多くは葉を落とし、冬芽を作って越冬する。が、なかにはそうでないものもいる。
クサイチゴ(Rubus hirsutus)やコジキイチゴ(R. sumatranus)あたりは、耐えられるだけ耐えてなるべく葉を残す。冬芽は、葉がはみ出たような中途半端な姿だったりする。
クサイチゴは、陽だまりでは真冬に咲いている株すら見かける。
クサイチゴとカジイチゴ(R. trifidus)との雑種であるトヨラクサイチゴ(R. × toyorensis) も、それに準じて姿が大振りなクサイチゴの風。
芽吹く一番乗りはカジイチゴ。すでに葉を展開し始めている芽もある。
カジイチゴも葉を残したがるが、冬芽は冬芽としてしっかり作る。ただし、いっせいに動く感じがしない。いまも堅い冬芽がまだ残る。
花も実もダラダラとつける。季節季節でけじめをつけないのが彼ら。
カジイチゴと先陣を争うのはモミジイチゴ#2(R. palmatus)。中でもこの、細い花弁で枝垂れる株が早い。
この株、咲くのは咲くのだが、なかなか生らなかった。対策として、通常の倍量を施肥。8号鉢に緩効性化成6粒@2月ペースとしたら、そこそこ生るようになった。
しかし自生地で見られる、あの大振りで優雅な花にはなってくれない。根域制限された環境では難しいのかも。今年からは通常に戻す予定。
カジイチゴとコジキイチゴ(母)の雑種、仮称コジキカジ(R. sumatranus × R. trifidus) 。
やはりコジキイチゴに似て葉を残したがり、冬芽もしまりが無い。
ちなみに、右奥のピンボケ紅葉が、トヨラクサイチゴF2。
昨年仲間入りしたビロードイチゴ(R. corchorifolius)。
2株あるが、小株の方は一部葉を残した。大株も2月頭までオレンジ色の葉を保っていた。
冬芽は、ちょっとチリが合ってないような作り。先端が緩んできた。
大株は咲いてくれそうな予感。
紅葉といえば、フユイチゴ(R. buergeri)らが真っ赤。
自生地と違い、絶好の日あたりの場所に鉢がある。寒さとあいまってこうなったのだろう。
写真左上1/4ぐらいを占めるのがミヤマフユイチゴ(R. hakonensis)、右上にこじんまりと真っ赤なのがオオフユイチゴの実生、残りがオオフユイチゴ(R. pseudosieboldii)の親株。
実生は、2015年に播いたもの。3月に播いて40日ほどで発芽した。
オオフユイチゴは実着きが相当に悪いため、フユイチゴ(R. buergeri)同様に自家不和合性があるのではと疑っていた。たまに生るのは雑種化のためか、と。
実生株は、葉などを見る限りでは、オオフユイチゴそのもの。そろそろ咲いてくれないかと期待。
もともとの株も、普通に複数花つけるようになった。花着き、実着きがいまいちだったのは、単に株が若かっただけかもしれない。
昨年は半年もキイチゴネタを書かなかった。
とりあえず、撮り溜めたものなどを並べておく。
カジキミノニガは、黄実になるのか赤実になるのか、という実験。
2015年にカジイチゴ(母)とキミノニガイチゴ(R. microphyllus f. miyakei)とを交配、播種したもの。
標準的には、ヒメカジイチゴになる掛け合わせ。これは赤実で、大振りなニガイチゴ風になる。
とりあえず真っ赤に紅葉し、カジイチゴ由来の赤い色素はたっぷり持った模様。両親どちらも黄実ながら、赤実の子ができるのか……
【 和名、学名の出典等について 】
- 標準和名や学名は、基本的に「YList」ページを採用する。
- Ylistに掲載のないものは、 Wikipediaの「キイチゴ属」ページのものを使う。これには「※」を付す。
- 交雑種は、種レベルの扱いがあり特に著名と判断したものはそれを使う。それ以外は独自名を付す。和名は両親から「イチゴ」を取った合成名、学名は両親を「×」でつないで連名とする。いずれも母体を先頭にする。
- 例:カジイチゴ(R. trifidus)を母体にコジキイチゴ(R. sumatranus)の花粉を付けたもの → カジコジキ(R. trifidus × R. sumatranus)
- 雑種は、入手個体を「F1」とみなす。特に必要がなければ「F1」とは記載しない。その子は「F2」となる。たとえばファールゴールドの実生は、「ラズベリー・ファールゴールドF2」と記す。
- 同種が複数株ある場合は、和名の後に番号を付す。従前1株だったものは、それを#1とする。
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