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衛星データベースページ
人工衛星には通し番号が振られている。本体そのものの他に、打ち上げロケットの残滓、Iridium33やASTRO-H(ひとみ)のようなバラけた分離物など、観測できたものはすべて含む。
衛星カタログ番号などとも呼ばれるこれは、人類初の人工衛星スプートニク……を打ち上げたロケットに1番を振り、現在は45000を超えている。

国際衛星識別符号というものもある。こちらは打ち上げ年などがそのまま記述され、例えば今年打ち上げられたスターリンク1308は2020-019-BMとなる。
もちろん、STARLINK-130845419などと呼ぶこともできる。1997-051-ABM(イリジウム33の破片)のように、アルファベットが3文字になることもある。

僕らの生まれてくるずっとずっと前には月へ行っていたわけだが、それよりさらに10年も前に人工衛星は打ちあがっていた。じつはその頃の衛星が現在も回っている。
スプートニク(SPUTNIK 1/2/1957-001-B)はもう落ちたが、ヴァンガード1(VANGUARD 1/5/1958-002-B)、ヴァンガード2(VANGUARD 2/11/1959-001-A)あたりは残っている。通過予報を眺めてみると、ヴァンガード1は9等、同2が7等、またそれらの打ち上げロケットが8等、6等という。とりあえず、双眼鏡では見えそうだ。

最古参を狙いたいところだが、9等はちょっと厳しい。2番じゃダメというわけでもないので、7等級のヴァンガード2を狙うことにした。
ただしこれらは楕円軌道を回っており、7等というのは近地点に近いタイミングで自分の頭上を通過した場合の明るさ。そしてそれは明け方か夕方である必要があり、かつそれなりに空が暗いタイミングでないと見えない。

その好条件が先月に来た。
今回のパスは、マーシャル諸島北の近地点(高度550km弱)を目指して、日本上空を660kmほどで通過する。


SatelliteTrackerで眺める
以前からEX-10にて挑戦してはいた。衛星は動くので動く前に捉えなければと、感度高めでレンズも目一杯明るくF1.8(f=28mm)としてみたり、そもそもの極限等級を上げなければと、焦点距離を最大に伸ばしてf=112mm(F2.5)としてみたり。でも結局、撮像にどんな処理をかけても、痕跡も出てこなかった。
イリジウムフレアが賑やかだった頃、月光によるフレアというものがあった。CalSkyによれば7等台らしいが、こちらも一度も写らなかった。10等クラスが写せるカメラでも、動く7等星は無理らしい。

以前、デジファミスコでひとみを撮った際には、動画で8.5等星まで写るのを確認している。こちらならイケるかもしれない。
今回のヴァンガード2は660km、ひとみは575kmなので、だいたい同じような動きで見えるはず。ひとみは動画では流れて写った。仮に星像2.5個分流れてしまえば1等分写りが悪くなることになる。じっとしている星で8.5等ということは、7等台前半予報ならギリギリ写るのでは、との目算。


以下にその収穫物を貼っておく。背景ノイズとほぼ変わらないレベルだが、ヴァンガード2が確認できる。予報とはコースが微妙にずれているが、間違いない。
デジファミスコは850mm相当で使用。一式は、ビクセンのSP赤道儀に載せて自動ガイドしている。

なお、70×16双眼鏡では、容易に確認ができた。7等なので明るくはないが、手持ちでブレて視野を外しても、すぐに追えるレベルだった。


2020/3/23 Vanguard 2 ふたご座足元パス@浜松

2020/4/13追記。
YouTube側で画質が落とされるようで、衛星が背景のモザイクノイズに埋もれてしまう場合がある。アップロード時は見えていたので、設定や時間帯などで変わるのかもしれない。
コロナ禍のテレワーク増加に対応して、帯域を絞るという話も聞く。何らかの影響があるのかもしれない。

とりあえず、全体に明るさを増してみた。背景のランダムノイズがうるさいが、同じぐらいの明るさの光点が移動していくのが見える(投稿時現在)。


2020/3/23 Vanguard 2 ふたご座足元パス@浜松

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