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顕微鏡で画質を確認しているところ
運転免許更新の時期が来た。見慣れた黄土色ライセンスに戻るようだ。

3枚つづりの通知葉書を確認すると、持ち込み写真で免許を作る場合には写真必要、などとある。静岡県では申請写真は不要で、「あごを引いて、目をつむって、ハイこちらを見てっ!」と指名手配様に撮ってくれる。それが、選りすぐりの一品ものを使って作ることができるらしい。

5年間付き合うことになる身分証明証でもあり、見せられるレベルにしたい気持ちは前々からあったので、乗ることにした。
写真を作るにあたり、自分でできることは自分でこなして安価に上げることとし、またプリント結果の画質の確認などもしてみた。


とりあえず、持ち込み写真に関してググる先生に教えを請うてみる

持ち込み写真が免許に使えるようになったのは、一昨年ごろかららしい。Wikipediaには2012年からとあるが、多くの県では2011年から開始している。ネット情報をざっと見たところでは、鳥取県の2月21日島根県の2月25日あたりが最も早い。

写真の条件は、無背景、無帽、正面上三分身、6ヶ月以内の撮影、3cm×2.4cm、など。目元や輪郭から本人確認が難しい(眼鏡の反射、加工写真等)ものはダメ。道路交通法施行規則第17条第2項第8号をベースに、各県が独自仕様に設定している模様。申請手続きなどにも、だいぶ差がある。

多くの県では、カラー、白黒を問わない。静岡県も「白黒可」とはがきに明記してある。ところが、東京都(警視庁)ではカラーに限定、しかも背景色の指定(薄灰、薄茶、薄青のみ)まである。
山口県では、「写真は規定サイズに切ってこなくていいよ」と優しいことが書いてあるが、警察署での手続きにはいまだに申請写真を要する。
静岡県では、中部免許センター以外は後日交付となるが、手続きはセンターでも警察署でも随時してもらえる。いくつかの県では予約が要るなどし、中でも埼玉県は縛りがきつい。予約必須、免許センター扱いのみ、1日20人まで、という。あくまで例外扱いです、と言わんばかり。すぐ隣の茨城県は、まったく縛りがないというのもおもしろい。
相好を崩した写真はダメという曖昧な定説があるが、埼玉県佐賀県などでは、歯が見えた時点でNGとなる。厳しいが判りやすい。これも隣県の長崎県では、歯はおろか喜色満面も問題なし、という報告がある。


撮ってもらうと背景は青になる。持ち込み作成が判るようにしたかったので、ライムグリーンな耐水ボードを背景とした。東京では使えない色。
影ができにくいように、多方から光が入るように、周辺にも気を配る。1m弱後方に耐水ボードを立て掛け、1.5m強前方にカメラを設置。さらにカメラ後方には姿見を置く。
カメラはいつものCaplio R2。画素数から、最高画質になると思われる1280×960のファインモードを使用。影ができるのでフラッシュは焚かない。焦点距離はステップズームで50mm相当に設定。マクロモードで、顔に一点フォーカスとする。AV出力をモニタにつなぎ、モニタチェックしながら撮影。レリーズ機能が無いので、インターバル撮影で撮りまくる。
モニタチェックだけでもやれないことはないが、解像度が低かったり表示時間が短かったりで確認しづらい。姿見はあると便利。

ひととおり撮り終えたら、PCに取り込んで選別。気に入ったものが無ければ再び撮りなおす。
選んだ画像は、角度や明るさ等を微調整した後、規定サイズになるよう切り貼りする。選別はWindowsのプレビュー機能で、微調整はPhoto Creator SEで、切り貼りはOS付属のMSペイントで行った。ペイントではBMPで保存し、これをBTJ32で100%JPEGに変換。このファイルを印刷に回す。
Photo CreatorとBTJ32は、いずれもフリーソフト。


