ここ数日はひと月遡ったような清々しさ。昼間はそれなりに気温は上がるが、朝夕は一枚羽織りたい。
エビガライチゴ(Rubus phoenicolasius)
15日ごろから開花、先月末に最後の花が咲き終わった。中央に橙色の雌蕊、周囲に花粉を吹いている雄蕊、真っ白な花弁、真っ赤な毛を纏った萼を持つ。初めは花弁はほとんど閉じており、その後やや開いて雄蕊は花粉を出す。授粉後は萼を再び閉じ、熟すのを待つ。アップの写真の蕾状のものは、すべて授粉したもの。
かなりたくさん咲き、ほとんど授粉したよう。細かい白いゴミのようなものは、近くのクワから飛んできた、クワキジラミの蝋物質。
シュートも順調に成長。1mを超えた。3出複葉が基本だが、ナワシロイチゴなどと同様に、元気のいいときは5出(2対)羽状複葉も見られる。
カジイチゴ(R. trifidus)
早いものは先月上旬から熟し始めた。花期は長く、ようやく終わったところ。花と実が同居する。ヒヨドリが常に狙っているため、ネット等で保護しておかないと収穫は望めない。
新芽の先端には、あいかわらず毛虫が巣食う。展開前の新芽を糸で綴り、黄色っぽい毛の少ない毛虫が内部を食い尽くす。一見正常に見える芽も、いつまでも展開せずやがて膨れてきてそれと判る。テデトールで対応していたが、いちいち開いて処理するのは骨が折れる。浸透性を謳った園芸用殺虫剤をかけておくと、手で開かずとも内部に届き、あとは自力で葉を展開してくれる。
いままでひとつも成功しなかったカジ×ナワシロ。花粉がちょうどいい場所に落ち着くように、セロハンテープで仮止めする方法を採ってみた。とりあえずは授粉した模様。今月半ばには熟しそう。
同様にナワシロ×カジも行ったが、こちらは全滅だった。
クサイチゴ(R. hirsutus)
特筆することなし。
クマイチゴ(R. crataegifolius)
27日熟す。施肥したおかげか、去年のように熟す前に終わることもない。
1mまではいかないものの、シュートはかなり元気がいい。鉢底から一部逃げた。
コジキイチゴ(R. sumatranus)
小苗のため諦めていたが、18日、開花を見つけた。若実もあったところから、上旬には咲いていたよう。シュートも60cmほどまで成長。
鉢の主たるバラは圧倒的に劣勢に。
ナワシロイチゴ(R. parvifolius)
先月5日頃から咲き始め、現在は花は終わっている。大量に咲くも、授粉率は低いよう。授粉し萼がつぼんだものはこの程度。
ナワシロ×カジがうまくいかないのは、このあたりの問題もありそう。
ニガイチゴ(R. microphyllus)
月末あたりから熟し始めた。30日撮影。
バライチゴ(R. illecebrosus)
27日、諦めていたが、シュートの先端に蕾が出、開花した。おそらく瀕死の前年枝が結果母枝となり、地際にあった冬芽から出たもの。
うつむき加減に蕾をもたげ、朝からゆっくり開き始め、翌朝あたりで全開に。直径5cmほど。クサイチゴ風だが、毛がなく雄蕊が多く、やや雰囲気を異にする。前年の虫害の影響で、樹高はヒメバライチゴよりも小さいぐらいだが、花の様子は明らかに違う。
ヒメバライチゴ(R. minusculus)
21日撮影。
葉が異なる以外はクサイチゴによく似る。無事に赤く熟した。やや粒が少ないか。
フユイチゴ(R. buergeri)
どのどん伸びている。それ以外は特筆することはなし。
モミジイチゴ(R. palmatus)
開花時の天候の具合か、今年はやや歯抜けが多い。順調に熟していき、終盤にさしかかっている。シュートも1mほどにまで成長した。21日撮影。
雑種:カジコジキ(R. trifidus × R.sumatranus ※※)
成長は悪い。30cmほど。虫害に遭ったため殺虫剤を散布。特徴はコジキカジと変わりない。
雑種:コジキカジ(R. sumatranus × R.trifidus ※※)
シュートが70~80cmほどになった。葉も大きい。6月1日撮影。
コジキイチゴのような羽状複葉ではなく、3出複葉で、頂葉が3裂、側葉が2裂になる。幹はコジキイチゴの毛の少ないバージョン、といった感じ。
雑種:カジモミジ(R. trifidus × R.palmatus ※※)
シュートが1m近くに成長。少し虫に食われた。
3号株だけは相変わらずコンパクト。
雑種:トヨラクサイチゴ(R. × toyorensis)
15日、熟した。激しく歯抜けなのは相変わらず。
施肥したおかげで、7出複葉の片鱗が見える葉も出てきた。頂葉より側葉が割れやすい。基本形は3出掌状複葉にも見えるが3出羽状複葉。カジイチゴより毛が多め。
実生も同様だが、棘が散見される。
実生は、羽状が強く出るもの、小葉の丸いものなど、やや変化が出る。
雑種:ヒメカジイチゴ(R. × medius)
大量に開花、結実。熟したものから萼が開く。先月半ば頃から熟し始めた。
ブラックベリー・エバーグリーン(R. laciniatus ※)
ほとんど動きがなかったエバーグリーンも、5月に入ると急激に活動を開始。いつの間にか咲き実っていた。
ブラックベリー・ソーンフリー(R. fruticosus ※)
ブラックベリー系は総じて遅い。エバーグリーン同様、5月になってから急激に成長。
ボイセンベリー(R. ursinus × R.idaeus ※)
蕾のまま果ててしまったものも多いが、実ったものは順調に育っている。
シュートは1mを超えてきた。匍匐気味で脱走を試みたため、知らずに踏んでしまったものもある。
ラズベリー・インディアンサマー(R. idaeus ※)
今春の花はなし。秋果に期待。
ラズベリー・ファールゴールド(R. idaeus ※)
インディアンサマーに同様。
植え替えたことで、例年夏に皮が剥ける被害が改善されればよいが……
学名出典:
無印……YList
※……Wikipedia キイチゴ属
※※……文献無し
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