湖西連峰から鳶ノ巣山にかけての県境尾根を弓張山地と呼ぶらしいが、その中間付近。富幕山と新東名の間になる。
ネット上にはいくつもレポートがあるが、だいたい山道だけなので、各所へのアクセス路もざっとさらってみた。ただし静岡県側のみ。
「浅間山」は富士山信仰と関係があるらしく各地にある。愛知・静岡県境にも3つあるとされ、公的地図にも2つ記載されている。ひとつは三遠南信道にほど近い644mで、もうひとつが当記事の519m。
山歩きの人々は、519mを「上の浅間」、その南西の479mピークを「下の浅間」と呼びわける。地元民の話では、519mを「せんげんやま」と呼ぶが、上だの下だのは知らないとのこと。
以下の地図は、カシミールで最新地図とGPSデータを合成し、スクリーンキャプチャしたもの。
林道 浅間山線
林道 狩宿線
狩宿線終点
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林道 谷沢空山線
林道 浅間山線
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右下、狩宿高架橋とあるのは、新東名の引佐連絡路。平行する黄色い路は県道68号、陣座川に平行して陣座峠を越えるのが県道303号。地図下辺あたりは重複路線になる。
赤、青、緑、水色のラインは、GPSで拾ってきたデータ。
ダブったり道から逸れたりしている部分もあるが、これらはGPSロガーの誤差。赤は山道、水色は車道、青は広いが車では無理、緑は崖の縁、と色分けした。
紫の丸印は、以下に挙げる撮影箇所。青の丸印は、文章中に出てくるストリートビュー箇所。丸印にポイントすると、概要のポップアップが出る。
水色の道。
県道68号から浅間山方面へ向かうのが、林道浅間山線。起点には、「遠州いなさの郷 手延べめん」の小ぶりな看板がある(ストリートビュー)。途中から、林道谷沢空山線が分かれる。
浅間山線のヘアピン部で、青線の新設作業路、赤線の山道と合流している。林道はこの先行き止まり。
両林道は、ほぼすべてアスファルト舗装になっている。
※ 浅間山線、谷沢空山線について訂正。(2022/7/3)
県道303号から黒松峠登り口へ向かう道は、忠魂碑のところで北へ入る(ストリートビュー)。別ルートからも行ける(ストリートビュー)。登り口手前で二手に別れ(ストリートビュー)、左が狩宿林道起点、右手を50mほど登ると写真のステンレス板案内がある。
この道もほぼすべてアスファルト舗装。
そのほかの水色ラインは、林道狩宿線を含めて、コンクリ舗装とダートとの混在。たまに草が腹を撫で、泥を撥ねるところもある。道幅は人ともすれ違えないところがあり、コンクリ舗装端部の段差は10cmもある。空山の北西あたりが一番厳しい。
青い道は、枯れた林道若しくは作業道で、道幅はあるものの通常車両では無理な道。
両浅間山の静岡県側一帯は伐採が行われているようで、作業道が縦横無尽に走っている。この道は、最近作られた模様(後述)。
林道狩宿線に平行する青線は、廃道になりつつある林道。最奥部には転回スペースも設けられているが、現状では倒木等でそこまで行けない。
最奥部からも山道が伸びているようだが未確認。林道狩宿線側からは、山道らしき痕跡はある。ただし、多少の藪を掻き分ける覚悟が要る。
緑線は、採石場(遠州砕石)のてっぺん、削り取られた尾根の外縁を歩いたもの。県境を越え、地図上の「がけ」よりもだいぶ奥まで削られているのが判る。
陣座峠の取付き(ストリートビュー)から、まっすぐ登り切ってしまうとここに出る。このルートで、一番の見晴らし。晴れれば富士山も望めるはず。
赤い道、陣座峠から浅間山へ向かう山道に関しては、「陣座峠・黒松峠・浅間山」などで検索すれば情報はたくさんかかるので、要点、補足のみ記しておく。
陣座峠から尾根道への取り付きは、一般に上記のステンレス看板のある静岡県側としている。
