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ゲートから駐車場を振り返る
先の日曜(17日)の失敗へのリベンジ。門桁川(気田川)ゲート先の吊橋を渡って、五丁坂頭山(野鳥の森の最南端峰)へ登る。
勤労感謝の日(23日)の土曜、再び出かけてみた。

ゲート前駐車場には、先客が2台。奥の紺色は、同じく五丁坂頭山を目指していたことが後に判る。

登るのは問題なかった。おおむね尾根をトレースし、楽ではないがシロウト足でも3時間はかからない。
ところが下りで大失敗。尾根を間違えたらしく、ルートを亡失。現在位置もわからず、暗くなる前になんとかせねばと、かなり焦ることになった。


吊橋を渡りきったところ
今回も寝坊。それでも30分早くにスタート。9時過ぎ、落ち葉の霜が輝いている。
吊橋を渡ろうとして軍手を忘れたことに気づき、車に取りに戻る。やはりダレている。

吊橋を渡って、前回見つけられなかった登山口を探す。

朽ちた階段杭

写真は、吊橋を渡ったところ。橋を引っ張るワイヤーが2本見える。その右から広場へ上がる。白い「山火事防止」の杭を正面に、右手に廃屋と川沿いの道、左手に広場、左斜め前方に前回行ってしまった山道がある。
登山口は、杭から5mほど左前方へ、前回の山道を進んだあたり。そこから奥へ進む。ピンクリボンがあり、朽ちて苔むした階段杭の残骸が何段か残っている。

砂礫質で崩れやすいためか、道はあるようなないような状態。リボンと踏み跡の雰囲気で、道に見当を付けながらつづらに登っていく。判らなくなっても、ともかく尾根のてっぺんを目指せばよい。
尾根が近くなると土に変わり、普通の山道になる。これは前回の西側の尾根と似た性格。


尾根の上
尾根の上は、木漏れ日のある明るい林。道は3方に分かれる。
正面方向にはリボンがあり、丸太などでしっかり道が作られている。右手は、伊老沢合流付近の広場あたりに下りられそう。
登山道は、左手の尾根道を進む。

尾根は、広くなったり狭くなったりしつつも、明るく歩きやすい。山道は判らないところも多く、よそへ向かうものもある。リボンまで付いている。
ともかく尾根を意識して進めば、迷うことはない。途中、大きなアカマツが3本ほど生えている。


重要地点 (標高860m付近)
この写真は帰路に撮ったもの。GPSログと突合せてみると、この場所で道を間違えたらしい。
ピンクリボンばかりの中、ここだけ白いリボンも付いている。しかも意味深に2本並んでいる。理由が解らなかったが、キーポイントということで、誰かが付けたのだろう。標高860mの地点。

記憶が曖昧だが、ピンクリボンより左から登ってきて、右の赤杭の左脇を登って行った気がする。ログを見ると、左手の登山路で登ってきたようにも見える。
登りでこのリボンを見つけたら、来た道、行く道との関係を、しっかり記憶しておいた方がいい。道なりに下っていくと、別の尾根に降りてしまう。

2015/9/24追記:
実際のポイントは、このすぐ下ったあたり。詳細はまとめ記事に。

その先も相変わらず、木漏れ日のある植林帯の尾根。大き目の石がゴロゴロしていたり、小さな鞍部があったり。
先日の間違えた尾根をさらに登れば、この鞍部もしくはその手前の1016ピーク辺りに合流するはず。


新設林道
1100mあたりになると、伐採されて景色が明るくなる。まもなく新設の林道端にぶつかる。
とりあえず切り開いた、程度の道で、重機しか通れなさそう。登山道をぶつ切りにしつつ、つづらに折り返し登っていく。ところどころに登山道の残骸が残っている。

写真は、200°パノラマ。左の林道と右の林道とが、ほぼ直線になる。
麓から山道を登ってくる間、汗をかきつつも空気が冷たいと感じていたが、ここだけはぽかぽかの陽だまりだった。

木々の間からは、山並みが見える。
右端付近の、木に隠れている枯山が常光寺山。ほぼ中央の、太い木に重なっているナルい山が井戸口山。その右でまた隠れているが、カモシカ館の広場も見える。
井戸口山の向こうには、竜頭山や秋葉山が続く。竜頭山は、比較的尖って、頂上にアンテナが建っているので判りやすい。さらに左の別尾根は、京丸山からの北西尾根。
さらに登れば、東方に、複雑に絡んだ鋸山や蕎麦粒山からの尾根が見えてくる。場所によっては、房小山やバラ谷の頭も見える。


再び右の尾根道へ
重機林道は、1313ピーク手前で、もう少し品のいい林道に合流する。進路を右手に取り、1300m等高線に沿うように林道を進むと、右手に尾根道を見る。山頂へはこれを行く。標高差にして、あと100m足らず。

愛知県東部の山々

林道自体はさらに回ってから、標高を下げてつづらに下っていく。遠くには、鳳来寺山、宇連山、明神山あたりが見える。山々の手前の広場はカモシカ館。
ちなみにこの付近には、林道の分岐がいくつかあるが、行き止まりや出戻りで、結局1300m超の頂の中をぐるぐる回っているだけだった。

昼ごろでも、霜柱が立っていた。

2014.3.22追記
つづらに下るように見えたこの林道は、ヤマガラの門(野鳥観察小屋)の南150mあたりに出るらしい。
Googleマップの空撮ストリートビューズームインALL静岡などで確認した。


五丁坂頭山山頂付近
山頂では、野鳥の森周遊道、ヤマガラの門からの道と合流する。写真右端がその道。ちょうど左に折れていくあたり。名札(ウラジロモミ?)のかかった木がある。

