マイクロソフト謹製の、パノラマ写真を作ってくれるフリーのツール。最新バージョンは2.0.3で、GUIが大幅に変わっている。
とりあげているサイトがあまりないが、たかはし氏のページや、同氏の1.4.4版のページ、まほろばのページ(1.4.4対応)などが詳しそう。
基本的に視覚的にやっつけていけるツールだが、ちょっとしたところで躓いて作業が滞ってしまうこともある。
細かいことは抜きにして、たくさんの画像を合成してぐりぐり調整してからポンと出す、基本となるこの一連の作業についてを、メモ代わりにまとめておく。ど忘れ対策も兼ねて。
起動するとこんな画面になる。
画像から合成するので、New Panorama From Imagesのボタンをクリックする。同じアイコンが左上にもあり、それでもよい。Explorerが開くので、そこから選択する。
別途Explorerを起動しておき、そこからこの窓へドラッグ&ドロップしてもよい。
なおこの記事にある画像では、キモになる「ボタン」などは、マウスでポイントして色を反転(暗い水色)させたり、ツールチップを表示させたりしてある。
複数の画像が認識された状態。
上部に、今の作業段階「1 IMPORT」が表示されている。
このまま次へ行っても合成はできるが、「Auto-detect」をクリックし「Rotating motion」に変更しておく。ソース画像によってはPlanar~が選択されることがあり、以降のぐりぐり作業ができなくなる場合がある。
合成に不都合がある場合は、ここで追加削除する。
合成に入る。
「2 STITCH」をクリックすると、解析して合成する様子がインジケータで表示される。
処理が終わると、最適と思われる手法で合成した結果が表示される。
右のアイコン群を選択することで、合成画像の投影方法が変えられる。以前のバージョンより種類が増えている。
格子とともに表示された合成画像は、回転や視点の変更などができるので、これらで「ぐりぐり」調整し、好みの結果にもって行く。
ソース画像の問題で合成が上手くいかないときは、「BACK」「1 IMPORT」などをクリックして前段に戻り、ソース画像の追加削除などを行う。
画像ができたら「3 CROP」をクリックして進む。
ここでは画像の切抜きを行う。
「Auto-crop」を選択すれば、有効画素範囲を最大に取った四角形に切り取られる。
数値入力や枠のドラッグで、任意の範囲を選択することもできる。
ICE2.0で追加された機能に、「Auto complete」がある。画像選択枠内にある画素の無い部分、その黒い部分を補完する機能。
ボタンを押すと処理が行われ、以降「Use auto completion」にチェックが入れられるようになる。
実際には、地面や茂みなど、ごちゃっとした自然物なら気にならないことが多いかな、というレベル。
「4 EXPORT」で完成画像を保存する。
Image sizeに数値を入力すれば、任意の倍率やサイズにできる。JPEGは圧縮率が変更でき、BMPやPNGなどの形式も選べる。
「Export to disk...」を押せば、保存ダイアログが出る。
ちなみに、全部お任せで合成さえできればいい、という場合は、ソース画像ファイルをD&Dした後、いきなりここへ来てもよい。
すべての処理が一気に行われ、保存できる状態になる。
次の合成に進むには、左上のアイコンから行ける。
その際、「The current ICE project hasn't been saved.~」などというメッセージダイアログが出るが、気にせず「Discard」を選んで進む。
合成に際し、手動であれこれ施した場合、その作業は保存しておきたいこともある。
その場合は、上記ダイアログで「Save」を選ぶか、左上のアイコン群の右端、「Save panorama as~」とツールチップが出るところから保存する。*.spjという形式になり、このファイルから直にMS-ICEも起動できる。
ついでなので、映像からの合成も試してみた。
撮像素子がCMOSのせいか、動きがあると映像が歪む。無理そうだなぁ……と思いつつも。
撮影対象は、遠州灘からの日没。カシバードの検証のために撮影したうちのひとつ。
1枚目は、ファミスコ(小型の望遠鏡)越しに撮影したもの。見えるのは渥美半島の大山。アイピースによるケラレが、映像下部の左右に見える。天地が逆なのは、ふつうに望遠鏡であるため。
2枚目を見ると、このケラレを合成の基準にしているような、すごいことになっている。試しにケラレ部分をカットした映像を食わせてみると、理解はできる結果が得られる。
ただ、パンの際に画が伸び縮みするためか、撮影している範囲には程遠い、きわめて狭範囲でしかない。パノラマの意味がない。
結局3枚目のような、はっきりくっきりで動きも少ない映像で試して、ようやくまともに近い結果が得られた。
歪まないちゃんとしたカメラで、ぶれないシャッター速度で撮るなど、きっちりした映像がソースでないと上手くいかない。
この機能は、うちでは宝の持ち腐れになりそう。
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