ここから登ると、まもなく3段トラロープのフェンスに出会う。1スパン開けてありリボンもあるのでそのまま進むと、採石場のてっぺんへ出てしまう。本来のルートはこの尾根道だったのだろうが、いまや影も形もない。
このまま進んで本来のルートへ合流するには、削られた尾根をまっすぐ行き、先の藪を掻き分けてから、左へ少し下る必要がある。藪には、ムベやマタタビが生えている。
採石場を迂回するには、トラロープフェンス沿いに進む。ただ、採石場の「がけ」と県道とを、両脇に見ながらアップダウンするだけでつまらない。
県道を愛知県側まで進んで、適当なところ(ストリートビュー)から入って谷筋を登り、トラロープにたどり着くのが手間が省ける。林床にはたいした下草はない。
3段トラロープがやがて錆びた有刺鉄線に変わり、採石場を離れるとそれもなくなる。あとははっきりした山道。
鞍部には鉄塔がある。地図にはないが、東西にも山道が伸びている。送電線方向には見通しが利く。
登りきると、ミヤマシキミやヤマウグイスカグラなどが生える。下り始めると、アオキの茂みになる。数年前はクマイチゴ畑で、多利野方面が見下ろせた。さらに下ると、林道狩宿線の果てに着く。小広場付近はいつもじめじめしていて、足元にギンリョウソウ、高いところにイワガラミが茂っている。
狩宿線終点の北あたり、標高450mぐらいからササが出てくる。尾根のやや北側を道は進む。雑木の中にアカマツが目立つようになる。
少し下った鞍部に、小さな祠がある。地図では、南北に峠越えの道が描かれているが、笹薮で確認できない。
そこからひと登りで、474.4mの三角点がある。
しばらく下ると黒松峠に着く。黒松峠の尾根越えの道は明瞭。
林道狩宿線起点付近から、黒松峠へ上がる道もある。
上記「黒松峠登り口」がそれで、道から左へ誘うステンレス看板が設置してある。入ると、ヒイラギナンテンの茂みを通り、植林の中を通り、1本林道をまたぐ。道のような沢のようなモトクロスの轍のような、微妙なところもあるが、おおよその見当で登れる。尾根道が近くなって、ようやく山道らしい道になる。
黒松峠以東は防火帯らしく、車道並みの道幅になる。
いくつかアップダウンの後、愛知県側からの林道と合流する。地図には無い道。
林道と山道とに挟まれる林の中に、9段の鉄骨足場が組んである。樹に固定され、樹よりやや低いもののかなりの高さ。説明板も所有者名も何もない謎の櫓。
さらにいくつかアップダウンすると、鞍部に新設作業路がつながっている。
この道は、去年造成されたらしい。接続を南から撮った写真が公開されている。('13.12の写真、'14.12の写真)
そこからひと登りで、479mの下の浅間に着く。手製の看板類だけが賑やかい。
さらに進むと、三叉路に出会う。ひん曲げたステンレス看板が、右折を示している。
右折して下ると、途中で目指す浅間山(上の浅間)が見える。下り終わったあたりには、直進の他に北方に2本と、林道谷沢空山線に降りる道がある。
多少荒れた山道を上りきれば、浅間山に着く。
山頂手前には、適当に手直しされた3宇ほどの祠が並ぶ。すべて真南を向いている。
祠の後ろを山道が通り、写真上部の明るみが山頂になる。
山頂には12宇の祠が並ぶ。一列に並んで、こちらはすべて真北を向いている。
道は祠の左後方に着き、右後方へ下っていく。真北へ下る道もある。
山頂は愛知県側の新戸集落で管理されているようで、「新戸かちぐりの会」名があちこちにある。
日付を見ると、ちょうど1年前頃に整備したらしい。富士山覗き穴や記帳ポストが設置されている。ポストには「新城市下吉田字浅間1-9 浅間山山頂」とあるが、届くのだろうか。
富士山方向は伐採され、覗き穴(塩ビパイプ)で覗けるようになっているが、登頂時はあいにくの天気だった。
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