麻布山は、水窪ダム側からも登れるという。2001年、2007年のレポートがある。途中まで別尾根を行く2007年の記事もある。
山頂手前から、1153を経由する北西への尾根がそれ。野鳥の森からのルートの廃屋脇に出るらしい。
標高差は竜頭山と同程度の1200m弱。距離は短め。
ダム上流、戸中川にかかる「とちうばし」から麻布山へ登り、越えて野鳥の森へ下る。そこへデポしておいた自転車で、スーパー林道(野鳥の森線)をのんびりダムまで戻る、という算段。4日、出かけてきた。
この野鳥の森線。とっくに直っていい頃なのに、いまだ「当分の間」通行止めという(浜松市林道情報)。
崩壊直後の2011年秋の段階では、担げば自転車も通れそうだった。ただ、もし途中で通れないとなると、引き返した挙句に山住・水窪市街経由の30km大迂回になる。安全をみて予定変更。先に自転車で下ってから、麻布山を乗り越えてきて、車でダムへ戻ることにした。
そんなこんなを考えている頃、竜頭山では道迷い、黒法師岳・丸盆岳では遭難が起きていたらしい。
地図データはGoogleマップによる。×印が問題の現場。
野鳥の森側の麻布山登山口、通行止め看板には、今年の11月いっぱいまで通行止め、とある。やけに長い。
訝りつつ自転車で下ってみると案の定。例の大崩壊の手前で、吹付け法面が崩壊。道路が埋まっていた。アスファルトは助かっていそうだが、ガードレールとその基礎は落ちている。
積もった土砂は急斜面。一人分の踏み跡はある。その道の人には寝てても通れそうなレベルだが、歩が進まなかった。自転車はもちろん無理なので、自転車のせいにして、さっさと予定は諦める。
現場には、材木切り出しに使うワイヤなどが設置されている。写真左後方で折り返し、右後方崖上でさらに折り返し、崩壊地のてっぺんへつながる。
工事杭には、平成25年9月4日~5日発生、豪雨災害、延長L=74mなどとある。去年の9月22日の登山記事には、この崩壊地が写っていた。パノラマ3枚目、「天竜スーパー林道(野鳥の森線)」と記した左のあたり。そう思って見れば、崩れているのが判る。
当時の登山口には、この工事に関連する看板は無かった。なお、登山口看板にある「工事箇所」は間違っている。
翌日は雨の予報。薄雲、飛行機雲もある。その割には見通しはよかった。
なかなか見られない中央アルプスが見えた。午前の日射に白い尾根が輝いている。手前の山脈から浮き上がったようにも見える。
サクラは満開を越したあたり。キイチゴ類は、モミジイチゴが咲き、ニガイチゴはまだ蕾。庭先の3月下旬ぐらいに相当。
登山口のトイレ裏では、バライチゴが芽吹き始めていた。
登山はやめにして、ダム側の登山口を偵察に行く。
山住神社、水窪市街経由で、水窪ダムへ向かう。30kmは、やはり結構な距離。
ダム湖の水位はだいぶ低い。正面左手に、茶色い麻布山が見える。濃い緑の尾根がダム湖まで下る。その上にやや霞むのが、登山道のある尾根。右端の小高いあたりが祠。山頂から左手の稜線が、これから向かう登山道の尾根。
かなり見上げる形なので、シルエットのピークが実際のピークというわけではない。
ダムを渡り、湖の北西岸の舗装路を行くと、まもなく上下にY字に分かれる。真っ赤に錆びた案内板に、右手が戸中川林道とある。ここからはダート。
右手に、水窪ダム湖から戸中川河口に変わっていく流れを見る。河原がとても広く、この山奥で一級河川の河口を見ているよう。
しばらく行くと、コンクリ支柱の立派な吊橋がある。「とちうばし」とあり、これを渡って山道に入る。渡った先は、倒木だらけ。リボンがあるので、なんとなく道の見当は付きそう。
このルートのレポートでは、吊橋の入口に登山ノートなどが置いてある。現在は跡形もない。'07の時点で、「10年前に荒れていた道」ともある。それから7年。完全に捨てられた道なのかもしれない。
登山口は判ったので、林道を進んでみる。戸中川林道は、がっつり崩落して通行できないという。
吊橋を超えるとすぐに現場に着く。一部は山側岩壁際までしっかり落ちていて、それはわずかな距離ではあるが通れない。
このあたりでも河原は広い。少し上流に採石プラントが建っており、その土砂捨て場になっているよう。すべて砂利ながら、きれいに整地されている。サッカーでもできそうなぐらい広い。
その中に、崩壊林道を迂回するように道ができている。プラント用ダンプ道と思われるが、乗用車でも普通に走れる良い道。林道につながっているので、車でさらに奥へ行ける。
壊れた林道は、この埋め立て地から工事している。
採石プラントの原料は、さらに上流、戸中川橋の上流側らしい。
戸中川橋は川面からずいぶん低い。人の背丈分あるかどうかに見える。大水時には冠水するらしく、「戸中川橋冠水軽減の為の堆砂排除」などという理由で採っているよう。砂利は青く、野鳥の森線が埋まったときのそれと同質。
この橋のすぐ上流あたりに、白倉川(=水窪川)から水が引かれている。
ダムにも山にも川にも、このあたりにはフジアザミが雑草のごとく生えている。このデカいやつを、若芽のうちに一度試してみたいと思っていた。
軍手をはめるなど対策し、何度となく反撃に遭いつつも確保。素性を見るため調味せずに試食してみた。
生。
育った葉は間違いなく血を見るので、芯の中の縮こまった柔らかい部分を齧ってみる。
見た目のキツさとは裏腹に、渋み、エグ味、キク科にありがちな強い臭気など攻撃性はない。化学的ではなく、物理的な「鋸歯のトゲ化」という方法で身を守っているよう。
風味は普通に青臭い。草の葉をむしゃむしゃしている感じ。ただそれだけ。レタスのような肉厚感、歯ざわり、汁気、まるで無し。
茹。
葉裏や基部などの汚れを落とそうと水洗い。ここで何度となく痛い目に遭う。火を通せば消毒される、と自分に言い聞かせて、適当に切り上げる。
軸側1分、さらに全体を入れて2分。茹で上がるとすっかりしんなりした。濃い緑できれい。冷水に取り、絞る。痛い……。
タラの芽などは、火を通せば観念する。ところがこいつらは、まるで諦めない。生と同様、針状の鋸歯は硬いまま。
とりあえず味見をする。短い軸部分は中空ながら、そこそこしっかり。香りも「茹で上がりの野菜」風で悪くない。香りのせいか、ほんのり甘い気もする。だが、筋っぽい。噛んでいるとどんどん筋になり、旨みも感じない。
葉も試す。絞れないので水っぽく、針を避けつつで味も判らない。青臭さの抜けた草。それ以外に例えようがない。
炒。
改善が見込めず断念。
モリアザミなどと同様に、根は「山ごぼう」として食べることもあるらしい。ただ、地上部に関しては、やはり野に置けフジアザミ。
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