カジビロード(Rubus trifidus × R. corchorifolius)。
これはノリで始めた組み合わせだが、すんなりとは事は運んでいない。
2017年に始め、当年に発芽。9月ごろがピークで、発芽率は非常にいいものの消える個体も多い。翌1月には冬越しの様子も記事にしている。その春の萌芽で3出複葉があることが判明。雲行きが怪しくなる。8月にはついにひと株に減る。とりあえず肥育は続け、2020年にようやく蕾が着くも咲かず。そして2021年、待望の開花。まばらな結実も確認し、結局トヨラクサイチゴ(R. × toyorensis)と判定した。
キイチゴ類を種から育てる場合、播種後は木陰の腰水BOXに入れている。樹脂製コンテナに細工をして水深3cmを保ち、網戸を蓋にして光風水は通しつつも外部からの侵入は防ぐ目論み。
概ね上手くいっているのだが、どうもこの「木陰」「網戸」が原因に思えてきた。網戸で蓋をしても、タネツケバナやカタバミは生える。ナス科か何かがまとめて生えたりもする。木の枝にとまってしたであろう鳥の土産が、網戸蓋の上にベッタリ乗っていることもある。キイチゴ種子はサイズ的には通しづらいが、1粒でも2粒でも通ればそれが混乱の元になる。
都合によりBOXに入れてなかったビロードモミジ(R. corchorifolius × R. palmatus)は、カジイチゴ(R. trifidus)とクサイチゴ(R. hirsutus)が生えてきた。初めて雑種を試みたカジモミジ(R. trifidus × R. palmatus)の、よりによって#1を振った株がヒメカジイチゴ(R. × medius)だったのも、受粉時ではなくこれが原因ではという気がしている。
そんな成り行きで、2021年には再挑戦した。これも当年発芽し、パラパラと生えては消えを繰り返し常に数株見えていた。現在はひと株残り、矮小株がひとつ見られる状態。
どうも芳しくないので今年も施術。今回は盛大に発芽したが、時が経つにつれ、大きくはなるが淘汰も進んでいるように見える。
葉の裏表、葉柄に短い毛。腺毛は見られず。一見ビロードイチゴ(R. corchorifolius)そのものだがトゲがない。
6号駄音鉢に赤玉小粒などで植えている。現在は通常のキイチゴと同じパターン、腰水無しで偶数月に少量の緩効性化成、で世話をしている。
【 和名、学名の出典等について 】
- 標準和名や学名は、基本的に「YList」ページを採用する。
- Ylistに掲載のないものは、 Wikipediaの「キイチゴ属」ページのものを使う。これには「※」を付す。
- 交雑種名は、特に著名と判断したものはそれを使う。それ以外は独自名を付す。和名は両親から「イチゴ」を取った合成名、学名は両親を「×」でつないで連名とする。いずれも母体を先頭にする。
- 例:カジイチゴ(R. trifidus)を母体にコジキイチゴ(R. sumatranus)の花粉を付けたもの → カジコジキ(R. trifidus × R. sumatranus)
- 雑種は、入手個体を「F1」とみなす。特に必要がなければ「F1」とは記載しない。その子は「F2」となる。たとえばファールゴールドの実生は、「ラズベリー・ファールゴールドF2」と記す。
- 同種が複数株ある場合は、和名の後に番号を付す。従前1株だったものは、それを#1とする。
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