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ダイヤモンド富士、日の出の経過
白い縦線は日の出の位置を示す
カシミール3Dには、鳥瞰風景を見る機能、カシバードがある。
便利なツールで、ダイヤモンド富士の予習などに使っていたが、微妙なズレも気になっていた。

古いバージョンでは一時手直しが行われ、その直後に動作確認もしている。当時は手持ちに正確なデータがなく、他人の写真などをもとに「だいたいこんなもんか」程度の結論しか得られなかった。
補正されたにもかかわらず、かの金環日食が部分日食になるなど、太陽直径の1/3ほどもズレることがあった。

新しいバージョン(9.0.4以降)では、0.006°以内(0.36′以内)の誤差になったという。実際、金環日食はちゃんと金環日食になっている。
ダイヤモンド富士もしっかり撮れた(冒頭の写真)ので、これで精度を確認してみる。
ちなみにこのバージョンからは、木星と金星も表示できるようになった。宵、暁のころの明るい星も確認できる。


先日のダイヤモンド富士は、1300mm超の望遠で撮っており、また時計も十分に正確なことを確認している。
かつて、カシバードは1日ずらすと意外と合致したことがあったので、ずらして何枚か確認してみる。撮影日の、2014年7月8日4:51:23と、同時刻前後1日ずつ、うるう年1サイクル分を並べてみた。

2012201320142015
7/7
7/8
7/9

……しかし、まったく合わない。

2012/7/8を30秒早めるとか、2015/7/9を20秒早めるとか、近いものはあるが、日時のずれ方に規則性が感じられない。
金環日食のような微妙な位置取りが正確だったことを考えると、ここまでズレるのは解せない。


カシバード画像に補助線追加
そこで、当該のカシバード画像に補助線を入れてみた。

その時刻の太陽の頂部と日の出の方位角は、一致することが判る。
高度が約7′高いが、地図の正確性の問題だろうか。大気による浮き上がり、という現象もある。


1時間分の太陽の動き
設定を変えて、広角で1時間分の太陽の動きを見てみた。
これにも補助線を入れてみる。

横線が地平線になる。このあたりで太陽の動きがうねる。
斜め線は、日の出30分後と30分前とを直線でつないだもの。上空では太陽が下がり、地平線近くでは上がっている。

言い換えると、上空ではほぼまっすぐ動き、地平線際でぐっと持ち上がっている、と解釈もできる。
これを見ると、大気による浮き上がりは考慮されていそう。

真の仰角(°)大気差(′)見える高度(°)
-0.5028.87-0.02
0.0027.790.41
0.5021.450.86
1.0018.711.31
1.2717.421.56
1.5016.441.77
2.0014.572.24
その浮き上がり現象についても調べてみる。
表は、現地環境を考えて、25℃、917hPaにおける計算例。

計算式は複雑で、細かく条件分けした計算方法が「大気差 REFRACTION」ページにある。
仰角1.56°の日の出の瞬間は、17′あまり浮き上がっていることが判る。

ただし、計算方法によって値は微妙に変わるようで、この表では地平線で太陽直径分の浮き上がりになっていない。
Wikipediaなどによれば、地平線間際では、浮き上がりは30′を越えるという。つまり、日は昇ってないのに、実際には丸ごと昇って見えることになる。

また、気温が真冬並だったり、気圧が平地並だったりするだけでも、それぞれ2′ぐらい浮き上がる。スカイツリーでも大気差が影響するとなれば、富士山自身の浮き上がりもあるはず。

日時と方位角は正確なので、「カシバードで、浜松から富士山を眺めたときは、天体は7′浮いて描画される」という結論にしておく。
オプションで、大気差補正設定があると便利かも……。

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