政令市・浜松市の区割りがいよいよ変わるらしい。(行政区の再編について/浜松市)
当初は、クラスターがどうとか、葡萄の房のように地域の特性を生かした云々……などと言っていたような気がするが、その7区から3区に再編される。この条例が22日、議会を通った。次の年賀状からは新住所になる。
現在の浜松市は、中・東・西・南・北の5区、および最後まで駄々をこねて独自区となった浜北、山間地の天竜、という7つの区を持つ。
他都市と比較する限りでは特段多いとも思えないのだが、これから人口の減る80万都市としては多い、という。コストを削れ、と浜松のドン・鈴木修が吠えれば、担がれ市長の鈴木康友は動かざるを得ない。選挙公約に掲げてまで進めていたものの議論百出、なかなか成果は出なかった。住民投票の結果も割れ、それを「市の分割案は反対だが再編自体は賛成が多い」と狡猾に解釈、行政サービスは維持すると議会住民をなだめすかし、唐突に出てきた自民党の区割り線引き案も呑むことで、ようやく実を結ぶこととなった。
NHK静岡が上手くまとめている。
新区割りは、中・東・西・南と北の一部を中央区に、北の残りと浜北を浜名区に割り振り、天竜区はそのまま、となる。
さてどんな粋な名前になるのかと、ちょっとは期待していたのだが……しかしアンケート投票結果(PDF)を見れば、あーなるほどね、と得心するところでもある。
中央区は、なんといっても中区住民の悲願。それを人口の多さで押し切った感。そもそも7区にする際も、一番人気は「中央区」だった。市の都合で「中区」にされた経緯がある。
中区、および交通の要衝などを抱える東区に、中央を自認する傾向があるのは解る。南や西の、中央なんて名乗っていいのかしらん、という戸惑い、現行では北区に押しやられている三方原の、都心部への憧れ、そんな連想もできて面白い。
中央区の人口は60万人を超えると思われる。これは36万人の横浜市港北区を押さえて最大の行政区となる。
浜名区。こちらも浜北区に人口比重が傾いているため、なるべくしてなったかと思いきや、浜北区からの得票はバランスよく割れた模様。
引佐郡勢の多い北区からの得票は、「緑/みどり」が一定の支持を得たものの抜きん出ているわけでもなく、他地域の概ね浜名支持、が通った印象。
浜名の名称は、浜名湖周辺で「浜名郡」として使われていた。湖西も浜松も浜北も元は浜名郡。引佐郡でも三ヶ日は、かつて西浜名村などと名乗っていた。
浜名区の人口は16万人弱と思われる。
概念的相対位置を表す区名と歴史的な名称のコラボ。バランスが微妙な気がしないでもないが、バラ売りで投票した結果だから仕方ないか。
60万:16万:2.5万(天竜区人口)という極端な人口差もある。区役所相当の機能は旧役場等に持たせている現行を維持するともいう。
もしかしたら市は、法律に書いてあるから行政区は置くけれど、極力フリーハンドでやらせてもらうよ、という方向なのかもしれない。……だったら2区案の方がよかったかもね。コストもさらに削れるらしいし。
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