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左上が付属の充電器
先日購入し、実験もしてみたNP-130互換バッテリセット。これに同梱の充電器について、簡単にチェックしてみた。

DSTEブランドのマークはついているが、外箱には、BATTERY PACK CHARGER 电池充电器(器は口口犬口口)とあるだけ。
本体にモデル名として、DC-C404200600と記載されている。TRAVELCHARGERという記載もあるが、これが商品名だろうか。

中華バッテリチャージャーについては、いろんな意味でバラエティに富んでいることが紹介されている
いきなり電池を突っ込むのは勇気が要るので、地道にこつこつと電圧を拾ってみることにした。ロガーも持ってないし。

充電器自体には、600mA出力と記載されている。カシオ純正品も、600mAとか650mAとか書かれている。
このあたりで具合のいい抵抗を見繕って、電池の代わりに接続する。ざっと計算してもワットクラスになるので、11円/本の5Wセメント抵抗を使用した。
これで足りない高抵抗域は、手持ちの1/4Wカーボン抵抗を使った。

念のため、セメント抵抗の抵抗値を4端子法で測ってみた。
基準とした5%カーボン抵抗に対し、全数+0%-2%の範囲に収まった。十分な精度を持つと想像される。

結果を以下にまとめる。

抵抗値(Ω)インジケータ初期電圧(V)1分後電圧(V)初期電流(A)1分後電流(A)初期電力(W)1分後電力(W)1分間電圧変化(V)
10M4.234.230.000.000.000.000.00
1004.214.210.040.040.180.180.00
474.204.200.090.090.380.380.00
334.194.190.130.130.530.530.00
224.174.170.190.190.790.790.00
104.124.110.410.411.701.69-0.01
93.903.850.430.431.691.65-0.05
83.603.490.450.441.621.52-0.11
73.203.120.460.451.461.39-0.08
62.782.710.460.451.291.22-0.07
52.352.300.470.461.101.06-0.05
41.921.880.480.470.920.88-0.04
31.461.440.490.480.710.69-0.02
21.000.990.500.500.500.49-0.01
10.520.520.520.520.270.270.00

表には「1分」がたくさんあるが、これは計測中にじわじわ変化したため。1分もおけば物理的にも安定するだろう、という根拠のない理由による。
インジケータ色は、充電器左上のLEDの色。CHARGEと書かれたその右が光る。そこそこ力を入れて再現してある。
作業としては、抵抗を付け替えては電圧を測る、を繰り返す。電流、電力は、計算によって得られた値。
結果を見ると、わざわざセメント抵抗を買ってこなくても間に合ったかな……

この充電器の実力は、0.5A、2W程度と判る。
標準的な、CC-CV(Constant Current-Constant Voltage:定電流-定電圧)方式のよう。

充電電流が0.1Aを切ると、インジケータが緑になる模様。外箱の説明書きによると、緑色に切り替わったら満充電、とのこと。
ただし、緑になっても電流は流れている。47Ωは実験中に発熱が確認できた。
緑になった以降もつないでおけば、より完全充電に近づけられるが、おそらく緑になった時点で9割以上充電はできているはず。
インジケータは、緑色LEDは常時点き、赤色LEDはアナログ的な動き。端子電圧でそのまま駆動しているように見える。

外箱の説明では、2時間で充電できる、ともある。
同梱の電池のテスト結果は、1000mAh強程度だろう、という結論だった。実力0.5Aであれば、約0.5C充電であり、2時間充電という説明は筋が通る。
逆に、電池記載の2300mAhが本当だとすれば、充電器の出力は1.2Aぐらい謳ってなければ計算が合わない。

リチウムイオン電池には、保護回路が内蔵されている。一旦トラブると、ロックがかかって充電できなくなるという。
解除するにはT端子を使うらしいが、当充電器はT端子を使っていない。
マイナス端子との間に100kΩクラスの抵抗がつながっているので、プラスの電圧がかかるんだろうと思われるが……ロック解除のロジックが不明なので対応のしようがない。

T端子を使ってないということは、電池の温度も見ていない。
たいした電流は流れてないが、とろけそうな猛暑日の充電、などは気をつけたほうがいいかもしれない。

長時間の実験もしていないので、充電時間タイマのようなものがあるかどうかは不明。
電圧はほぼ4.2Vを守っている。電池電圧が上がれば電流はどんどん減るので、通常であればつなぎっぱなしでも問題ないはず。


100mV/div、1ms/div

100mV/div、20μs/div
RIGOLオシロで見てみた波形を載せておく。25Ωをつないだ、橙インジケータの状態。

よく見かけるスイッチング電源の波形。
スイッチングノイズは、スパイクが常時0.2Vほど出ている。8msごとに0.5Vp-p程度の大きめの集団が来る。

波形範囲を広げても、間欠動作、パルス動作のような変わった様子は見えなかった。


いろいろ参考になったページを挙げておく。

 ・株式会社ベイサン:リチウムイオン電池の話 …… リチウムイオン電池に関して詳しく解りやすい資料たくさん
 ・99%お気楽な日々の中で・・・:甦れ!リチウムイオン充電地 …… 過放電バッテリなどのロック外し
 ・気の迷い:海外Li-ion充電器を比べてみた……やや古い内容だが、中華バッテリーチャージャーの中身に詳しい

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