ネットプリントは、なじみの封筒に入ってくる
(1枚分切り取られた後)
プリントは、そうでない人もそれなりに写るフジフイルムに頼んだ。

フジフイルム・ネットプリントサービスは、ネット経由で送ると、4日後の朝にはセブンイレブンで受け取れる。送料はかからない。印画紙クオリティでL版1枚30円。おなじみの縦長の封筒に、長財布型の包み。その中に、補強の厚紙とプリントが入っている。

写真ができると、前日にメールが届く。翌朝7:00以降にセブンイレブンに出向き、レジで伝えると奥から持ってきてくれる。会計は通常商品と同じ扱いで、レジで行う。

その写真と通知葉書、免許証、更新料(3100円)を携えて、警察署へ出向く。
窓口で、持ち込み写真での更新希望の旨伝える。写真は切らずにL版のまま持っていくと、向こうで適当に切ってくれた。正確にカットするのは免許作成時(中部免許センター)のようで、一回り大きめにざくざくと。写真の裏に撮影日と氏名を書き、差し出された専用封筒に入れる。更新料を払い、病状申告をし、視力検査をし、30分の講習ビデオを見て、受付に戻る。通常ここで新しい免許が交付されるが、持ち込み写真の場合は後日になる。現行免許の裏面に、受講証明と、有効期間が「受講から3ヶ月」まで延長された判子が押されている。
交付まで時間がかかるので、免許の期限から逆算して余裕を見て出向いたが、その心配は無用だった。

ちなみに交付は3週間後とあるが、実際は「次の水曜日から3水曜日後」らしく、木曜に手続きしたため交付予定日は約4週間後だった。



免許用写真は、前述のとおり、フジフイルム・ネットプリントサービスを利用した。300dpiで印画紙品質で出力される。裏面には「FUJIFILM」「FUJICOLOR EVER BEAUTY PAPER for LASER」と書いてある。対応フォーマットはJPEGのみ

ネットプリントでは、推奨画素数が決められている。L版(89×127mm)の場合、1074×1524px。12px/mm、305dpiと計算できる。必要な写真サイズは24×30mmなので、288×360pxになる。これに周囲2mm(24px)の切り代をつけて、範囲内に複数コピペし、確認用スケールなども追記して発注した。
推奨画素数は推奨であり、それ以上でいけないわけではない。実力を見るために、450dpi相当のファイルも頼んでみた。単純に1.5倍に画素数を増やしたもの。ただし文字は打ち直しているので、ドット画としては同じで大きさが1/1.5になっている。

なお、確認に使った顕微鏡はVixen FM-1500。対物10×、接眼5×の50倍。実視野は2mm。カメラはCaplio R2で、コリメート方式で撮影。円形視野が見えるものは、50mm相当ピント∞、そうでないものはデジタルズーム(2×)込み270mmピント∞。約5.5倍拡大されている。照明は、斜め上から白色LED(黄青タイプ)で照らしている。


300dpiでの8pt文字原画範囲

300dipでの「a」

450dpiで発注した「a」

300dpiでの右瞳

450dpiで発注した右瞳

'97ごろの印画紙(HB彗星頭部付近)

結果としては、すべて300dpi程度に縮小後、印刷されるよう。
普通の写真ではなんら問題ないが、白地に黒の文字では、完全に潰れてしまう。ドットをクッキリ印刷するには、300dpiを厳守しなくてはいけない。
300dpi程度のドットは分解できるが、ぼんやりしている。文字の左上がイエローがかり、右下がシアンがかっている。少し色収差があるような感じ。
印画紙自体の画素は、とても細かい。フィルムの代わりにデジタルデータを使っているだけで、写真そのものといった風。600dpiぐらいは余裕でこなせそうな余力を感じる。
周辺は9~14px(300dpi換算)、おおむね1mm切れると見ておけばよさそう。


