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「旅レコ」内容物一式
登山道は、地図にないことも多い。山道では、地形が似ていて特定が難しいことがある。GPS携帯にすれば一石二鳥!? と入手してみれば、携帯エリアでないと使えない罠仕様(ドコモ)。

漠然と欲しいとは思っていたものの、特殊で高価なイメージのGPS機器。ふとネットで目にすると、意外とそうでもなかった。余計な機能はいらないので、データを記録することに絞った、安めのGPSロガーを選んでみた。
購入したのは、I-O DATAGPSLOG、通称「旅レコ」

スペックは、32チャンネル同時追跡、受信感度-159dBm、更新速度1秒、記録件数104728件……等々とある。難しいことは解らないが、とりあえず最速1秒でログしても、1日を越えて記録できるよう。ちなみに電池の持ちは、10時間程度が目安という。
動作確認用電池として、ソニーの「スタミナプラス」が添付されていた。9時間、12kポイントほどロギングしたが、まだもっている。
9/18追記:
内訳はざっと、5秒間隔記録で往路車中3時間、山道3時間半、1秒間隔記録で復路車中2時間半。
後日、1秒間隔で車中ロギング追加。4時間経ったところで電池切れマークが点滅したのに気づき、その2時間後に電源が切れた。切れる間際には、記録が秒単位、分単位で飛び、特に高度データが怪しくなる。
13時間+α持ったので、電池4本を持って山に入れば、5秒間隔記録で4泊5日ぐらいはできそうな感じ。

HOLUX系(旅レコ)
メーカサイト
HOLUX(本家版)
メーカサイト
GPSは、複数のGPS衛星の微弱な電波を捕捉し、送られてくる「軌道情報」と「時間」から位置を確定する。GPSロガーは、その測位の結果を設定された単位で記録していく。表示機能などを省いた安い商品も出回っており、3000円あたりからある。
いくつか系統があり、この3社が主なところのよう。ちなみにいずれも台湾の会社。

デザインや値段も重要だが、人里離れた地へ出向くので、途中で止まってしまっては困る。内蔵バッテリでなく、単3乾電池で動作するという点は大きい。ちなみにデジカメのCaplioR2も乾電池で動く。
またその系統の中でも、さほど価格差なくI-O DATAのサポートが受けられる、というところもポイント。


早速、電源を入れてみる。木造トタン葺きPCの傍では、衛星はつかまらないらしい。窓際に置くと、数分で補足できた。時計が自動的に合わせられる。
9月9日。動作確認を兼ねて、2年半ぶりに常光寺山へ行ってみた。車中は助手席に、歩きではリュックに吊るしている。


常光寺山を南から望む
記録方式の初期設定は、「距離(100m)」単位になっている。最短設定は50mで、街中で道順を追うならともかく、行程をリアルに再現するには無理がある。「時間(5秒)」単位での記録に変更する。車で移動するときには、1秒(時速60kmなら17m)の方がよさそう。この設定は、ロギング中に切り替えることもできる。

ログデータは、PCに取り込み、サポートソフトで見ることができる。Googleマップに重ねて表示され、ルートが確認できる。写真を取り込むと、撮影日時からログデータと突き合わせてくれる。このために、出発前にはカメラの時計を正確に合わせておく。

サポートソフトは「旅レコプレイヤー」という。CDなどは付属しないので、I-O DATAのサイトからダウンロードする。取説に従えば、戸惑うことはない。

起動すると、最初だけプロダクトキーの入力を促される。
旅レコをUSB接続し、電源を入れ、旅レコプレイヤーでデータを読み込む。PCに保存しておけば、いつでも呼び出せる。1.4MB、12kポイント弱のログデータを表示するのに、30秒ほどかかる。

空の開けたところでは、ほぼ道路をトレースできている。山間に入ると精度は落ちる。トンネルではデータが飛ぶ。
スーパー林道上では、最大で40m程度のズレ。ただし、往路復路でのズレは少ないこともあり、地図の方がずれているのかもしれない。
登山道では、往復での差がおおむね数m、最大10m台中盤。帽子が要らない程度に木々は茂っているものの、尾根道が多いので精度が保たれるのかもしれない。
標高は10m程度はずれるが、GPS携帯に比べれば雲泥の差。

