道が通る。紅葉がカラフル。
山頂近くの禿部は、向こう側も崩れており、登山道の階段が一部落ちてしまっている。
麻布山に登る中で、ここがほぼ唯一の眺望ポイント。山頂を背にして、東西南3方に眺望がある。
尾根道の向こう、右側の一番高いピークが前黒法師山。モミツガ類が多いのか、色彩に乏しい。
左脇に隠れているのは奈良代山。
その禿部からの眺望。
早めに切り上げたおかげで、ここへは13時半に戻れた。
ほぼ快晴。過去数回登ったなかで、最高の透明度。太陽の位置もよかった。
天竜の山々の向こうに、中区、北区、西区、そして愛知県まで見通せている。
浜松市中心街のアクトタワーが、秋葉山の左脇に。そこから、竜頭山、井戸口山、野鳥の森(五丁坂頭山、門桁山)など、天竜スーパー林道のオールキャスト。
竜頭山の右には、三岳山が見える。計算上は、浜松風力発電所の風車群が、1~7号機あたりまで見えるはずだが、肉眼でもコンデジでも判らなかった。夜間なら航空障害灯が見えそう。
その周辺の光った部分は浜名湖。太陽の位置がちょうどいい具合で、湖面が光って見える。その上の低い雲のように見えるのは、湖西市など。さらに上の光芒は、太平洋の反射がヘイズでぼやけたものと思われる。
富士見岩や坊ヶ峰など県境も、鳳来寺山など愛知の山々も、さらには渥美半島や三河湾までもが望めた。
麻布山を越えると、戸中山とされる鞍部へ下っていく。最近このあたりの小ピークに、「戸中山」の看板が設置された。
その東では北面が崩落しており、見晴らしがある。以前、深層崩壊を撮ったのもこの近辺。
右手には、バラ谷の頭から続く丸盆、鎌崩、不動の山々。中央には、奈良代から黒沢への尾根。その向こうには、浜松市最高峰の中ノ尾根山。さらに右の奥には、南アルプスの面々。
奈良代の裏に雲がかかっているのが、木曽駒などの中央アルプス。左端の恵那山までが、その範疇とされる。隣には熊伏山も見える。北アルプスに含めることもある御嶽山は、木に隠れたあたり。
前黒法師山を越えると、ふたたびひたすら下る。
大きく開けた所はないものの、ところどころで木々の間からターゲットが見える。それも、今まで見たことのない大きさで。
笹原に生える疎らな木々の1本1本まで見る。人がいれば判りそう。
鎌崩をはじめとした以北の山々の、崩壊の激しさも手に取るよう。あんな所へ行く人の気が知れない。
景色が変わって気分は上がるものの、腰下からは限界のサインが出はじめる。いままで下った分を登り返せるのか、と。
最低鞍部に近くなると、尾根がうんと広くなる。
足元は、苔と落ち葉でふかふか。苔生した倒木が点在し、まばらな大木は風を遮りつつ日差しを恵んでくれる。下草も低木もほとんどない。
長閑。まさに楽園。ぐるっと回って堪能して、引き返すことにした。
GPSロガーの計測では、歩行距離往復20.7km、累積標高約1500m、とのこと。ちょっと多めに出ている気もする。
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