DSTEブランドのマークはついているが、外箱には、BATTERY PACK CHARGER 电池充电器(器は口口犬口口)とあるだけ。
本体にモデル名として、DC-C404200600と記載されている。TRAVELCHARGERという記載もあるが、これが商品名だろうか。
中華バッテリチャージャーについては、いろんな意味でバラエティに富んでいることが紹介されている。
いきなり電池を突っ込むのは勇気が要るので、地道にこつこつと電圧を拾ってみることにした。ロガーも持ってないし。
充電器自体には、600mA出力と記載されている。カシオ純正品も、600mAとか650mAとか書かれている。
このあたりで具合のいい抵抗を見繕って、電池の代わりに接続する。ざっと計算してもワットクラスになるので、11円/本の5Wセメント抵抗を使用した。
これで足りない高抵抗域は、手持ちの1/4Wカーボン抵抗を使った。
念のため、セメント抵抗の抵抗値を4端子法で測ってみた。
基準とした5%カーボン抵抗に対し、全数+0%-2%の範囲に収まった。十分な精度を持つと想像される。
結果を以下にまとめる。
抵抗値(Ω) | インジケータ | 初期電圧(V) | 1分後電圧(V) | 初期電流(A) | 1分後電流(A) | 初期電力(W) | 1分後電力(W) | 1分間電圧変化(V) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10M | ■ | 4.23 | 4.23 | 0.00 | 0.00 | 0.00 | 0.00 | 0.00 |
100 | ■ | 4.21 | 4.21 | 0.04 | 0.04 | 0.18 | 0.18 | 0.00 |
47 | ■ | 4.20 | 4.20 | 0.09 | 0.09 | 0.38 | 0.38 | 0.00 |
33 | ■ | 4.19 | 4.19 | 0.13 | 0.13 | 0.53 | 0.53 | 0.00 |
22 | ■ | 4.17 | 4.17 | 0.19 | 0.19 | 0.79 | 0.79 | 0.00 |
10 | ■ | 4.12 | 4.11 | 0.41 | 0.41 | 1.70 | 1.69 | -0.01 |
9 | ■ | 3.90 | 3.85 | 0.43 | 0.43 | 1.69 | 1.65 | -0.05 |
8 | ■ | 3.60 | 3.49 | 0.45 | 0.44 | 1.62 | 1.52 | -0.11 |
7 | ■ | 3.20 | 3.12 | 0.46 | 0.45 | 1.46 | 1.39 | -0.08 |
6 | ■ | 2.78 | 2.71 | 0.46 | 0.45 | 1.29 | 1.22 | -0.07 |
5 | ■ | 2.35 | 2.30 | 0.47 | 0.46 | 1.10 | 1.06 | -0.05 |
4 | ■ | 1.92 | 1.88 | 0.48 | 0.47 | 0.92 | 0.88 | -0.04 |
3 | ■ | 1.46 | 1.44 | 0.49 | 0.48 | 0.71 | 0.69 | -0.02 |
2 | ■ | 1.00 | 0.99 | 0.50 | 0.50 | 0.50 | 0.49 | -0.01 |
1 | ■ | 0.52 | 0.52 | 0.52 | 0.52 | 0.27 | 0.27 | 0.00 |
表には「1分」がたくさんあるが、これは計測中にじわじわ変化したため。1分もおけば物理的にも安定するだろう、という根拠のない理由による。
インジケータ色は、充電器左上のLEDの色。CHARGEと書かれたその右が光る。そこそこ力を入れて再現してある。
作業としては、抵抗を付け替えては電圧を測る、を繰り返す。電流、電力は、計算によって得られた値。
結果を見ると、わざわざセメント抵抗を買ってこなくても間に合ったかな……
この充電器の実力は、0.5A、2W程度と判る。
標準的な、CC-CV(Constant Current-Constant Voltage:定電流-定電圧)方式のよう。
充電電流が0.1Aを切ると、インジケータが緑になる模様。外箱の説明書きによると、緑色に切り替わったら満充電、とのこと。
ただし、緑になっても電流は流れている。47Ωは実験中に発熱が確認できた。
緑になった以降もつないでおけば、より完全充電に近づけられるが、おそらく緑になった時点で9割以上充電はできているはず。
インジケータは、緑色LEDは常時点き、赤色LEDはアナログ的な動き。端子電圧でそのまま駆動しているように見える。
外箱の説明では、2時間で充電できる、ともある。
同梱の電池のテスト結果は、1000mAh強程度だろう、という結論だった。実力0.5Aであれば、約0.5C充電であり、2時間充電という説明は筋が通る。
逆に、電池記載の2300mAhが本当だとすれば、充電器の出力は1.2Aぐらい謳ってなければ計算が合わない。
リチウムイオン電池には、保護回路が内蔵されている。一旦トラブると、ロックがかかって充電できなくなるという。
解除するにはT端子を使うらしいが、当充電器はT端子を使っていない。
マイナス端子との間に100kΩクラスの抵抗がつながっているので、プラスの電圧がかかるんだろうと思われるが……ロック解除のロジックが不明なので対応のしようがない。
T端子を使ってないということは、電池の温度も見ていない。
たいした電流は流れてないが、とろけそうな猛暑日の充電、などは気をつけたほうがいいかもしれない。
長時間の実験もしていないので、充電時間タイマのようなものがあるかどうかは不明。
電圧はほぼ4.2Vを守っている。電池電圧が上がれば電流はどんどん減るので、通常であればつなぎっぱなしでも問題ないはず。
RIGOLオシロで見てみた波形を載せておく。25Ωをつないだ、橙インジケータの状態。
よく見かけるスイッチング電源の波形。
スイッチングノイズは、スパイクが常時0.2Vほど出ている。8msごとに0.5Vp-p程度の大きめの集団が来る。
波形範囲を広げても、間欠動作、パルス動作のような変わった様子は見えなかった。
いろいろ参考になったページを挙げておく。
・株式会社ベイサン:リチウムイオン電池の話 …… リチウムイオン電池に関して詳しく解りやすい資料たくさん
・99%お気楽な日々の中で・・・:甦れ!リチウムイオン充電地 …… 過放電バッテリなどのロック外し
・気の迷い:海外Li-ion充電器を比べてみた……やや古い内容だが、中華バッテリーチャージャーの中身に詳しい
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