since 2007.8 by K-ichi

イカ臭いような話ではない。

本日付、日経新聞朝刊13面に、「動物の精子 常温で長期保存 順大、5年で実用化」という小さな記事があった。
以下に抜粋する。

順天堂大学の多田昇弘准教授らは動物の精子を1年以上にわたって常温で長期保存する技術を開発した。
精子の水分を糖の分子に置き換え構造を保ったまま乾かす。水に浸すと元に戻る。
約500日間保存したマウスの精子の実験では、正常な子供が生まれた。
(略)
糖であるトレハロースの分子が、精子の中の水分子と置き換わってガラスのような状態になる。カテキンの分子を混ぜて酸化を抑える。

スルメはふやかしてもイカには戻らないが、生体内の水をトレハロースに置き換えれば、乾物にしても生きていられるらしい。


乾燥精子の特許ページ
いろいろググってみると、糖類なかでもトレハロースには面白い効能があるとのこと。低温、真空、乾燥などに耐えるあのクマムシは、大量にこれを蓄えているという。
日本冷凍空調学会のページには、その特性や実例が挙げられている。実験段階ながら、血小板の乾燥保存にも触れている。
Wikipediaの低温生物学のページでは、冷凍、乾燥などの際に組織破壊を防ぐため、トレハロースなどを用いる例が挙げられている。
その方面では、かなり普通の物質のよう。

さらに見回すと、なにやら特許絡みの話が出てきた。【発明の名称】 哺乳類精子の保存方法とある。まさにこの順大の件。
そのページ、j-tokkyo.comが何者かはよく判らないが、特許庁からリンクされている特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で検索しても出てくる。
2008年に出願、2013年に登録とある。なぜいま科学技術面の記事になるのか、これからさらに5年もかかるのか、新しいネタなのか研究が遅れているのか……なんだかちょっとスッキリしない。

ちなみに、同様にして卵子も乾物にできた、という発表もあったらしい。2013年のもので、その後は不明。
「受精可能であることを確認したからといって、実際に受精するという保証にはならない」などという記述もある。

イカに戻るスルメができるには、まだまだ道は遠そう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

.

関連記事


この記事へのリンク by 関連記事、被リンク記事をリストアップする」記事

ブログ アーカイブ