since 2007.8 by K-ichi

前回は南部の秋葉山~水窪町境あたりまでをうろついたので、今回は北部と「野鳥の森」を散策してみた。

とりあえず水窪ダムへ。今朝は凪。天竜川のダム湖もここも、湖面に景色が映える。
左下に見えるような、隅に寄った木屑の中で、大きなフナらしき魚がバシャバシャと跳ねていた。産卵の季節で、浅瀬に集まってきたところだろうか。

路面はかなり荒れている。ダム湖周辺を過ぎればある程度落ち着くが、それでもこんな小崩落はごく普通に。

ヤブウツギが咲き始め。
大きな花ではあるが湿った赤紫色で、どうもパッとしないイメージ。ダム周辺から中腹へかけて、かなり目立つ。

ウツギは、蕾のものから満開のものまでさまざま。

ヤマフジは、この林道に限らず、いたるところで咲いている。満開近い。

ヤマブキは、もうピークは過ぎた模様。

ニガイチゴも終盤。6弁がいくつも咲いている株があった。

ミズナラを見上げる。黄緑の新葉が折り重なる。

おそらくイヌブナ。
ブナに比べ葉脈が多く、葉裏には葉脈に寄り添うように白い毛がたくさん。

オニグルミは、雄花がだらしなく開花。

オニグルミと並び、水窪には欠かせないトチノキも開花。

昨年9月に麻布山に登ったときから気にはなっていた「野鳥の森」。登山口そばの「ウグイスの門」から南方に山に入ると、おおむねスーパー林道に沿いながら、門桁山(かどけたやま)、五丁坂頭山(ごちょうさかとうやま)などを尾根伝いに経る。

写真の案内板には沢口山とあるが、国土地理院の地図では五丁坂頭山となっている。また門桁山は1377mとあるが、地図では1375mであり、両山の中間にあるピークが1377mになっている。門桁山山頂にある杭の表示は1377米となっている。

途中には観察小屋やスーパー林道へ下る脇道などがある。林道との接続は、北から「ウグイスの門」「ホオジロの門」「オオルリの門」「ヒバリの門」「ヤマガラの門」。初めと終わりはそれなりの上り下りだが、それ以外はおおむね広くなだらかで、とても歩きやすい。
この道とスーパー林道に挟まれた細長い天然林部分は、鳥獣保護区にも指定されている。

南端の「ヤマガラの門」から北上してみた。初めはひたすら登る。

間近でツルアジサイを見られた。低山でもよく見られるイワガラミと違って、鋸歯がとても細かい。

苔むした倒木があちこちに見られ、深く落ち葉が積もり、見慣れたバイケイソウが群れている。
標高は1300m前後。余裕で傘を差して歩けるハイキングコース。

いたるところに、大きなブナが生える。

樹木銘板があちこちに取り付けられている。ビギナーにはちょうどいい。
ただ、まだ葉の出そろってない樹種もあり、観察目的ならもう少し後の方が良さそう。

オオカメノキ(ムシカリ)の銘板あり。

尾根伝いの道で、西側は天然林、東側は植樹林になっている。この目印は死刑宣告?

ゴヨウツツジ、とあった。白い花もいいが、葉先にオレンジのアクセントのある新葉もかわいらしい。

唯一の展望。五丁坂頭山と中間ピーク間の鞍部あたりから。
門桁山山頂には展望台まで設けられているが、木に茂られて眺望無し。羽虫の襲来を受けるだけ。

尾根にまたがって根を張り、踏ん張っているツガ(?)の大木。
麻布山や熊伏山の登山道では、尾根道が根だけで保たれ、その下は崩れ落ちてすっかりがらんどう、というところがあった。それに比べればまだ緩い傾斜。

ハリギリの大木。銘板横のは500mlペットボトル。
大きくなると棘がなくなる、程度のものは見かけるが、ここまでの大木は見たことがない。樹皮は大きく縦に割れる。
信じがたい大きさだが、はるか上空の枝ぶりや芽吹きは、たしかにハリギリっぽい。

芽吹いて採り頃のハリギリやコシアブラがあちこちにあった。とても採れる高さではないが。

穴だらけのブナ。

なにやらバッサリと裂け目の入った、モミ・ツガ系の大木。

直径1m以上ありそうな巨大ブナ。
この圧倒的な存在感は、写真では表せない。

折れてなお芽吹くブナ。

展望のない門桁山周辺では、赤いミツバツツジや白いゴヨウツツジ(シロヤシオ)が咲いていた。

亜高山に生えるダケカンバ、らしい。ほとんど芽吹いていない。

「野鳥の森」だけあって、いろんな鳥の紹介看板もある。
アオバトは数日前に別の場所で初めて聞いたが、どう聞いても「ほ~~ぃ~ほ~~~」であり、ア行には聞こえない。今回も一声だけ聞くことができた。

門桁山を越えると、九十九折でどんどん下る。そして終点の「ウグイスの門」へ到着。道草ばかりしていたせいで2時間半もかかってしまった。ここからはスーパー林道で戻る。

満開近い状態のサクラ(?)がまだあった。
だらだらと歩いて、「ヤマガラの門」まで45分ほどだった。

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