since 2007.8 by K-ichi

2ヶ月ぶりに再び白倉川へ出向いてみた。

水窪街中まで1時間余、そこから大嵐(おおぞれ)まで細い舗装道路を30分、さらにダートで駐車場まで20分ほど。意外とかかる。

水窪川沿いに車をやりながら、今回はあちこちを眺めていく。


標高400mほどのところで、山側斜面にアマヅルの群落。もともと葉の変化に富む種で、大きく切れ込んでキレハノブドウ風、三角形やハート型、3裂などいろいろある。が、星型の葉は初めて見た。残念ながら実りは確認できず。

……と信じて疑わなかったが、これはツヅラフジだったようだ。低地で普通のアオツヅラフジとは、雰囲気がぜんぜん違う。

林道白倉線へ入ると、前回は遠目にしか見られなかったサルオガセが、沢沿いの植樹にも結構見つかった。知らなければ気根でも生えたかと勘違いしそう。沢の風にそよいでいる。

手触りは、干からびた根っこ。
これを食うというネット情報もあるが、その気は起きない。

若いのとか拡大とか。

川沿いの荒れ地には、フジアザミが満開。

何度見ても「食べ応えのありそうなレタス」に見えてしまう。その気になって触ると、硬く鋭い鋸歯に拒絶され血を見るのだが……でもいつか食ってみよう。

振り返ると、こんもり茂った葉の中にたわわなサルナシ……ではなくナシ。

畑が放置されたもののよう。近くの車庫には、フロンテハッチの廃車が「埃」高く眠っていた。20年ぐらい前までは営農していたか。摘果してないとこんなにも生る。遠目には大振りなサルナシにも見えた。
ひとつ齧ってみたかったが、山の実りの例に倣って、手の届く範囲だけには生っていない。

川沿いのトチノキの巨木。

周辺は重機で整地され、この樹だけ無理やり残されたよう。なんとなく痛々しい雰囲気。この地に生を受けて幾百年。この状況に何を想う。

身を削りつつ、アケビやサルノコシカケにも宿を貸している。

マタタビがオレンジ色に熟し始めていた。

時期的に遅いが、木天蓼があるか探してみた。やや変形しかけた実もあったが、割ってみたら単に種の入りが悪いだけだった。前回、木天蓼が生っていた木は、すでにすべて落ちていた。

寄り道が過ぎ、昼過ぎまでかかってやっと駐車場に着く。天気は素晴らしく良い。

とりあえず右端の尖ったところ、西俣沢の折り返しまでは行きたいが、約7km。あれこれ見ながらだとだいぶ厳しい。ともかく早足で行く。

ミツバアケビが割れ始め。

ぱっくり割れたほうが見栄えはいいが、持ち帰るには割れ始めぐらいがちょうどいい。中はちゃんと空洞になり、甘く熟している。

駐車場の先は、すぐに車両通行止め。
登山ポスト、登山者心得、発破作業中注意、一般車両通行止め、などなど看板多数。水窪川起点の標識もここにある。

前回初見だったミツデカエデやメグスリノキ、そしてチドリノキなどは、結構あちこちに生えていた。
チドリノキは、大振りで格好のいい翼果をさりげなく。

一方でホソエカエデは徹底的な物量作戦。

黒沢橋の手前に、木製の小振りな吊り橋がある。なんとなく渡ってみようと、腐っていないか確認しつつ、揺れにビクつきながら歩を進める。が、半ばで主に止められ、しかたなく引き返す。

カツラが、ところどころ黄葉を始めている。

樹下を歩くと、やや植物性の雰囲気のあるカラメルの香り。梅雨時のホオノキのような、匂いの塊に頭を突っ込んだようなそれとは違う、さりげないさわやかな心地よさ。

ヌルデが、真っ白に粉を吹いた実をつけていた。

粉のように見えても、実際は油分を含んで少しべとつく。白い正体は、リンゴ酸カルシウムの結晶とのこと。舐めてみると、柔らかいしょっぱさと程よい酸っぱさ。なんとなく旨みも感じられる。ウルシの仲間であることを忘れて、何度もお代わりをしてしまった。歩き疲れた体には、イタドリ以上に美味く感じられる。

立派な鉄骨の黒沢橋の袂でシカに出くわす。しばらく睨み合ったのち、白いハートの尻を見せて悠々と走り去った。

考えてみると、このへんの山で出会う哺乳動物はシカばかり。クマでもタヌキでもイノシシでもなくシカ。警戒しつつも意外とフレンドリーなのか。ときどきコウモリも飛んではいるが。



よく見かける木。バッコヤナギとのこと。

表は特に特徴のない緑の葉だが、裏は白い毛で覆われる。葉柄や芽は、透明感のある黄緑色でプラスチックのよう。
樹皮は縦に裂けるが、菱目模様が出ることもある。

これはアワブキ。

ビワのような大きな葉で、高木。赤い実を大量に着けている。小振りな樹も見られた。

時間が急かし、前回見つけたミヤママタタビは見つけられず。5.5km付近の谷底の工事現場からは、祝日にもかかわらず斫り音が聞こえる。現場を越えると、とたんに道が悪くなる。落石、土砂崩れが酷い。4輪ではちょっと怖い。このあたりで東西の俣沢が別れる。

その先には、ヤマブドウの大群落。谷底までの崖にこんもり。どうやっても行けない。

源流のひとつの西俣沢。水量は多めで傾斜もきつめ。元気のいい沢。左岸を行くと、このすぐ先が折り返し地点。白い欄干の味気ない橋がある。対岸には、折り返した道も見える。

この時点で既に16:00。6km/hなら1時間強、暗くなるまでに車まで戻れるか……などと計算しながら急ぎ折り返す。

途中、変わったサルナシを見つける。

機械的にすら感じられる、整った卵形、きれいに揃った平行な葉脈。緑の葉に真っ赤な葉柄。黒く焦げたような蔓。調べてみると、クマヤナギらしい。実は生っていなかった。

駐車場に付く頃には既に薄暗く、際どいタイミングだった。途中、谷底で斫っていた業者らの車に抜かれる。山で歩いている人に会うと、たいてい一声二声かけあうものだが、一目もくれず。
そんなもんか……。


Special thanks to 樹木鑑定サイト「このきなんのき」のりもの@ふたば

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