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9日、若田さんがISS(International Space Station)の船長(コマンダー)になった
スペースシャトルのラストフライトやHTVのランデブーなど、きっかけはいくらもあったが、今回はじめて観望してみた。

ISSは、90分で地球を一周する。日の出日の入りに近い夜間に、日本近隣上空を通過するときに見られる。まれに、太陽や月の前を通ってシルエットが見ることもあるが、わずか1秒とのこと。

先月5日。JAXAの「きぼう」を見ようページによれば、ISSは南西から天頂付近まで昇ってくるという。
午後7時ごろ。日没1時間20分後。寒空を眺めていると、暗い光点がゆっくり移動しているのが判った。よくある人工衛星のそれ。
そんなもんかと思っていると、徐々に速度を増し、高度も光度も増してくる。最大で-2~-3等星、飛行機程度の速度で移動し、天頂近くに達したところで「すぅ~っ」と消えていった。

これは見れる
古いコンデジ(Caplio R2)での撮影に挑戦してみた。


JAXAの件のページの、国際宇宙ステーションというリンクから、より詳細な予報が得られる。
船長就任後の観望好機は12日午前5時。最大仰角は38°と低いが、28mmあたりで撮れば、地上風景とともにいい感じで収まりそう。ちなみに28mmの画角の短辺は約46°

早朝ウォーキングの人々が、様子をうかがっていく中での挑戦。直前まで2等星がいくつか見えていたが、当該時刻にはほとんど曇られた。肉眼では、ISSのぼやけた光跡は確認できた。


翌日は一日中雨。翌々日は、ISSの位置予報はよかったが雲が残った。
翌15日午前4時。日の出2時間前。この日は40°から流れ落ちる予報。カシミール3Dなどで構図を考えておく。

カメラの設定は、ISO400、ピント∞、露出8秒(最大値)、35mm相当(f=5.6mm、F3.6開放)、15秒インターバルとする。
ISOは800まで設定できるが、くっきりと背景が荒れる。400でもかなりザワつくが、後処理を考えてこちらにした。インターバルは、速度感を表すために正確な撮影間隔とする。以前の撮影で、8秒露出10秒間隔では間にあわなかった。

東北東の空には、夏の大三角が昇る。ISSは、見える予定の4:09:30になっても現れない。
4:10過ぎ、こと座の右下から出現。0等級まで増光し、はくちょう座を横切って、暗くなりつつゆっくりと低空へ消えていった。後で予報ページを確認すると、出現時間が1分遅れ、仰角が1°下方に修正されていた。
ISSとの距離は、一番明るいときで600km強、とのこと。

カメラの液晶でプレビューすると、なんとか光跡は確認できた。


帰宅後、合成をする。
比較明合成のツールは、ググってみるとSiriusCompが圧倒している。他に、PhotoShopや、KikuchiMgic(旧Lighten Composit)、ステライメージなども挙がる。一番簡単そうな、KikuchiMagic(2.0.3、64bit版)を使ってみた。

インストールにネット接続が要るなど、単品ツールっぽくないところもあったが、使い方は簡単。ソースフォルダと出力ファイルを指定するだけ。16枚の合成をしたが、一瞬で終わった。
このほかに、平均化コンポジットで利用しているYIMGでも合成してみた。「最大」設定によるコンポジットが比較明合成にあたり、KikuchiMagicと同じ結果が得られる。ただしこのツールは、メモリ容量に制限があり、また4画像ずつしか処理できない。

さすがに合成しただけでは暗すぎるので、すべての画像に補正を施した。処理の最後に、BTJ32によってガンマ補正(2.20→1.00)を行った。


写真上部右よりに、左下にデネブを擁するはくちょう座。写野右上にはみ出ていくのが、こと座γ星。下部の山並みに見える2つの光点は、浜松風力発電所の3号機(右)と4号機。撮影場所は、オレンジロードで以前風車を撮ったあたり。航空障害灯は、3~7号機についている。
確認できる最微恒星は、5等星程度。1枚画像では、ノイズに埋もれて3等星がせいぜい。ちなみに、ISO800でも6等星が限界
画面左下あたりに薄く見られるピンク色は、カメラ自身の熱かぶりノイズ。特に対策は講じていない。


ソース画像の1枚(4:11:23ごろ)

KikuchiMagicで比較明合成

YIMGで「平均」コンポジット

風車のあたりを拡大(135mm相当)

1枚画像では、ノイズに埋もれて微恒星がよく分からない。
なお、右下に見える横線は、流星痕と思われる。流星本体は、露光の合間(4:11:18~4:11:23ごろ)に、左から右へやや上昇気味に流れた。約0等級。

比較明合成は、それなりに見られる結果が得られた。
平均化でないので背景が荒れるかと思ったが、1枚画像と比べると十分に滑らかになっている。
はくちょう座を横切り、速度と光度を落としながら三岳山へ下っていく様子がわかる。
見え始めは、4:10:23撮影分。光跡が8秒、写ってない期間が7秒。

平均化コンポジットは、さすがに滑らか。
ただし、BTJ32に移す段階で8bit階調に落ちるため、背景の明るさが階段状に見える。YIMG内でガンマ補正すれば、階段はなくなるが斑模様は残る。
平均化してしまうため、1枚だけに写ってる内容は薄まってしまう。ISSの光跡は弱く、流星痕はほとんど見えない。

いずれにしても、バックグラウンドの荒れが目立ち、感度も一様でなく、擬色も多く感じる。

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