ツタンカーメンの墓から出土したという都市伝説のある、実エンドウを使った豆ご飯のこと。
このエンドウは、赤い花が咲き、赤紫の鞘が生る。ググると山のように出てくる超有名種でいて、また超強健種。
豆ご飯は、一般にグリンピースを使う。これも実エンドウなので、これに準ずると考えられる。
グリンピースご飯との違いは、なんと言っても色。炊きたては変わらないが、保温しておくと赤変する。
化学的な面白さもあり、また普通に美味しいので作ってみた。
写真のものは、ネットにあるレシピにひと手間加えてある。
ネット情報の最大公約数的なところを取ると、以下のようになる。
材料の割合
- 米 …… 1合
- 豆 …… 50g
- 酒 …… 小さじ1
- 塩 …… 小さじ1/2
作り方(ずぼら編)
- 材料をすべて炊飯ジャーに入れ、「炊き込み」モードで炊き、数時間保温する。
ただ、豆がシワシワになる、色がややムラになる、といった点が気になった。
鮮やかな緑色の豆まで赤褐色になってしまう、これも個人的にはかなり残念なポイント。
冒頭の写真のものは、以下の手順に変更した。
作り方(お勧め編)
- ひたひたの湯で、豆を10分塩茹でする。塩と豆は材料の全量を使う。
- そのまま冷まし、30分ほど置く。ふっくら味が染みる。
- 豆はラップして冷蔵しておく。茹で汁は炊飯に使う。
- 茹で汁と酒を入れてご飯を炊く。すべて入った状態で適量の水位にすること。「炊き込み」モードを使用。
- 炊き上がったら、そのまま数時間「保温」しておく。
- 食べる少し前に豆を合わせる。温度がなじめば完成。
豆はひと鞘に最大8粒入っている。成長しきったものなら、1ダースほどの鞘から50gが取り出せる。
若い実なら、茹で時間は短めでもいいかもしれない。が、「変色の素」を煮出す意味合いもある。
10分茹でると、茹で汁がうっすらと紫になる。ただ、透明で色も薄いので、白い器に取り出すなどしないと判らない。
公開レシピの中には、鞘を茹でて色を取り出すものもある。豆の煮汁だけで十分色づくので、必要とは思われない。そもそも「ずぼら編」では、豆しか使われていない。
また鞘は、水洗いだけでも色素が出てくる。茹でると透明感がなくなってくるので、このへんもちょっと嫌。
炊飯で「炊き込み」モードを使うのは、調味料等が入れてあっても焦げ付きにくい、とされるため。
保温時間は、1時間でもほんのり色づく。3~4時間で十分だと思うが、普段は寝る前に炊いて、保温しておいて、翌朝いただく。
また豆を合わせた後は、保温はしないでおく。保温して時間をおくと、せっかくの緑色が変色してしまう。
ひと手間加えることで、ピンクに緑が映える豆ご飯になった。
ツタンカーメンのエンドウは、かなりの強健種。肥料も耕起も必要ない。空き地の株で、土がカッチカチなときには水をやったが、その程度。
周りのカラスノエンドウらがアブラムシに集られていても、ほとんど無傷。消毒も一切要らない。
汚染土壌では拙いが、日の当たる通路や空き地の脇などに、適当に生やしておけば収穫が望める。
播種は、浜松では11月中下旬あたりがよさそう。年内に発芽して、小さい状態で冬を越し、春の訪れとともに加速度成長する。
今回播種は12月に入ってからだったので、年内発芽は数えるほどだったが、それでも十分育ってくれた。
12月に30℃などという年もあるので、時期については一概には言えない。
発芽率も抜群にいい。よく育った種の半分ぐらいの、「皮しかないんじゃね?」というものでも発芽する。9割以上出るので、ポット苗を作る場合は1ポット1粒がお勧め。
エンドウには忌地という性質がある。一度作った土地では、しばらく間をおかないと育ってくれない。
雑草と一緒だった影響などがあるのかもしれないが、去年播いた通路脇でも、今年も問題なく育った。
実エンドウとしての収穫は、ゴールデンウィークあたり。ぷっくり膨れて鞘がボコボコな状態だと、茹でるだけでも甘くプチプチして美味い。豆は丸い。
さらに育って棍棒状にまでなると、甘さ控えめになる。良く言えばホクホク。パサパサともいう。豆は詰まって四角になっている。鞘の紫色も薄れ、ちょっと小汚い。今回使ったのはこの状態。そのまま乾かせば、来年の種が採れるはず。
もっと早めに、サヤエンドウとして食べることもできる。紫色が鮮やかなので、彩りに好い。
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