ロウバイは盛りを過ぎ、キンシタマゴノキことマンサクが咲き始めている。
鼻もそろそろ反応してきた。月末頃から微妙な雰囲気に。スギ花粉はだいたい2月初旬のイメージだが、昨年は下旬、'09には1月半ばと、ばらつきはある。
キイチゴ類はまだ冬の景色。なかにはウォームアップを始めた者もいる。
カジイチゴ(Rubus trifidus)は、一部葉を残しつつ冬芽がほころんできた。
カジイチゴ、コジキイチゴ(R. sumatranus)、クサイチゴ(R. hirsutus)といったあたりは、落葉樹といいつつもギリギリまで葉を残したがる。
これらを親に持つ、トヨラクサイチゴ(R. × toyorensis)(カジ×クサ)やその実生、カジコジキ(R. trifidus × R. sumatranus ※※)(カジ×コジキ)らも似たような性格。ただ、片親がカジイチゴでも、ヒメカジイチゴ(R. × medius)(カジ×ニガ)にはすでに葉が無く、カジモミジ(R. trifidus × R. palmatus ※※)(カジ×モミジ)では、ごくわずかに残るのみ。いずれも冬芽はまだ固い。
冬芽が固いのは、もう片親のモミジイチゴ(R. palmatus)やニガイチゴ(R. microphyllus)の影響と思われる。クマイチゴ(R. crataegifolius)、エビガライチゴ(R. phoenicolasius)、クロイチゴ(R. mesogaeus)等々、ほとんどのキイチゴはまだ固い。
この冬には、ブラックベリーが咲いた。
エバーグリーン(R. laciniatus ※)の方は、熟す前に枯れてきた。一方でソーンフリー(R. fruticosus ※)は、結実は無いものの、まだ蕾が生きている。この分だと春まで持つかもしれない。
いずれも葉を残している。ブラックベリーは寒さに弱いと聞くが、にわかに信じ難い。春の目覚めは遅めなので、単に「低血圧」なのかも。
バライチゴ(R. illecebrosus)は、やはり地上部がほとんど枯れてしまう。地際に赤らんだ幹がわずかに残り、埋もれた部分だけ緑を保っている。他のキイチゴのような、「昨年枝上に作る冬芽」というものは無いのかもしれない。
ヒメバライチゴ(R. minusculus)は、ある程度葉を残す。性格的にはクサイチゴらに近いのかもしれない。冬の姿はバライチゴとはまったく異なる。生育域も、あちらは1000m級なのに対し、こちらは里山に生える。
一部には虫害も見られた。
虫害について、「キイチゴ」や「ラズベリー」などで調べても、なかなか見つけられない。似たような図体で同じ科なら害虫もかぶりそうなので、「バラ」の害虫ということで検索してみる。
ボイセンベリー(R. ursinus × R. idaeus ※)は、芯が食われている模様。
昨年、終わった結果枝を剪定したところ、芯が食われてチクワ状になっていた。写真右の枯れた筒状がそれ。その隣の昨年枝には瘤ができている。地際で齧られて、その直上にカルスの塊ができたように見える。瘤自体は固い。今年も中に住人がいるのかもしれない。
芯を食う虫としては、キオビヒメハナバチ、バラクキバチ、ムナブトヒメスカシバなどがあるという。いずれも、害虫としての決め手となる情報が無い。総合するとスカシバかな、という気はする。
ちなみに、小さな白い点々はカイガラムシ。キイチゴにもバラにも発生している。普段はさほど気にならないが、調子を落とした株では多く発生するように感じられる。
白くないタイプもいて、幹肌がボコボコしたように見えるだけの、判別しづらいものもある。木切れなどで擦ると剥がれるので確認できる。このタイプは、根元にアリが巣を作っていることが多い。共生関係のようなものがあるのかもしれない。
カジモミジとエビガライチゴでは、幹が縦に裂けたものが見られた。
バラで幹が裂けるというと、チュウレンジハバチの産卵が挙げられる。バラにもキイチゴにも、産卵親が止まっているのは何度も確認した。ただキイチゴの傷は10cmと大きく、しかもおがくずで埋まっている。ネット情報によると、クダマキモドキの産卵跡らしい。確かこのバッタは、バラの蕾も食害していたはず。丸々太った蕾が、一夜にしてさっくり食われてしまう。
なお、カジモミジの傷のおがくずは、少しほじってある。
学名出典:
無印……YList
※……Wikipedia キイチゴ属
※※……文献無し
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