その道脇に、杭類や赤テープが見える。赤テープと左隣の一抱えほどの木の間が、登ってきた道。その先にも、ピンクテープがいくつかある。

左端の、太い木と重なった小高い場所が、五丁坂頭山の山頂。赤テープの付いた木の根元に三角点がある




全体にやや急なので、杖があると疲労度がかなり違う。帰路は、適当に相棒を見繕って持っていく。

ぽかぽか林道で昼食をとり、相棒の助けもあって調子よく下りていく。
ふと、記憶にない道のような気になる。振り返ると、右手に下る尾根が見える。尾根近くを登ってきたように思うが、ピンクリボンもあるので進んでみる。しかし、道が無くなる。
仕方がないので、先ほどの尾根上まで戻る。尾根は、なんとなく倒木が多い雰囲気。道もリボンもない。違和感を覚えつつも下ってみるが、茂みと急傾斜が「ハズレ」を表す。
再び戻るが、行き先が無くなってしまった。さらに戻れば正解に辿りつけたわけだが、この時点では、どこまで戻ればいいのかの見当も付かない。
行きつ戻りつで、ここだけで30分あまり浪費。すでに14時を回っており、16時半の日没を考えると、2時間で身動きが取れなくなる。
食料も防寒着も照明も無線も無い。登山ノートも書いてない。人手の入った植林の山とはいえ、これは拙い。

なるべく早く現在位置を把握し、その後の対策を考える時間を確保したい。植林帯で見通しは利かず、合間からの山並みでは位置の判断はできない。
歩いた距離感、木々の間に見える山並みの大きさ、川音の近さなどから、半分以上は下っていると思われる。ともかく下って河原に出れば、対岸に林道が見えるか否かで、行き過ぎか戻り過ぎかは判りそう。最悪、救援を呼ぶにしても、山中より見通しの利く河原の方が見つかりやすそう。
山で迷ったら尾根へ向かえ、という。沢下りは最悪、ともいう。ただ、ここの尾根は木だらけ。以前、都沢林道を歩いたとき、川岸には、断崖はあるが滝があった記憶はない。枯れ沢を下っていけば、河原までは何とかなりそう。
下り始めたら、おそらく元の山道には戻れない。退路は断たれる。枯れ沢が渓谷に化けない事を祈りつつ、下ることにした。下りた後、門桁川の渡り方も考えなくてはならないので、のんびりはしていられない。


沢を下ってきた
道がなくなったあたりで、適当な斜面を下る。砂礫でずるずる滑る。一歩で1mも流れる。だんだん急になり、谷間に吸い寄せられていき、砂礫の斜面から岩場の枯れ沢に変わる。
滝のような高さはないので、岩にへばりつき、浮石に足をとられないように下っていく。徐々に石が小ぶりになり、水が出てきて沢になる。さらに下っていくと、ピンクリボンを発見。

広場と小屋を発見
信用ならないが、人が来ている場所であることは確認できる。道らしきものもあるので、少し進むと、小さな平地があり小屋が建っていた。ほっとして、脇の山道を進む。

ところがこの道が、また登っていく。しかも断崖の狭隘路。行ったら振り返れない。川へ下ると決めてここまで来たのを思い出し、その手前の凹部を下りる。またズルズル滑り下る。


河原到着
そしてついに、河原に出た。
地図を見ると、道なき斜面を、標高差にして150mあまりも下ったらしい。

着いたところは、大きくカーブしたアウト側。黒っぽい石がゴロゴロしている。
見上げると、対岸の高いところに石垣が見える。林道があるということは、先に進みすぎと判る。下りるべき尾根を見過ごしてしまったらしい。
門桁川の流れは速く、飛び石で渡れるところを探すしかなさそう。渡った先の崖が上れる必要もある。


車輪?

レール?
とりあえず河原を歩き、様子を探る。線路のレールらしきもの、鉄道の車輪らしきものが転がっている。

2015/9/24追記:
このあたりには、気田森林鉄道が通っていたらしい。春野町の篠原貯木場から小石間隧道を通り、川沿いに北上。終点は都沢の分岐で総延長33km。昭和26年全線完成、34年廃止。
吊橋はこのルート上なので、レールなどが落ちていてもおかしくはない。

河原の端まで来たが、いけそうな場所が見つからない。いったん山手に登って次の河原を目指す。

上りきってみると、そこに吊橋があった。
ゲートから2km弱にある、通行禁止の古い吊橋。木部がかなり傷んで見えるが行くしかない。相棒に別れを告げ、両手でワイヤーをしっかり握りつつ慎重に渡る。
本当にツイていた。


吊橋発見

相棒に感謝

向こう側には立入禁止のバリケード

紅葉

伊老沢の合流

ルート(旅レコカシミール

ルートは、往路が赤線、復路が水色線。主尾根に沿って下ると、今回のような目に遭うことがわかる。上に掲げた、標高860mあたりのポイントは要注意。
地図上の橋は、出発地点の吊橋とオクト沢林道の茗ヶ城大橋しか書かれてない。それ以外では、今回渡った吊橋しかないと思われる。偶然ここに出られるタイミングで沢下りを決断できたのは、運がよかった。
なお、ログでは川を何度も渡ったような軌跡になっているが、川沿いの林道を歩いてきた。谷間なので、GPSロガーの誤差が大きくなった模様。

戻って一息ついていると、すぐ後方からも歩いてくる人影。聞けば、五丁坂頭山へ行ったという。そして帰路、尾根を間違い、道もリボンも無い中、オクト沢林道まで出て帰ってきたとのこと。これが、冒頭の紺色の車の人。
熊鈴をつけ、登山ノートに帰着記入し、話しぶりなどからも泰然自若な風。こうでなくては……

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