「3000 FRTA」氏の耐熱実験映像
「High Temperature Heat Resistant Polyimide Kapton Tape」のような単語が羅列された商品。15mm幅、33m巻きで1ドル台後半。
本家カプトン(Kapton、東レ・デュポン社製)などなら一桁高いので偽物ではあろう。偽物なりに根性見せてくれるなら掘り出しもんだが。
さて中国から届いたブツは、それっぽい褐色透明のテープ。ただし銘はKoptan-。聞いた話では、Kaptanというのもあるらしい。
さっそく試してみたが、根性はなかった。この動画とまったく同じで、コテで融ける。Koptanは耐熱性のまったく無いニセモノだった。
一般にカプトン、ポリイミドと呼ばれるものは、熱可塑性を持たないという。つまり、加熱しても融けることはない。限界温度を超えると炭化する。カプトンの説明には、融点はなく800℃以上で分解、などとある(参考PDF)。
届いたブツは、融けたハンダ滴で萎縮し、コテ先で容易に融け、また糸を引く。KaptonのはずがKoptanとあった時点でダメなわけだが、融けるようなら所謂ポリイミドですら無い。このニセモノは、かつてaitendoでも売られていたと聞く。
eBayでは現在も売られている。今回は裏が取れるまで時間を要してしまったが、いま購入したならopen caseは必至。
ちなみにポリイミドは、フレキ基板や人工衛星が纏う金箔(サーマルブランケット、MLI)、IKAROSのセイルなどにも使われている。
時は過ぎてつい先日。モノタロウからクーポンが来た。週末値引きもあったので、「絶縁耐熱ポリイミドテープ(モノタロウ)」というものを購入してみた。
10mm幅、33mで税別999円。メーター単価30円。冒頭映像にある寺岡製作所製も比較的安価だが、その半分以下。
なおモノタロウでは、個人向けサイトはIHCと区別しているが、個人事業主でも事業者向けサイトは使うことができる。
届いたものを見て愕然。でっかく「MADE IN CHINA」。嫌な予感……
試してみると、ブツは本物だった。疑ってごめんなさい。モノタロウのポリイミドは本物です。
2枚目の写真、MonotaRO側のテープがえらく汚れているが、これはKoptanの融けた残滓がへばりついたもの。MonotaROのテープはまったく融けない。コテをずっと当てていても何ともない。
中華パチもんの数倍の価格ではあるが、本家よりはずっと安い。
色合いはほとんど変わらない。ニセモノはやや赤味がかり、本物はやや黄色っぽいが、並べて判る程度の差。
身近なテープの中では、セロテープ(セロハンテープ)も一時的な絶縁耐熱テープとして使うことができる。材質としてはセルロースなので、加熱で融けることはない。
溶融ハンダを垂らすと、多少は変形するも耐える。テープ上でハンダを融かしなおしても耐える。ハンダ滴をコテで加熱し続け、30秒ぐらい続けるとやがて焦げる。
下側のテープはKoptan。こちらは3秒と持たないで穴が開く。画像はその結果。
セロハンテープは接着剤がゴム系らしく、加熱すると融けてくるのが少し残念。
参考:
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