東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して、ひとつの大学法人、ひとつの大学としてまとまるという。2024年度を目処、とのこと。
第一印象は、本当にこれでいいの?
目テンか学研か……仮称とは付くものの、なんだか軽量級、小学生でも思いつきそうなネーミング。名より実なのかな、などと思いつつ見ていくと、プレスリリースがあった。
統合の目的は、両⼤学の伝統と先進性を活かしながら、新しい⼤学のあり⽅を創出すること。
「コンバージェンス・サイエンス(※)を展開」「総合知に基づき未来を切り拓く⼈材を輩出」など具現化するためには、⼈⽂科学・社会科学的視点をも含めた「科学」の発展こそが原動⼒。
新⼤学がこれからの「科学」の発展を担い、科学を文化として認識してもらい社会からの理解と期待を得ていくためにも、親しみやすく覚えやすい「科学」を名称とした。
※ あらゆる知を集結し、諸問題の解決、発見に取り組むこと
東京医科歯科大学プレスリリースより一部抜粋要約
広く捉えられる言葉でないと表しきれなかったわけか。なんだか格好良く見えてきた。
この大学の設立予定は24年だが、じつは静岡県にも似たような合併話はあった。当初予定では、昨年に設立されたはずだった。
浜松と静岡にキャンパスを持つ静岡大学と、浜松医科大学とが統合してひとつの大学法人(静大側が存続)となり、その傘下に静岡拠点、浜松拠点の2つの大学を再編して置く、というもの。
学長同士が話を進めていたようだが、大学としては浜松拠点を失う静大側、特に静岡キャンパスに反対意見が多く、学長が反対派に代わると見事に頓挫した。
一方で、「やらまいか」と浜松勢が一致団結していたかというとそうでもないようで、名称に「浜松医科」を入れろとか、「情報」が蔑ろとか(中日新聞Webarchive、静岡新聞Webarchive)、それなりにはあったらしい。
浜松側は推進、静岡側がブレーキという大きな構造は変わっていない(日経新聞Webarchive)ようだが、1大学にして駿府にお伺いを立てるべき、いやいや医工連携でスピーディで尖った大学にすべき、などと既得権益やら地域性やらも滲み出た混乱ぶりとなっている。
浜松拠点の名称は「浜松医科工科大学」が有力候補らしい。しかしこのザマということで、逆にぼかした「浜松国立大学」なるものも挙がっている。体を表すより「国立」のバッジが欲しいらしい。
静岡拠点がほぼ「静岡大学」で決まりなら、浜松拠点は「浜松大学」でよさそうなものだが、じつはこの名前、つい数年前まで私学の常葉大が使っていた。隣県には愛知大なる県名を冠した私学もある。
冒頭に倣えば「浜松科学大学」なんて候補もできそうだけど、「プラネタリウムはありますか?」とか問い合せが来てしまうかもしれない。
ともあれ、東京科学大学がますますスマートに見えてきた。
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