京都大学(植田充美教授ら)と三重大学の研究グループは、住友商事の協力を得て、植物繊維を効率的に糖に分解する細菌を見つけた。この糖を発酵させればバイオエタノールとなる。
植物繊維にはセルロースとヘミセルロース(セルロース以外の非水溶性多糖類)があり、後者を分解するには予め化学処理などが必要だった。発見したクロストリジウム属菌の一種は、この両方を同時に分解できる。100kgの稲藁から30Lのエタノールが得られる計算で、効率は従来の倍。ゲノムは解読済みで、分解に関わる遺伝子および機能は特許出願済み。さらなる効率化や、遺伝子を酵母に組み込んでの一括発酵なども目論む。横浜市で開かれる日本分子生物学会第32回年会で、12日発表する。
サトウキビなど糖類や穀物由来のデンプンを原料にしているバイオ燃料。投機も加わり穀物相場を不安定にしていた。各国各社が開発を競っている非食料からの効率的な製造に、インパクトが与えられる発見かもしれない。
ちなみに従来の技術を改良したものには、今秋を目標としていたホンダや、先ごろプラントを竣工した三菱重工らがある。
クロストリジウム属について調べてみると、破傷風菌、ガス壊疽菌群などが属するという。嫌気性(無酸素でないと生きられない)のため真空パック内で増殖し、中毒事故を起こして有名になったボツリヌス菌も含む。デンプンを原料とするが、アセトン、ブタノール、エタノールを生成する種もあるという。
記事ではクロストリジウム属菌の一種、としかない。芋蔓焼酎や稲藁大吟醸は、ネタとしてはリスキーか。
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