since 2007.8 by K-ichi

ひと月余前、途中リタイヤした「バラ谷の頭」登頂。このままではなぁ……と4週ぶりの11月29日、天気が持ちそうだったので行ってみた。

あまり気を入れすぎて負けるとつらいので、おきらくに。とはいえ、反省点などをふまえて準備はしていく。
早めに出発して、寄り道も減らして時間を稼ぐ。冷凍おにぎりが異臭で食えなかったので、おにぎりや菓子パンは購入していく。体力維持を考え、大休止はせず分単位の小休止と軽飲食を満遍なく取る。笹が濡れているかもしれないので、カッパを持参。……などなど考えつつ、何らかのヤバい状況を感知したら躊躇無く引き返す、と決めて向かった。

結局、往路5.5h、復路3.5hで行って来られた。慣れた人は4時間あまりで着くらしいが、観光協会の参考値6時間よりは早いのでヨシとしたい。
経過は以下の通り。
往路 : 7:15 登山口 - 7:37 ヒメシャラ小屋 - 8:14 ミズナラ小屋 - 9:05 麻布山(1h50m経過) - 9:21 戸中山 - 10:15 前黒法師山(3h経過) - 11:00 打越峠(3h45m経過) - 12:44 バラ谷の頭(5h29m経過)
     歩行距離 15.5km、累積標高 +1426m -680m
復路 : 13:11 バラ谷の頭 - 14:05 打越峠(54m経過) - 14:49 前黒法師山(1h38m経過) - 15:09 戸中山 - 15:28 麻布山(2h17m経過) - 15:47 ミズナラ小屋 - 16:15 ヒメシャラ小屋 - 16:40 登山口(3h29m経過)
     歩行距離 12.6km、累積標高 +477m -1228m
合計 : 経過時間 9h25m、歩行距離 28.0km、累積標高 +1903m -1907m
※ 打越峠は最低鞍部とされる場所。
※ 距離、標高はGPSログによる。地図読みより3割前後多い印象。往路に山頂での彷徨含む。

このルートの同季節のレポートとしては、
あたりが、写真も多く参考になりそう。
なかでも工場長Ⅱ氏の記事は、前回失敗した3日後のものなので、紅葉の様子などもそっくり。

地図解説は、ここが参考になる。
3箇所ある「休憩舎」は、登山口側から順に、「ヒメシャラ」「ミズナラ」「山頂東屋」の看板が掲げられている。





なんとか通過して振り返る
登山口へは、今回も懲りもせず、水窪ダム側から向かった。

ダム付近では、水路化箇所あり。
あちこちで、砂利やら落ち葉やらで道路が埋まっている。人頭大の落石も多数。
新たな土砂崩れは、倒木が切ってあったおかげでギリギリ通過。3ナンバーではつらいかも。


朝日に照らされる中央アルプス
登山口北の土砂崩れ修復地あたりからは、朝日に照らされた中央アルプスが見えた。
前回とは違って、もう真っ白。これから行く麻布山などの、カラフルだったところも、すっかり彩りがなくなっている。

向かう途中の路上温度計は、天竜市街で5℃、大井橋で4℃の表示。相月トンネルでは1℃、水窪市街では0℃と一気に下がる。
登山口では、落ち葉にもテーブルにも霜が降り、トイレのバケツには氷が張る。
しんと冷えるが風は無く、真冬の竜頭山のようなことはない。

登山口には、なんとか7時に到着。


残雪ではなく巨大な霜柱
木々の間から昇る朝日を拝んで出発。
見慣れた祠、東屋を順調に通過。馴染みの、瘤つきヒメシャラやミズナラの大木らに挨拶。ミズナラ名の東屋も通過。

麻布山禿部からは、今日もよく見通せた。前回並みに、アクトタワーも三岳山も見える。
太陽の位置の関係から、浜名湖や三河湾ははっきりしない。

登山口には「普通の霜柱」だったが、登るにつれ徐々に大型化。ここには7~8cmクラスの立派なものがあった。
太陽に照らされて融け、乗っていた砂や小石が谷底に落ちて行く。その音が、断続的に聞こえる。

ちなみに帰り道では、すっかり融けていた。


南アルプス方面拡大

南アルプス方面

恵那山・御嶽山・中央アルプス
麻布山山頂域に踏み込むと、紅葉はすっかり終わって見通しがよい。夏場は鬱蒼としている登山道が、明るく清々しい。
山頂三角点にタッチし、山頂小屋を通過。下り始めると空気が変わって、ぐっと冷え込む。

戸中山看板過ぎの見晴らし。南アは、赤石岳、聖岳、上河内岳あたりまでは真っ白。
奥布山左に真っ白な中央アルプス、さらに左には御嶽山が輝いて見える。西方の林の中には、白みかけた恵那山も。