旅レコプレーヤーの初期設定では、写真のグループ化が120分、50mとなっている。これでは往路復路の別や、尾根をはさんだ反対側の景色なども、ひとまとめにされかねない。小休止の時間と歩き回る範囲およびGPSの誤差を考えて、30分、10mに設定しなおしておく。[ツール]-[オプション]-[写真]囲いの中で設定できる。
適当でない設定で写真を取り込んでしまった場合、再設定はできるが自動で再グループ化はしてくれない。適用ボタンもない。このときは、写真を一枚削除(旅レコ上で)して、ふたたび写真の入ったフォルダ指定をする。抜けを見つけると読み込み、再グループ化がなされる。


旅レコプレーヤーの地図表示
(GoogleMaps)

GPXファイル経由でカシミール3Dに
(国土地理院25000分の1)

旅レコプレイヤーのグラフ表示
標高(青線) 速度(緑線)
横軸:距離(上)/時間(下)
旅レコプレイヤーでは、Googleマップと重ねて表示される。写真を取り込むと、グループ化して、撮影場所にカメラアイコンが貼り付けられる。
掲載画像は、表示範囲が上手くなかったので、MSPAINTで2画面合成し、さらに行程でのポイントなどを書き足してある。

旅レコプレイヤーでGPX形式で出力し、それをカシミール3Dで読み込むと、国土地理院の地図に合成できる。生データのためか、細かくぶれているが、Googleマップより詳細な地図で行程を確認できる。

そのほか、Google Earth用のKMZ形式や、汎用性の高いCSV形式など、さまざまなフォーマットでの出力もできる。

旅レコプレイヤーでは、標高などのグラフ化もできる。
速度が極端に違うので、車移動か徒歩かの判別は容易。横軸を「時間」に取れば、半分ぐらい歩いていたことが判る。「距離」に取れば、歩いた距離がいかに少ないかが判る。

常光寺山は、登山口が1120m、アップダウンを繰り返して1420mまで登り、最後に90m下ってから1440m(1438.5)の山頂を目指す。グラフでも、往復で3つのコブがはっきり判る。
標高のわりにはキツめ。案内板には1時間半の表示があるが、ほぼ妥当なところ。


頂上から北の眺望

頂上から南の眺望

常光寺山北面大崩箇所より
1377の白い部分が野鳥の森崩落現場

野鳥の森崩落現場
常光寺山山頂は、南と北東に眺望がある。途中のピークなどでも、ほぼ同じ。空気は澄んでいたが、高いところは雲がかかって、遠くは見通せなかった。

野鳥の森の崩落地は、工事が終わった模様。麻布山登山口までは、車で行けるようになった。
現場は、金網の土留めでもたせ、半分以上が新しいアスファルトに替わっている。法面は、法枠で保護した上にモルタル吹きつけ。見上げても見下ろしても、迫力がある。常光寺山から眺めると、山の半分ぐらいから崩れたのが判る。

さらに北の崩落現場は見ることができなかった。山頂からの写真でも、ちょうど影になっている。とりあえず、25年1月17日まで、と立て看板には書いてあった。

なお、写真合成には、MS-ICE 1.4.4.0を使った。




2021/6/6追記。

エネループを使い電池切れは放置、を繰り返していたところ、ついに壊れてしまったらしい。新しい電池を入れても「表示頻度が4倍速になって文字が化ける」ような有様。もっとも、それが原因かどうかは判らないが。
スーパーパール富士の帰路に発症。液晶表示は消えるもバックライトがほんのり一定間隔で点灯。それを見て以降、復活せず。
それ以前に17年ごろには記録が飛ぶことが頻発しており、鳶ノ巣山のログも奇跡的にきれいに取れたもの。寿命でもあったのだろう。

そんなロガーの生みの親、HOLUXが19年に倒産していたらしい。アマゾンの商品レビューに投稿があった。
なんちゃってGPSのケータイとは違い、スマホはちゃんとしたGPS受信ができる。そのあおりで、GPSロガーというマーケットがなくなったのだろう。パソコンに取り込んで云々するまでもなく、無料アプリとGoogle系のサービスとを組み合わせれば、スマホ1台で何でもできてしまう時代……

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