高度51°、距離719km。月も無く、この上ない好条件。通過点にはスピカや木星がいて、判り易く賑やかい。安定した高気圧に覆われ、寒波が来るでもなく、透明度もかなりいい。
鐘を聞き初詣の喧騒を横目に、初ひとみの出を拝んできた。
写真は、CASIO EX-10にて。50mmF2.1、ISO400で30秒露出。Vixenスーパーポラリス赤道儀で自動ガイド。
ASTRO-H(ひとみ)は西から飛んでくる。うみへび座、ろくぶんぎ座といった、形の判らない星座にいる時から眼視で検出。ぴっこらぴっこら点滅しながら漂ってくる。明るく光ったときで2等星ぐらい。
おとめ座に入り、木星の際を通過する際、2度ほどマイナス等級にフレア。そしてゆっくり光度を下げて消えていった。
SatelliteTrackerなどで確認すると、デブリたちも似たコースを通る。ただし総じて暗いようで、いままでには41442が写せただけ。よほど空のいいところでは見えるかもしれないが、肉眼で確認できたこともない。
一画面に収めようと50mmで撮ってみたものの、微妙なピンボケの影響もあってASTRO-H本体しか写すことができなかった。
以下にある2016/12/30撮影分は、上の明るい光跡が41337 ASTRO-H(ひとみ)、下の薄いのが41442 ASTRO H DEB。
112mmF2.5。ISO400、30秒固定撮影。写っていた2枚をYimgで比較明合成した。固定撮影なので画面が回転している。
12/30は、イリジウムフレアやISSも条件がよかった。屋根の上での固定撮影のため、障害物が多いのは仕方ない。
写角を袈裟に斬るのがISS、こと座から水平に南行するのがイリジウム。
28mmF1.8、ISO80、5:45:10ごろから160秒露出。12Mで撮影後、1600pxでトリミングしたので、写角としては70mm相当。左の輝星はベガ。
イリジウム8は1等星程度。見慣れたそれと比べ、やや急な増光/減光。スケジュール的に撮れなかった10分後のIridium96は、-5等の予報。一気にまばゆく輝く様は見応えがあった。
一方で、5時前に見えたIridium95は真南の低空。こちらは、かなりゆっくり時間をかけた増減光だった。いま時分の明け方は、急な北西低空と緩い南低空がよく見られる。
フレアを起こす人工衛星としては、SKYMEDがある。
これはイタリアの地上観測衛星で、4機飛んでいる。平板なSARアンテナを持っており、それが反射するらしい。
あまり有名ではないようで、Heavens-aboveにも予報はない。また普段はさほど明るくないため、「明るい衛星の日毎の予測」に出ないこともある。衛星番号を指定してパスを確認したほうが確実。(SKYMED 1/SKYMED 2/SKYMED 3/SKYMED 4)
実際に何度か眺めていると、仰角が75°を超えるようなパスでは、もれなくフレアが発生する模様。南行でも北行でも、天頂より南で見られる。ゆっくり増光し、好条件では-2等クラスになり、またゆっくり消えていく。
地球を向いた平面鏡と太陽との位置関係なので、夏場はもっと高いところで見えるのではないかと想像するが、幾何学脳がないので自信はない。
写真は、2016/12/23 17:52:20ごろからと、2016/12/27 17:52:15ごろから。ともに、28mmF1.8、ISO80、125秒露出。
写角右下あたりが、秋の四辺形。右上に向かって、アンドロメダが横たわる構図。少々、薄雲がかかっている。
冬といえば、オリオン座。M42に馬頭星雲にバーナードループに……
そんなこんなを検索していると、ちょうどM42付近は静止衛星の通り道になっている、という情報を得た。大写しのM42に、横筋が入っている写真は見たことがある。あの横筋が静止衛星らしい。
YouTubeには、M42あたりを横切る静止衛星御一行様映像が公開されている。
静止衛星はそう見えるから静止というのであって、つまりガイドをする必要がない。ならば固定撮影でやっつけてみよう、と撮ったのが左のもの。
撮影は2016/12/31 22:20:30ごろから。112mmF2.5、ISO80、125秒露出。
流れた星々の中に、点々と静止衛星が写っている。12Mを1600pxに、1/2.5まで縮小しているので少々見づらいが、PNGで上げているので確認はできる。
撮像素子のノイズらしきものもあり、衛星位置予報が無いと判別が難しいものもある。
RAW画像を適当に処理し、縮小と衛星名の書き込みを行った。衛星名については、SatelliteTrackerを参照した。
ちなみに、MTSAT-2は「ひまわり7号」、WINDSは「きずな」、SUPERBIRD 7は「スーパーバードC2」のこと。
上記でもさんざん使っているが、EX-10でISO80で撮ってみた。
あまりの低感度値なので以前のレビューでは触れなかったが、これが思いの外写ってくれる。定量的には表せないが、ISO400のフィルムより何倍も写りがいい。
相反則不軌が無いおかげだろうか。夜空に向けて、F1.8で250秒(最長値)を試そうとしたところ、「露出オーバー」と表示される始末。補正表の例を見ると、フィルムの写らなさの感覚に合っている気もする。
112mmF2.5開放。ISO80で200秒。4枚撮り、平均コンポジット。各々、総露出は13分20秒。ともかく星雲を浮き上がらせるために、レベル補正と階調補正で目いっぱい派手な化粧を施した。その後、1600pxに縮小しJPEG化した。作業はすべてYimg。
感度は悪くないが赤は写らない。星雲が見えるまで補正を掛けると、レンズ由来と思われる画面いっぱいの大きさの光の輪が見えてくる。シャープでないし、周辺減光もきつい。低空のカブリは、正月なのでまぁ仕方ない。
見せられる写真にはならないが、バラ星雲、モンキー星雲、馬頭星雲あたりの存在は確認できた。幾度も跳ね返されたバーナードループは、このカメラでも写らなかった。逆に、彗星など青系の物体なら、それなりにイケるかもしれない。
ちなみに、ダーク引きはしっかり行われる。13分20秒撮ったら、ダークフレームも13分20秒。1時間に2枚分撮るのがやっと。何もできない半分の時間がもったいない。
電池の持ちも厳しい。撮り続けると3.5hで電池切れ。半夜もたない。動作電源は必ず内蔵電池からなので、外部電源をつないでの撮影はできない。撮影を休み休み充電を挟むか、替えの電池を用意するかしかない。
通常は500枚前後撮れるので、特殊な撮影方法を使わなければ一日持つのだが。
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