since 2007.8 by K-ichi


撮影開始!
星好きにもいろいろあって、好みからやや外れたところにあるのがお月さま。月食も眺める程度だったのだが、ここのところやたらと快晴なので、つい撮影に向かってしまった。

2022年11月8日。平日ではあるものの良い時間帯。16:50ごろ日没し、欠け始めが18時過ぎ、皆既が20時を挟んだ1.5hもあり、22時前に丸く戻る(まだ半影食中)。夕方やや風は出たもののやがて止み、気温も程よい快晴。オマケに皆既中に天王星食まであるという。

せっかくなので、月食の一部始終を撮ってみようと、ガイド撮影することにした。Vixen スーパーポラリス赤道儀で自動ガイドしつつ、デジファミスコで動画を撮る。赤道儀は入念に設置し、車のバッテリで駆動する。

EX-10では、フルHD動画は35分程度で切れてしまう(ファイルサイズの問題)。解像度は下げたくないので、TL(タイムラプス)モードで間引いて4時間を乗り切る。TL撮影実験によれば、純正電池なら1万フレーム近く撮れている。2秒インターバルとすれば7200f、多少劣化していたとしても間に合いそう。20fpsの動画になるので、ちょうど6分に仕上がる。
電池を持たせたいので、液晶を暗くし、エコモードもスリープも有効にしておく。撮影中は撮像は見えない。

星野を撮る場合は「TL夜景モード」を使うのだが、露出時間を設定できるのは今回に関してはデメリット。満月から皆既までは光度差が激しいので、ここは自動露出の標準のTLモードとする。
インターバル間隔は2秒で制限時間はなし。色味が変わると困るのでWBは曇り、MFでピント合わせ。満月が露出オーバー気味だったので-2.0EVとした。EX-10側はf=112mm相当なので、システムとしては1120mm相当、動画は撮影範囲が狭まるので1200mmあたりと思われる。
赤緯体にデジファミスコを直に乗せて東を向くので、映像の左が北になる。



途中、席を外していて、月がフレームアウトしかかる。修正するも皆既の最中に電池切れ。PCに取り込んで確認すると、画質に愕然。大反省会となった。

念入りにセッティングしたのに、明らかにガイドが先に進んでしまう。モータドライブが寿命か? 赤緯方向にもずれる。極望がずれてる? ……何のことはない、月の移動を考えてないだけだった。
月は27.3日(朔望周期は29.5日)で空を一周する。赤経方向だけでも1日に13°あまり、4時間なら2.2°になるので月4つ分も移動する。いくつか恒星も写っているが、こちらはあまり動いてない。

電池切れも、思いのほか早かった。撮影開始から2時間余しか経ってない。
後日あれこれ確認をしてみたが、どうもフレーム数ではなく動作時間が問題らしい。いろいろセーブした状態で2h余、液晶を点けたままで1.5hが現在の実力らしい。以前の調査時点の54%しかない。常時満充電で、夏場は室温40℃を越える。5夏を経過したらここまで下がるのか……ひと夏で1割強減るとすれば計算が合うが。

デジファミスコは、色収差もあり解像度はもともと高くないシステムだが、それにしてもボヤけすぎ。ISS月面通過でももう少し撮れている。
帰宅後に確認すると、拡大撮影リングの部分がわずかに浮いていた。ピント合わせ後、構図決めなどをしている間にずれてしまったのかもしれない。写っている恒星像を見ても、非点収差のような歪みが見える。ウィークポイントとして認識はしていたのだが。

とりあえず、ターコイズフリンジっぽい色合いや恒星食の出現(HD17996、19:30:19±2s)は写っていた。撮影は叶わなかったが、20:35:50ごろには天王星食も双眼鏡で確認できた。
ネタもできたということで良しとしよう。

なお画像映像中のHR856(イェール輝星目録)はHIC13448(ヒッパルコス星表)ともいう6.3等星。ヒッパルコス星表はHICでなくHIPを冠する流儀もあるらしい。
星食から出てきたHD17996(ヘンリードレイパー・カタログ)はHIC13509と思われる。前者は7.6等、後者は8.2等とある。
星表にはいろいろあり(Wikipedia)暗い星はHD表記が多いらしいが、普段使いのSatelliteTrackerはイェールとヒッパルコスしか対応していない。CalSkyも糠のような星に対応していたが、どの星表を使っていたか……既になく確認しようもない。


ターコイズフリンジと飛行機(?)

HD17996出現1分後

0 件のコメント:

コメントを投稿

.

関連記事


この記事へのリンク by 関連記事、被リンク記事をリストアップする」記事

ブログ アーカイブ