since 2007.8 by K-ichi

クロイチゴについて書いていたら思い出した。


腺毛がようけ生えちょります。
(「らんまん」の一シーン)
かの牧野富太郎氏をモデルにした、朝ドラ「らんまん」。浜辺美波の圧倒的なかわいさばかりが印象に残っているが、そういえばクロイチゴを間違って同定しているシーンがあった。
第22週の冒頭、責任者の院生がエビガライチゴと断定したところへ、万太郎が横槍を入れている。

ふと思ったのがその呼称。明治26年の東大において、「エビガライチゴ」と呼んでいたか「ウラジロイチゴ」としていたか。フィクションに突っ込んでも詮無いことではあるが少し掘ってみた。
ちなみに、平凡社の「日本の野生植物 木本(1993/平成5/昭和68)」や六月社の「日本樹木総検索誌(1961/昭和36)」では後者を採用している。教科書が平凡社のこの写真図鑑だったので、個人的にはウラジロイチゴで覚えていた。

国立国会図書館デジタルコレクションなどで古い書籍を当たってみる
徳永教授のモデルである松村任三氏の著作物では、
のような記載であり、万太郎こと牧野富太郎氏では、
となっている。
APG牧野植物図鑑」でもエビガライチゴを標準和名として扱っている。

その他の図鑑としては、
などがある。

当初はウラジロイチゴであり、根強いウラジロ派はいるものの、明治の終わりごろからエビガライチゴに置き換わりつつあるように見える。
ちなみに「いちごいろいろ-地方名総覧-(2022)」によれば、2018年の発行文献もウラジロ派らしい。

ともあれ、やはりエビガラとは言ってない気がする。

0 件のコメント:

コメントを投稿

.

関連記事


この記事へのリンク by 関連記事、被リンク記事をリストアップする」記事

ブログ アーカイブ