今年は施肥量を倍増したためか、成長著しく、蕾の数も多い。姿が寸詰まりに見えるのは、この株の性格なのだろうか。
一方のファールゴールドは、徒長気味な伸び方で対照的。いまは蕾は塊がほぐれてきたところ。数はこちらも多い。
フユイチゴ(R. buergeri)はまだ咲いている。受粉後つぼんだものと蕾とが同居している状態。
見分けは簡単ではないが、枯れた蕊の残りが見えたり、額がやや褐色がかっていたり、托葉が枯れていたり、閉じ方が甘かったり、全体にふっくらだったり……など微妙な違いを総合的に見る。
オオフユイチゴ(R. pseudosieboldii)は結実せず、ミヤマフユイチゴ(R. hakonensis)は数個残った。後者にはまだ蕾もある。
コジキイチゴ(R. sumatranus)の挿し木は、また実りだした。
盆に咲いた奇形花は受粉しなかったが、そこにその後4花ほど咲く。現在、青い実が着いている。水挿し後挿し木、および頂部挿し木の株は、着いていた蕾は実らせたものの、結局枯死した。
同じ頃、ミヤマニガイチゴ(R. subcrataegifolius)も数花咲いていた。こちらはすべて、結実を見なかった。
ハスノハイチゴ(R. peltatus)は傷みが進む。
今春出た大きな葉は、あらかた枯れてしまった。恵那1000mの林縁から、酷暑浜松の平地の直射では、無理があったかもしれない。ただ、幹はしっかりし、脇芽も伸び始めている。遮光してやれば問題ないだろうが、できれば保護なしでも育ってもらいたい。今夏を越すことで、暑さに慣れてくれればよいのだが。
冬芽の準備も進む。
モミジイチゴ(R. palmatus)やニガイチゴ(R. microphyllus)の系統は、冬芽が赤くてよく目立つ。
雑種のカジモミジ(R. trifidus × R. palmatus ※※)、ヒメカジイチゴ(R. × medius)などにも小さな赤い砲弾が見え始めている。
雑種播種の類。
カジナワシロ(R. trifidus × R. parvifolius ※※)は結局枯れてしまった。
8月20日に、葉に斑点が見えたと思ったら翌日には全体が褐変。そのまま息を引き取った。まったく成長せず、そしてあっという間の幕引きだった。
他のものは、それなりに育っている。コジキカジ(R. sumatranus × R. trifidus ※※)F2は、相変わらずコジキイチゴ(R. sumatranus)そのまま。
トヨラクサイチゴ(R. × toyorensis)F3は、虫食いか何かでややペースダウンした感。
カジモミジ(小葉)F2は元気。
いずれも再来年の夏には結実にこぎつけそう。
学名出典:
無印……YList
※……Wikipedia キイチゴ属
※※……文献無し
4 件のコメント:
K-ichiさん
はじめまして。私もキイチゴに興味があり、ハスノハイチゴを探していてこのページにたどり着きました。突然で失礼ですが、ハスノハイチゴの苗を譲っていただく(販売)ことは可能でしょうか?私は、黒キイチゴにも興味があり、クロイチゴ、Rubus leucodermis、R.niveus、R.ludwigiiの実生苗(小苗)を育てていますのでご興味があればそれら4つとの交換などいかがでしょうか?お返事お待ちしております。ヒロ
不要な脇芽はあらかた切ってしまったので、分けるとしても地下茎だけになってしまうかもしれません。それでもよければ差し上げます。
個人情報は公開しないので、気が向いたらここに書いてください。
トレード候補は、各大陸選抜選手みたいですね。管理しきれないと思うので、こちらは遠慮しておきます。
> K-ichiさん
> 早速、コメントいただきありがとうございます。地下茎だけでもかまいませんので、ぜひお願いします。
追って連絡します。
2013 年1月25日のヒロさんへ
Rubus leucodermis, R. niveus, R. ludwigiiを栽培しておられるとか。それぞれ、北米、アジア、南アフリカと産地が違いますし、現地では雑木みたにな植物だと思いますが。共通点はトゲが多く、茎が白っぽい点と裏面が白色である点でしょうか。普通キイチゴ属に興味を持たれる人は、花が綺麗だとか、葉や茎が綺麗だとか、果実が大きくおいしいとかの理由だと思いますが。かわいいので山草家がまれに R. arcticusを栽培していますが。
黒い実に関心があるとか。日本ではクロイチゴとクワノハイチゴが黒熟です。セイヨウヤブイチゴ、イシカリキイチゴ、キレハクロミイチゴをはじめ何種類かのブラックベリーが帰化していますので、その内には手に入るものと思います。Rubus very berryより
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