とあるルートから入手したフロアー材の余剰で、耐候実験をしてみた。1年間、外壁に立てかけ、雨ざらし野ざらし日ざらしにする。一応、申し訳程度の軒下ではあるが、実質的には無いに等しい。日光は半日程度は当たる。
対象は、永大のSHG-6021(左)およびSCG-6030。屋内用の床材なので、想定外の過酷環境での実験。とはいえ、水をこぼしたり日が差したりということは実生活でもありえる。長年ぞんざいに扱ったときの予想にはなりそう。
前者SHGは、ごく一般的と思われる床板材。「複合3種フローリング」で、ベースは合板、化粧単板の下地にはMDFが使われている。表面は塗装で、仕上げにはワックスをかける。ちなみに色はMⅡ(ミディアムオーク)。
後者は、おそらく高価と思われる表面特殊加工品。「複合1種フローリング」なので基材は合板のみ。表面は、0.6mmほどのやや柔軟な樹脂でできている。単板+樹脂コーティングだと思っていたが、顕微鏡で観察した感じでは全て樹脂らしい。半透明樹脂のベースの上に発泡樹脂を薄く被せて印刷、さらに透明樹脂でコーティングしてあるように見える。0.6mmの厚みの大半を占めるのはベース材。表面は細かな筋状の凹み模様を着け、木材風に見せている。説明書にはワックス不要とある。色はMLだが、Lがライトの意である以外は不明。
間違って捨てられないように、布テープを貼り、油性マジックでテープの上とフロアー直にメモしておいた。1年放置しておくと、テープは劣化して剥がれかけ、マジックもほとんど消えてしまう。
SHGの方は、表面がかなり荒れている。ボコボコで、細かくひび割れ、触るとざらつく。とても使用に耐えないレベルだが、それでも化粧が剥がれてこないのは立派。単板下地のMDFは、水を含むと膨潤する。実のあたりを見ると、乾燥湿潤を繰り返した結果、表面がひび割れたのがうかがえる。
木口は黒変し、ひび割れが酷い。表面に近いMDF部は、均等にボロボロになって、2層に別れて見える。立てかけで水分が長く滞留しなかったせいか、裏面の変色はさほど酷くはなかった。
SCGの方は、飛来したと思われる汚れが着く程度で、割れや粉吹きなど、大きな変化はみられなかった。PE容器などは1年もすればボロボロになってしまうが、こちらは外で使えるほど耐候性のある樹脂のよう。溝部分まで表面加工がされており、かなり安心感がある。
十分な表面加工だが、それが逆に施工難易度を上げることもある。心してかからないと、写真のように表面が「欠ける」ことがある。
基材は、写真ではきれいに見える。これはたまたま、繊維と平行な木端が見えているためで、繊維を切る方向の木口側は、SHGと大差なかった。よほどぞんざいに扱っても大丈夫な強度はあるものの、常に濡れているような場所では、木質である基材が持たなさそう。
なお、永大はたまたま入手しただけであり、朝日ウッドテックやパナソニックも、同様に強靭な商品を持っていると思われる。
since 2007.8 by K-ichi
0 件のコメント:
コメントを投稿
.