大休止はしない予定だったんだが……


地面が浮いている

20cmクラスの霜柱
いくつかアップダウンを繰り返し、前黒法師山へ向かう。

ヌタ場は2cmクラスの氷。地面はぶかぶかに浮き、霜柱は育ったものは20cm級。
節が見えるので、複数日にわたって成長したっぽい。

まもなく、前黒法師山に着く。


中央が光岳
ふたたび下り、楽園、そして最低鞍部を目指す。
最低鞍部のあたりで、シニア2人組と出会う。「バラ谷40分手前で断念」とのこと。この日唯一の出会い。

最低鞍部付近も崩壊しており、眺望がある。不動岳、鎌崩、丸盆岳と、いいテンポで山が並ぶ。
不動岳の左脇に光岳が見え、その右肩に白いイザルガ岳が覗く。


最低鞍部(?)を振り返る

最低鞍部の看板

看板の場所を振り返る
地図ではなだらかに見えるが、意外とアップダウンがある。

2人組と出会ったのが、最低鞍部(?)の手前。
「打越峠」の看板は、それより先に掲げられていた。1539mとあるので、そこが最低鞍部ということになる。

看板は「山に生きる会」による。


地図

空中写真
GPSログと突き合わせると、その看板は地図の1539mポイントより東にあると思われる。

このあたりの北面は谷筋にそって崩れており、崩落は最低鞍部とその東との二股になっている。
西側の谷筋が本来の1539mポイント。看板は隣の谷筋、130mほど東にあるようにみえる。
ただし、写真のEXIFとGPSログとを時刻で突合せた結果で、両箇所は数分の違い。間違いと断ずるには、もう一度現地で確認したい。

地図、空中写真の画像は、カシミール3Dによる。


怪しいポイントを振り返る
ここからは、徐々に登りがきつくなる。

踏み跡が無かったり、尾根の乗り換え、痩せ尾根、広尾根、支尾根……いろいろあるが、登る分には尾根の高いところを行けばいい。
以前、下りでエライ目に遭っているので、振り返り振り返り周囲を確認しつつ、怪しいポイントは頭に叩き込んで進む。この山で迷ったら、洒落にならない。

バラ谷の頭へ向かうには、戸中川林道から1682ピークに取り付くというルートもあるらしい。上の地図の右端のピークがそれ。
この合流部は、下りで間違えそう。枯れ木やらリボンやらで、厳重に目印がしてある。
写真左が麻布山方面、手前がバラ谷の頭方面。下りは真っ直ぐ行ってしまいそう。


ササ原が始まる

1980m付近
1770mあたりから、ササが出始める。

初めは膝下の乾いたササ。徐々に深くなり、一部胸の箇所もあるがほとんどは腰レベル。中ノ尾根山のように、泳ぐことはない。
標高を上げると、ササが濡れてくる。日陰を見ると残雪。一部ササにも載っている模様。しばらく我慢したが、1940mあたりでカッパの下を履く。

登りでは邪魔なササだが、急ぐ下りでは手掛かりになった。


踏み跡にも笹にも雪が残る

ついに……

着いた!
5時間半かかってやっと到着。
初めての道で慎重になったこともあるが、目新しい景色に時間を取られたのが大きい気がする。

到着とともに、ニホンジカが2頭、南方へ逃げていった。
山頂付近の笹は膝程度に刈られている。おそらくは彼らによる。


北方のパノラマ

黒法師岳・富士山・前黒法師岳
「バラ谷の頭」立て札周辺はササもなく、四角い石まで置いてある。
28mm程度のカメラを置き、看板の脇に立てば、黒法師岳、富士山、前黒法師岳らとともに記念撮影ができる。

ここから南方に踏み跡がある。しばらく行くと向こうを向いた立て札があり、「本邦最南2000mの地」とある。
脇には、1985年の掛札もある。このころは日帰りでは無理だったはず。


右は房小山方面の尾根

西方の眺望
2000mの地からの眺め。
斜面には少し雪が残る。

西方。いちばん近くに見える山塊が、麻布山~前黒法師山。こんなに下に見える。
はるかに下ってからこれらを越え、左に流れる緩い下りをひたすら歩いて帰る。

写真中央付近の、枯れ木に重なっている尖った山が常光寺山。最も遠くのシルエットは、茶臼山あたり。


2016年ダイヤモンド富士予測(135mm)
ちなみにバラ谷の頭からは、8月15日ごろにダイヤモンド富士が見られる。
夏至から離れているので太陽の動きは早く、ストライクのチャンスは1日のみ。

2016年は、8月15日5:14過ぎにお鉢から出てくる計算。
ただし気差補正に正解はなく、カシミールでも実測から少しズレているようなので、白山岳の左から初めに出てしまうかもしれない。

いずれにせよ、白山岳を挟むか、お鉢から出て、5:16ごろには半分ほどが富士山の上にぽてっと乗る形になるはず。
ズレの方向を逆に勘違いしていたので、白山岳の左、ということはない。 (2016/1/4追記)

……なんやかんやで、山頂で30分近く過ごしてしまった

さて、このとき13時過ぎ。登りには片道に5.5時間かかった。帰りは下り、といっても登り返しが何度かあるので、どこまで縮められるか判らない。日没は16時半過ぎ。太陽はまだ頭上にあって信じ難いが、実に拙い状況。
道路の土砂崩れもあり、できれば明るいうちに水窪ダムまで戻りたいが、どう計算しても下山道中に日が暮れてしまう。
ともかく、体力と腰膝を使い切るつもりで、限界までペースアップして下山した。

結局、2時間短縮して3.5時間で車に到着。日は暮れ、薄暗かったが、なんとか目が利く間に戻ることができた。やれやれ。

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