セブンイレブンで扱う写真というと、店頭のマルチコピー機を使ったデジカメプリントというものもある。
機械は富士ゼロックスで、用紙はフジフイルム。裏に「FUJIFILM」「Xerographic PhotoPaper」と書いてある。L版は30円で、ネットプリントと同価。その場で印刷できるので、ネットプリント並みの品質なら使わない手はない。
対応フォーマットは、JPEG、BMP、TIFFなど。対応メディアは多く、おそらく何でも使える。

推奨画素数、装置の解像性能がわからないので、4倍拡大した1200dpiのデータで試してみた。SDカードに入れた75MBのビットマップも、問題なく読み込んでくれた。
「a」は4倍拡大しているので、32pt文字が8pt@300dpiと同じ大きさになる。8pt時と形が変わってしまうが、解像度の実力や、解像度が足りないときの処理は見て判る。


1200dpiでの32pt文字原画

1200dpiでの「a」

上:400dpi 下:300dpi

上:400dpi 下:300dpi

右瞳

グレー部に見える各色の配列

結果としては、かなり残念。
機械自体は600dpiでカラー印刷できそうなことが書いてあるが、デジカメプリントでは8.5px/mm、215dpiといったところ。
斜めにイエローとシアン、90°逆方向にマゼンダ、縦方向にブラックという配列。ところどころグリーンも見える。荒いので、陰影部に黒の縦縞が肉眼で確認できてしまう。のっぺりとした背景がのっぺりせず、刷毛で掃いたようなムラが出る。布地に印刷したかのよう。スケール部は真っ白な背景に真っ黒な市松だが、背景に色が着いて白くない。
プリントを構成する画素自体は細かく見える。証明写真サイズプリントが200円でできるので、もしかしたらこちらは高画質なのかもしれない。使いたい価格ではないが。
周辺は26~46px(300dpi換算)、2~4mmぐらい切れる。写真部を測ると、想定より5%ほど大きく印刷された。


おまけで、手元のプリンタでも試してみた。
エプソンの複合機で、顔料4色インクを使うPX-A650。印刷物耐久性とローコストを求めた製品で、画質は二の次のはず。用紙は、本機だったか前機(PM-2000C)だったかに付属していたフォト用紙。なんとなく表面の触り心地が発泡スチロールっぽい。
マニュアルには、5760×1440dpi(だたしインクの粒の大きさ)とある。2880×720dpiあたりまでは出せるかもしれない、という期待を持たせる。


1200dpiでの32pt文字原画

1200dpiでの「a」

上:400dpi 下:300dpi

上:400dpi 下:300dpi

右瞳

グリーン部

グレー部

結果は、微妙。
印刷物のインク粒サイズは、前2者の画素よりあきらかに大きい。ただ肉眼での見た目は、マルチコピー機よりやや綺麗。解像度は300dpi程度か。
のっぺり背景は、刷毛引き模様こそ見えないが、ややモジャモジャ感がある。色味は全体にやや薄い。400dpiの市松スケールなど、解像度が間に合わない部分でも、それなりに見える画になっている。人が見て、自然に見える圧縮がされている感じ。
ちなみに、Win7でExplorerから印刷する場合、「写真をフレームに合わせる」にチェックを入れ、オプションから「プリンターのプロパティ」を開く。「四辺フチなし」にチェックし、「はみ出し量設定」は「より少ない」に設定すると、ほど良いサイズで印刷できた。

圧倒的にネットプリントが綺麗で、これは異論の余地はない。色味は正常だが荒く粗雑な感のデジカメプリントと、やや薄めな色合いながら丁寧に描かれているプリンタは、好みが分かれそう。


持ち込み写真で免許証を作る場合、写真をコピーした上で使用するので解像度が落ちる、とされている。そもそもの免許証自体の写真は、どの程度の解像度なのかも見てみた。


免許証(現行)の右瞳

格子状に見える部分があり、ひとマスを1pxと数えると、400dpiほどだった。
ただ、写真自体はピンボケ気味にも見えるので、この解像度は活かしきれていない。

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