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Satellite Trackerによる軌道遠望

Heavens-Aboveによる飛翔体リスト
かつて立須で眺めたイプシロンロケット2号機。かすかな1段目と見事な2段目は見られたが、3段目は見逃した(2016/12/21記事2016/12/25記事)。
3段目は、ペイロードを3万km上空にまで持ち上げ、役目を終えた自らもその軌道に留まっている。

冒頭画像は、Satellite Trackerによるイプシロン2号機3段目の軌道の様子、およびHeavens-Aboveによる、イプシロン関連の飛行物体らリスト。
2号機によるものは、観測衛星「あらせ」とともに3段目(EPSILON R/B)が残っている。ただ、R/Bの近地点は200kmを切っているので、そう遠くないうちに落ちるはず。


このロケットが明け方に好条件で帰ってくる、ということで観望してみた。が、条件は意外と厳しい。
そもそもが小さい物体なので、飛行高度が低い近地点付近でないと難しいと思われる。近地点は日々、西へ移動していく。これが明け方薄明間際に、日本付近にある間だけがチャンスになる。
この物体は、地球を日に3周強回る。端数があるので通過時刻は日によって変わる。薄明間際のちょうどいいタイミング、空は暗くしかし飛翔体には日が当たる状態、で通過してくれないと見えない。
高度が低いときを狙うので、見られる地域は狭くなる。また当然ながら、よく晴れていなければならない。
9月28日は、近地点は中国の西昌発射センター(Wikipedia)付近にあった。映像は、軌道を駆け上がる途中の、高度500km、距離700kmあたりの姿になる。

9月初め頃から挑戦を始めたのだが、なかなか成果に結びつかなかった。条件が揃わないし、揃っても見えないし撮れない。
肉眼では見えないので、15日には双眼鏡(16×70、5°)で確認。4時半過ぎで薄明が感じられるも、高度450km距離660kmという良い条件でようやく見つけることができた。20秒ほどの中で2回、すうっと増光、すうっと減光。2等星よりは明らかに暗いが、うさぎ座の主だった面々といい勝負なので、3等星と見積もった。フレアしてないときは、双眼鏡でも見えない。10秒ほどでオリオン座の下辺をたどりきるぐらいの速度だった。

EX-10カメラ単体では、動く3等星は厳しい。かといってデジファミスコでは、写野が狭いのでフレアのタイミングを外すかも。その間の玉がほしい……
悩みつつも、デジファミスコでケラレが気にならない程度の600mm相当で動画で撮ることにした。運よく、1回分のフレアは確保できた。
撮影地は浜松市北区。ビクセンのSP赤道儀で自動ガイドしている。
画質調整や編集にAviUtl、比較明合成にKikuchiMagick、フォントにあずきフォントを使っている。


2020/9/28 EPSILON R/B(2号機3段目:41897/2016-080-B)

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